文楽[大阪]公演
第二部は吉野。吉野・金峯山寺近辺は、文楽聖地探訪のなかでも行ってよかった場所のひとつです。 ↑ 餅花は発泡スチロールでできていると思い込んでいたが、実はもなかの皮のようなお菓子素材で出来ていると知り、よく観察してみたら、確かに金魚すくいのカッ…
初春公演奈良紀行、第一部は東大寺。昨年、東大寺へ行ったとき、「令和五年十月厳修 開山良弁僧正 千二百五十年 御遠忌法要」の看板が立っているのを見てしまった。「こ……、これは二月堂来るで……」と思っていたら、本当に上演された。 ■ 第一部、良弁杉由来…
今年の初春公演は、舞台が東大寺、吉野、新口と、奈良スペシャル。新口村(現在は新口町)は観光スポットではないけれど、免許センターがあるので、奈良の人はみんな知っているそうです(以前、演目解説でヤスさん?が言っていた)。 ■ 第三部、傾城恋飛脚、…
■ 第三部、壺坂観音霊験記、沢市内より山の段。 「上手い人を上から順番に配役したら良い舞台になる」と思いがちだが、そうではない面白さや独自性、生の舞台ならではの味わいが感じられて、とても良かった。 お里役の清十郎さんは、数年前ならこうは演じな…
『いちのたにふたばぐんき』の「ふたば」の漢字表記は、よくある「女束攵」ではなく、あくまで「女束欠」なのが、国立劇場系列での上演時のポイントです。国立劇場系列が『一谷嫰軍記』と表記しているのは、初演時の丸本がそうなっているからという理由のよ…
今年は秋公演が10月〜11月にまたがらないので、「錦秋公演」という冠はないようだ。 ■ 第一部、心中宵庚申。 『心中宵庚申』は、それなりの頻度でやっているわりに、観客に理解されていない演目のような気がする。この話、仮に、近松というエクスキューズが…
ある意味、文楽劇場イチの辛口玄人が集まる親子劇場、今年も元気に開演です。 ■ 鈴の音。 勘十郎さん作の子供向け演目。一見、ほのぼの、のそ〜っとした話ながら、異様な強迫観念が見え隠れするのが勘十郎さんらしい。 あらすじ まだ寒さの残る山の中。沼か…
玉男さんの「本物」感って、本当にすごいと思う。 ■ 今月の第二部、『心中天網島』は、圧倒的に「紙屋内」! 和生さんのおさんは、「おさん」という人、そのものだと思う。 今回、和生さんのおさんを見て感銘を受けたことが2つある。1つ目。おさんは治兵衛の…
今月のプログラムには、「実録」研究で有名な菊池庸介さんの、田宮坊太郎物の実録についての寄稿が載っているのが良かった。 ■ 『花上野誉碑』志渡寺の段。 文楽を見始めたばかりの2016年に和生さんお辻で鑑賞し、その鬼気迫る表情に衝撃を受けた演目。もう…
大阪鑑賞教室、今年の演目は『仮名手本忠臣蔵』の勘平のくだり。「忠臣蔵」そのものですら最近の若いモンは知らないと言われているのに、お軽勘平とか、異次元の話では!?とそわついてしまった。 今年は玉志サンが後半配役ということで、行ったのは後期日程…
近所の木に「稽古中!!」って感じの初心者ウグイスがとまっていて、独特すぎる音程のホケキョをかましまくっている。 ■ 第一部、義経千本桜。今回は狐忠信がらみのくだりのダイジェスト。あらすじはこちらから。 伏見稲荷の段。上手に伏見稲荷の赤い鳥居。…
和生さんのことをお母さん、玉男さんのことをお父さんだと思い込んでいる節があります。 ■ 第三部、嬢景清八嶋日記、花菱屋の段。人形黒衣。 藤太夫さんの語りは、それぞれの人の個性的なキャラクターが出ており、街道筋の遊女屋の賑やかさ、集う人々の睦ま…
「合邦住家」で、合邦ハウスの下手側にある閻魔様の首。下に車輪がついていて、そのまま移動できるというのが衝撃的だった。それにしても、なんで首だけなの??? ■ 第二部、摂州合邦辻、万代池の段。あらすじはこちらから。 舞台中央に蒲鉾小屋。手すり上…
■ 絵本太功記、二条城配膳の段。 六月朔日。二条城には、伝奏の浪花中納言兼冬〈桐竹亀次〉を迎える饗応が執り行われ、小田春長〈吉田文司〉、森の蘭丸〈吉田玉翔〉、武智光秀〈桐竹勘十郎〉が集まっていた。光秀が中納言を案内して座を立つと、春長は蘭丸を…
今月の展示室「文楽座の歴史」の展示品、ロセコレが多すぎて笑った。 ■ 寿式三番叟。 千歳〈吉田勘市〉、近来ない巧さ。とても気品のある千歳で、所作が美しい。しかしなんだろう、やたら色っぽい。首のシナが強いのか、目線に意味がありすぎるのか。緊張の…
