TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

文楽[大阪]公演

文楽 10・11月大阪錦秋公演『団子売』『ひらかな盛衰記』辻法印の段、神崎揚屋の段 国立文楽劇場

私が観た日、第二部と第三部で清十郎さんの髪型が違っていて、「変えるの、そこ!?!?!?!?!?!?!??」と思った。 ■ 団子売。 もう、『徳川セックス禁止令』の勢いで、人数稼ぎの景事をオマケとして付けるのを禁ず!!!!!!!! 半通しの中に突…

文楽 10・11月大阪錦秋公演『ひらかな盛衰記』大津宿屋の段、笹引の段、松右衛門内の段、逆櫓の段 国立文楽劇場

権四郎渾身のギャグ「もぉ〜〜〜」、大好き。やたら綺麗な前傾姿勢と足の踏み出し、ツノを作る手がバッチリ左右揃っているのが良い。意味不明すぎて、観客一切ノーリアクションなのも良い。 ■ 第二部、ひらかな盛衰記、三段目。 大津宿屋の段。 二重の舞台い…

文楽 10・11月大阪錦秋公演『蘆屋道満大内鑑』保名物狂の段、葛の葉子別れの段、蘭菊の乱れ 国立文楽劇場

今回の『蘆屋道満大内鑑』は、FGOコラボ等は特になしです。 ■ 錦秋公演第一部、蘆屋道満大内鑑。 まったく期待していなかった演目。しかし、かなりの驚きがあった。和生さん、清治さんの舞台牽引力を見せつけられた。シッカリした人がリーダーシップをもって…

文楽 大阪7・8月夏休み特別公演『生写朝顔話』国立文楽劇場

勘十郎さんの人間国宝認定、おめでとうございます。 人形遣いは簑助さん、和生さんがいるので、次に誰かが認定されるのはだいぶ先だろうと思っていましたが、早々の認定。おめでたいことです。 勘十郎さんの活動では、外部公演への意欲的な参加が一番尊敬す…

文楽 大阪7・8月夏休み特別公演『うつぼ猿』『舌切雀』国立文楽劇場

お子さま&大きなお友だちで犇めく親子劇場。「大きなお友だち」は本気の方が多く、お連れのお子さまにプログラムの技芸員一覧を見せながら、「この人とこの人は親子」等の英才教育を施していました。 ■ うつぼ猿。 前解説に亘さんが登場。実際に舞台で使う小…

文楽 大阪7・8月夏休み特別公演『夏祭浪花鑑』国立文楽劇場

今年の夏休み公演第三部・サマーレイトショーは『夏祭浪花鑑』。団七が玉男さん、義平次が玉志サンという私にとってベスト配役だったので、4連休を使って行ってきた。 ■ 住吉鳥居前の段。 玉男さんの悠々とした団七がとても印象的。ドーーーーーーーーーーー…

文楽 6月大阪鑑賞教室公演『五条橋』『卅三間堂棟由来』国立文楽劇場

6月鑑賞教室公演は、大阪府の要請により、土日休演、平日のみの開催。今回はたまたま平日のチケットを買っていたので、観ることができた。 っていうか、玉志サンの出演がある後期日程、18日(日曜日)が元から休演設定で、基本土日しか行けない自分は「なん…

文楽 4月大阪公演『花競四季寿』『恋女房染分手綱』国立文楽劇場

◾️ 花競四季寿、オールシーズンフル上演。 春、万歳。 なぜあの二人は手をつないで入ってくるのか。どういうシチュエーションなのだろう。たまに才蔵でイヤイヤしてる人がいるので、「仕事したくなーい」という才蔵を太夫が引っ張ってきているという設定なの…

文楽 4月大阪公演『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家の段『小鍛冶』国立文楽劇場

第三部は『傾城阿波の鳴門』『小鍛冶』とも、玉佳さんが登場。事情(?)を知らない方が見たら、玉佳チャンをアイドルだと思われるのではないでしょうか。はい、玉佳チャンはみんなのアイドルです! ■ 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家の段。 お弓が故郷に残…

文楽 吉田簑助引退[2021年4月24日『国性爺合戦』楼門の段/錦祥女 国立文楽劇場]

4月15日、簑助さんの4月公演をもっての引退が発表された。 私 吉田簑助は 二〇二一年四月公演をもちまして引退いたします 一九四〇年 三代吉田文五郎師に入門し 人形の道を歩みはじめて今年でまる八一年 その間脳出血で倒れ 復帰してから二二年 体調が思うに…

