TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

文楽[大阪]公演

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『鈴の音』『瓜子姫とあまんじゃく』国立文楽劇場

ある意味、文楽劇場イチの辛口玄人が集まる親子劇場、今年も元気に開演です。 ■ 鈴の音。 勘十郎さん作の子供向け演目。一見、ほのぼの、のそ〜っとした話ながら、異様な強迫観念が見え隠れするのが勘十郎さんらしい。 あらすじ まだ寒さの残る山の中。沼か…

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『心中天網島』国立文楽劇場

玉男さんの「本物」感って、本当にすごいと思う。 ■ 今月の第二部、『心中天網島』は、圧倒的に「紙屋内」! 和生さんのおさんは、「おさん」という人、そのものだと思う。 今回、和生さんのおさんを見て感銘を受けたことが2つある。1つ目。おさんは治兵衛の…

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『花上野誉碑』『紅葉狩』国立文楽劇場

今月のプログラムには、「実録」研究で有名な菊池庸介さんの、田宮坊太郎物の実録についての寄稿が載っているのが良かった。 ■ 『花上野誉碑』志渡寺の段。 文楽を見始めたばかりの2016年に和生さんお辻で鑑賞し、その鬼気迫る表情に衝撃を受けた演目。もう…

文楽 6月大阪鑑賞教室公演『二人三番叟』『仮名手本忠臣蔵』二つ玉の段、身売りの段、早野勘平腹切の段 国立文楽劇場

大阪鑑賞教室、今年の演目は『仮名手本忠臣蔵』の勘平のくだり。「忠臣蔵」そのものですら最近の若いモンは知らないと言われているのに、お軽勘平とか、異次元の話では!?とそわついてしまった。 今年は玉志サンが後半配役ということで、行ったのは後期日程…

文楽 4月大阪公演『義経千本桜』伏見稲荷の段、道行初音旅、河連法眼館の段 国立文楽劇場

近所の木に「稽古中!!」って感じの初心者ウグイスがとまっていて、独特すぎる音程のホケキョをかましまくっている。 ■ 第一部、義経千本桜。今回は狐忠信がらみのくだりのダイジェスト。あらすじはこちらから。 伏見稲荷の段。上手に伏見稲荷の赤い鳥居。…

文楽 4月大阪公演『嬢景清八嶋日記』花菱屋の段、日向嶋の段『契情倭荘子』蝶の道行 国立文楽劇場

和生さんのことをお母さん、玉男さんのことをお父さんだと思い込んでいる節があります。 ■ 第三部、嬢景清八嶋日記、花菱屋の段。人形黒衣。 藤太夫さんの語りは、それぞれの人の個性的なキャラクターが出ており、街道筋の遊女屋の賑やかさ、集う人々の睦ま…

文楽 4月大阪公演『摂州合邦辻』万代池の段、合邦住家の段 国立文楽劇場

「合邦住家」で、合邦ハウスの下手側にある閻魔様の首。下に車輪がついていて、そのまま移動できるというのが衝撃的だった。それにしても、なんで首だけなの??? ■ 第二部、摂州合邦辻、万代池の段。あらすじはこちらから。 舞台中央に蒲鉾小屋。手すり上…

文楽 1月大阪初春公演『絵本太功記』二条城配膳の段、夕顔棚の段、尼ヶ崎の段 国立文楽劇場

■ 絵本太功記、二条城配膳の段。 六月朔日。二条城には、伝奏の浪花中納言兼冬〈桐竹亀次〉を迎える饗応が執り行われ、小田春長〈吉田文司〉、森の蘭丸〈吉田玉翔〉、武智光秀〈桐竹勘十郎〉が集まっていた。光秀が中納言を案内して座を立つと、春長は蘭丸を…

文楽 1月大阪初春公演『寿式三番叟』『菅原伝授手習鑑』寺入りの段、寺子屋の段 国立文楽劇場

今月の展示室「文楽座の歴史」の展示品、ロセコレが多すぎて笑った。 ■ 寿式三番叟。 千歳〈吉田勘市〉、近来ない巧さ。とても気品のある千歳で、所作が美しい。しかしなんだろう、やたら色っぽい。首のシナが強いのか、目線に意味がありすぎるのか。緊張の…

文楽 1月大阪初春公演『染模様妹背門松』生玉の段、質店の段、蔵前の段 『戻駕色相肩』廓噺の段 国立文楽劇場

ハッピーニューイヤー!!正月から、子殺し! 親殺し! 心中! の文楽らしさ3連発の文楽劇場初春公演へ行ってきました。 ■ 染模様妹背門松。前半部分(「油屋」)を切り、お染と久松の行末のみに絞った上演。 生玉の段。下手二重に歌祭文の掛小屋、その手前…