ハッピーニューイヤー!!正月から、子殺し! 親殺し! 心中! の文楽らしさ3連発の文楽劇場初春公演へ行ってきました。 ■ 染模様妹背門松。前半部分(「油屋」)を切り、お染と久松の行末のみに絞った上演。 生玉の段。下手二重に歌祭文の掛小屋、その手前…
私が観た日、第二部と第三部で清十郎さんの髪型が違っていて、「変えるの、そこ!?!?!?!?!?!?!??」と思った。 ■ 団子売。 もう、『徳川セックス禁止令』の勢いで、人数稼ぎの景事をオマケとして付けるのを禁ず!!!!!!!! 半通しの中に突…
権四郎渾身のギャグ「もぉ〜〜〜」、大好き。やたら綺麗な前傾姿勢と足の踏み出し、ツノを作る手がバッチリ左右揃っているのが良い。意味不明すぎて、観客一切ノーリアクションなのも良い。 ■ 第二部、ひらかな盛衰記、三段目。 大津宿屋の段。 二重の舞台い…
今回の『蘆屋道満大内鑑』は、FGOコラボ等は特になしです。 ■ 錦秋公演第一部、蘆屋道満大内鑑。 まったく期待していなかった演目。しかし、かなりの驚きがあった。和生さん、清治さんの舞台牽引力を見せつけられた。シッカリした人がリーダーシップをもって…
勘十郎さんの人間国宝認定、おめでとうございます。 人形遣いは簑助さん、和生さんがいるので、次に誰かが認定されるのはだいぶ先だろうと思っていましたが、早々の認定。おめでたいことです。 勘十郎さんの活動では、外部公演への意欲的な参加が一番尊敬す…
お子さま&大きなお友だちで犇めく親子劇場。「大きなお友だち」は本気の方が多く、お連れのお子さまにプログラムの技芸員一覧を見せながら、「この人とこの人は親子」等の英才教育を施していました。 ■ うつぼ猿。 前解説に亘さんが登場。実際に舞台で使う小…
今年の夏休み公演第三部・サマーレイトショーは『夏祭浪花鑑』。団七が玉男さん、義平次が玉志サンという私にとってベスト配役だったので、4連休を使って行ってきた。 ■ 住吉鳥居前の段。 玉男さんの悠々とした団七がとても印象的。ドーーーーーーーーーーー…
6月鑑賞教室公演は、大阪府の要請により、土日休演、平日のみの開催。今回はたまたま平日のチケットを買っていたので、観ることができた。 っていうか、玉志サンの出演がある後期日程、18日(日曜日)が元から休演設定で、基本土日しか行けない自分は「なん…
◾️ 花競四季寿、オールシーズンフル上演。 春、万歳。 なぜあの二人は手をつないで入ってくるのか。どういうシチュエーションなのだろう。たまに才蔵でイヤイヤしてる人がいるので、「仕事したくなーい」という才蔵を太夫が引っ張ってきているという設定なの…
第三部は『傾城阿波の鳴門』『小鍛冶』とも、玉佳さんが登場。事情(?)を知らない方が見たら、玉佳チャンをアイドルだと思われるのではないでしょうか。はい、玉佳チャンはみんなのアイドルです! ■ 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家の段。 お弓が故郷に残…
4月15日、簑助さんの4月公演をもっての引退が発表された。 私 吉田簑助は 二〇二一年四月公演をもちまして引退いたします 一九四〇年 三代吉田文五郎師に入門し 人形の道を歩みはじめて今年でまる八一年 その間脳出血で倒れ 復帰してから二二年 体調が思うに…
ぶおんぶおん! はまぐりの季節!! ■ 第二部、『国性爺合戦』。最初に、今回の上演部分へ至るまでのあらすじを、簡単にまとめておく。 大明国の思宗烈皇帝は、ウェイウェイしながら暮らしている。そこへライバル国である韃靼の将軍・梅勒王が使者としてやっ…
今年の初春公演にはクズがいないのが珍しい。求馬は若干やばいが、12月東京は全演目「適当に生きすぎだろ」っていうやつらが跋扈していたので、みんなまともだなと思った。 ■ 第三部、妹背山婦女庭訓、四段目。今回は道行恋苧環からの上演。 超安定のクオリ…
「……母様の死に目にも逢わぬとゆ〜、悲し〜〜〜い不孝〜〜な、はかな〜い〜ことがぁ、あろかいのぉ」というところ、内田吐夢監督『浪花の恋の物語』の冒頭、竹本座のお大尽・東野英治郎が地獄のように下手な素人義太夫を唸るシーンで有名ですが、本物をやっ…
不穏な中だが、初春公演に行ってきた。 ■ 第一部、菅原伝授手習鑑。今回は三段目を上演。来月の東京、四段目に続く、という趣向? 車曳の段。 車曳が出るのは、うし年だから???うしはとても毛並みがよかった。新品かもしれない。車曳はうしが途中で帰っち…