文楽 10・11月大阪錦秋公演『団子売』『ひらかな盛衰記』辻法印の段、神崎揚屋の段 国立文楽劇場

私が観た日、第二部と第三部で清十郎さんの髪型が違っていて、「変えるの、そこ!?!?!?!?!?!?!??」と思った。 ■ 団子売。 もう、『徳川セックス禁止令』の勢いで、人数稼ぎの景事をオマケとして付けるのを禁ず!!!!!!!! 半通しの中に突…

文楽 10・11月大阪錦秋公演『ひらかな盛衰記』大津宿屋の段、笹引の段、松右衛門内の段、逆櫓の段 国立文楽劇場

権四郎渾身のギャグ「もぉ〜〜〜」、大好き。やたら綺麗な前傾姿勢と足の踏み出し、ツノを作る手がバッチリ左右揃っているのが良い。意味不明すぎて、観客一切ノーリアクションなのも良い。 ■ 第二部、ひらかな盛衰記、三段目。 大津宿屋の段。 二重の舞台い…

文楽 10・11月大阪錦秋公演『蘆屋道満大内鑑』保名物狂の段、葛の葉子別れの段、蘭菊の乱れ 国立文楽劇場

今回の『蘆屋道満大内鑑』は、FGOコラボ等は特になしです。 ■ 錦秋公演第一部、蘆屋道満大内鑑。 まったく期待していなかった演目。しかし、かなりの驚きがあった。和生さん、清治さんの舞台牽引力を見せつけられた。シッカリした人がリーダーシップをもって…

文楽 大阪7・8月夏休み特別公演『生写朝顔話』国立文楽劇場

勘十郎さんの人間国宝認定、おめでとうございます。 人形遣いは簑助さん、和生さんがいるので、次に誰かが認定されるのはだいぶ先だろうと思っていましたが、早々の認定。おめでたいことです。 勘十郎さんの活動では、外部公演への意欲的な参加が一番尊敬す…

文楽 大阪7・8月夏休み特別公演『うつぼ猿』『舌切雀』国立文楽劇場

お子さま&大きなお友だちで犇めく親子劇場。「大きなお友だち」は本気の方が多く、お連れのお子さまにプログラムの技芸員一覧を見せながら、「この人とこの人は親子」等の英才教育を施していました。 ■ うつぼ猿。 前解説に亘さんが登場。実際に舞台で使う小…

文楽 大阪7・8月夏休み特別公演『夏祭浪花鑑』国立文楽劇場

今年の夏休み公演第三部・サマーレイトショーは『夏祭浪花鑑』。団七が玉男さん、義平次が玉志サンという私にとってベスト配役だったので、4連休を使って行ってきた。 ■ 住吉鳥居前の段。 玉男さんの悠々とした団七がとても印象的。ドーーーーーーーーーーー…

文楽 6月大阪鑑賞教室公演『五条橋』『卅三間堂棟由来』国立文楽劇場

6月鑑賞教室公演は、大阪府の要請により、土日休演、平日のみの開催。今回はたまたま平日のチケットを買っていたので、観ることができた。 っていうか、玉志サンの出演がある後期日程、18日(日曜日)が元から休演設定で、基本土日しか行けない自分は「なん…

文楽 4月大阪公演『花競四季寿』『恋女房染分手綱』国立文楽劇場

◾️ 花競四季寿、オールシーズンフル上演。 春、万歳。 なぜあの二人は手をつないで入ってくるのか。どういうシチュエーションなのだろう。たまに才蔵でイヤイヤしてる人がいるので、「仕事したくなーい」という才蔵を太夫が引っ張ってきているという設定なの…

文楽 4月大阪公演『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家の段『小鍛冶』国立文楽劇場

第三部は『傾城阿波の鳴門』『小鍛冶』とも、玉佳さんが登場。事情(?)を知らない方が見たら、玉佳チャンをアイドルだと思われるのではないでしょうか。はい、玉佳チャンはみんなのアイドルです! ■ 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家の段。 お弓が故郷に残…

文楽 吉田簑助引退[2021年4月24日『国性爺合戦』楼門の段/錦祥女 国立文楽劇場]

4月15日、簑助さんの4月公演をもっての引退が発表された。 私 吉田簑助は 二〇二一年四月公演をもちまして引退いたします 一九四〇年 三代吉田文五郎師に入門し 人形の道を歩みはじめて今年でまる八一年 その間脳出血で倒れ 復帰してから二二年 体調が思うに…

文楽 4月大阪公演『国性爺合戦』国立文楽劇場

ぶおんぶおん! はまぐりの季節!! ■ 第二部、『国性爺合戦』。最初に、今回の上演部分へ至るまでのあらすじを、簡単にまとめておく。 大明国の思宗烈皇帝は、ウェイウェイしながら暮らしている。そこへライバル国である韃靼の将軍・梅勒王が使者としてやっ…

文楽 大阪1月初春公演『妹背山婦女庭訓』道行恋苧環・鱶七上使・姫戻り・金殿の段 国立文楽劇場

今年の初春公演にはクズがいないのが珍しい。求馬は若干やばいが、12月東京は全演目「適当に生きすぎだろ」っていうやつらが跋扈していたので、みんなまともだなと思った。 ■ 第三部、妹背山婦女庭訓、四段目。今回は道行恋苧環からの上演。 超安定のクオリ…

文楽 大阪1月初春公演『碁太平記白石噺』『義経千本桜』道行初音旅 国立文楽劇場

「……母様の死に目にも逢わぬとゆ〜、悲し〜〜〜い不孝〜〜な、はかな〜い〜ことがぁ、あろかいのぉ」というところ、内田吐夢監督『浪花の恋の物語』の冒頭、竹本座のお大尽・東野英治郎が地獄のように下手な素人義太夫を唸るシーンで有名ですが、本物をやっ…

文楽 大阪1月初春公演『菅原伝授手習鑑』車曳・茶筅酒・喧嘩・訴訟・桜丸切腹の段 国立文楽劇場

不穏な中だが、初春公演に行ってきた。 ■ 第一部、菅原伝授手習鑑。今回は三段目を上演。来月の東京、四段目に続く、という趣向? 車曳の段。 車曳が出るのは、うし年だから???うしはとても毛並みがよかった。新品かもしれない。車曳はうしが途中で帰っち…

文楽 大阪錦秋公演『本朝廿四孝』道行似合の女夫丸、景勝上使の段、鉄砲渡しの段、十種香の段、奥庭狐火の段 国立文楽劇場

八重垣姫が夢見がち&キラキライケメン好きになっちゃったのは、お兄ちゃんやお父さんが男塾に出てきそうな顔してるからだろうな……。 ■ 第三部は『本朝廿四孝』四段目をほぼ通し上演。「和田別所化性屋敷の段」「道三最期」は除外されているものの、謙信の領…

文楽 10・11月大阪錦秋公演『新版歌祭文』野崎村の段『釣女』国立文楽劇場

歌舞伎の野崎村の舞台写真を見たら、久作ハウスがめちゃくちゃデカくてびっくりした。庄屋さんか豪農かって感じ。吹けば飛ぶよなアバラ・ハウスだと思っていたので、大ショック……。 ■ 第二部、『新版歌祭文』野崎村の段。 どんだけ野崎村やる気やねん、呪わ…

文楽 大阪錦秋公演『源平布引滝』国立文楽劇場

大阪公演も無事再開できて、本当に良かった。文楽を大阪でゆっくり観られるというのは、本当に幸せ。 2017年夏休み公演の舞台写真。2018年の文楽劇場カレンダーより。 ■ 第一部、源平布引滝。今回は「義賢館」を飛ばしているので、話のいきさつがわかりづら…

文楽 1月大阪初春公演『加賀見山旧錦絵』『明烏六花曙』国立文楽劇場

■ 『加賀見山旧錦絵』草履打の段、廊下の段、長局の段、奥庭の段。 加賀見山は正直話がおもしろくない(突然の直球)。「女忠臣蔵」と言われても『仮名手本忠臣蔵』のような話の深みや文章の美しさがあるわけではなく、全体的に予定調和で単調。とは言え、舞…

文楽 1月大阪初春公演『七福神宝の入舩』『傾城反魂香』『曲輪文章』国立文楽劇場

正月から情報量が多い! 初春公演に行ってきた。 ■ 『七福神宝の入舩』。 宝船に乗った七福神がそれぞれ隠し芸を披露する景事。開演時は舞台に紅白幕が張ってある状態で、それが振り落さされると、七福神の乗った宝船がセリで上がってくる。 最初の感想「人…

文楽 11月大阪公演『仮名手本忠臣蔵』八段目〜十一段目 国立文楽劇場

年間通しての『仮名手本忠臣蔵』も最終回、八段目〜十一段目。なんだかえらいツウ好みな段だけになってしまっている気がするが、ついていけるだろうか……。 ■ 八段目「道行旅路の嫁入」。 びっくりしたのは、戸無瀬〈吉田和生〉の覇気。小浪〈吉田一輔〉はぼ…