文楽 4月大阪公演『国性爺合戦』国立文楽劇場

ぶおんぶおん! はまぐりの季節!! ■ 第二部、『国性爺合戦』。最初に、今回の上演部分へ至るまでのあらすじを、簡単にまとめておく。 大明国の思宗烈皇帝は、ウェイウェイしながら暮らしている。そこへライバル国である韃靼の将軍・梅勒王が使者としてやっ…

文楽 大阪1月初春公演『妹背山婦女庭訓』道行恋苧環・鱶七上使・姫戻り・金殿の段 国立文楽劇場

今年の初春公演にはクズがいないのが珍しい。求馬は若干やばいが、12月東京は全演目「適当に生きすぎだろ」っていうやつらが跋扈していたので、みんなまともだなと思った。 ■ 第三部、妹背山婦女庭訓、四段目。今回は道行恋苧環からの上演。 超安定のクオリ…

文楽 大阪1月初春公演『碁太平記白石噺』『義経千本桜』道行初音旅 国立文楽劇場

「……母様の死に目にも逢わぬとゆ〜、悲し〜〜〜い不孝〜〜な、はかな〜い〜ことがぁ、あろかいのぉ」というところ、内田吐夢監督『浪花の恋の物語』の冒頭、竹本座のお大尽・東野英治郎が地獄のように下手な素人義太夫を唸るシーンで有名ですが、本物をやっ…

文楽 大阪1月初春公演『菅原伝授手習鑑』車曳・茶筅酒・喧嘩・訴訟・桜丸切腹の段 国立文楽劇場

不穏な中だが、初春公演に行ってきた。 ■ 第一部、菅原伝授手習鑑。今回は三段目を上演。来月の東京、四段目に続く、という趣向? 車曳の段。 車曳が出るのは、うし年だから???うしはとても毛並みがよかった。新品かもしれない。車曳はうしが途中で帰っち…

文楽 大阪錦秋公演『本朝廿四孝』道行似合の女夫丸、景勝上使の段、鉄砲渡しの段、十種香の段、奥庭狐火の段 国立文楽劇場

八重垣姫が夢見がち&キラキライケメン好きになっちゃったのは、お兄ちゃんやお父さんが男塾に出てきそうな顔してるからだろうな……。 ■ 第三部は『本朝廿四孝』四段目をほぼ通し上演。「和田別所化性屋敷の段」「道三最期」は除外されているものの、謙信の領…

文楽 10・11月大阪錦秋公演『新版歌祭文』野崎村の段『釣女』国立文楽劇場

歌舞伎の野崎村の舞台写真を見たら、久作ハウスがめちゃくちゃデカくてびっくりした。庄屋さんか豪農かって感じ。吹けば飛ぶよなアバラ・ハウスだと思っていたので、大ショック……。 ■ 第二部、『新版歌祭文』野崎村の段。 どんだけ野崎村やる気やねん、呪わ…

文楽 大阪錦秋公演『源平布引滝』国立文楽劇場

大阪公演も無事再開できて、本当に良かった。文楽を大阪でゆっくり観られるというのは、本当に幸せ。 2017年夏休み公演の舞台写真。2018年の文楽劇場カレンダーより。 ■ 第一部、源平布引滝。今回は「義賢館」を飛ばしているので、話のいきさつがわかりづら…

文楽 1月大阪初春公演『加賀見山旧錦絵』『明烏六花曙』国立文楽劇場

■ 『加賀見山旧錦絵』草履打の段、廊下の段、長局の段、奥庭の段。 加賀見山は正直話がおもしろくない(突然の直球)。「女忠臣蔵」と言われても『仮名手本忠臣蔵』のような話の深みや文章の美しさがあるわけではなく、全体的に予定調和で単調。とは言え、舞…

文楽 1月大阪初春公演『七福神宝の入舩』『傾城反魂香』『曲輪文章』国立文楽劇場

正月から情報量が多い! 初春公演に行ってきた。 ■ 『七福神宝の入舩』。 宝船に乗った七福神がそれぞれ隠し芸を披露する景事。開演時は舞台に紅白幕が張ってある状態で、それが振り落さされると、七福神の乗った宝船がセリで上がってくる。 最初の感想「人…

文楽 11月大阪公演『仮名手本忠臣蔵』八段目〜十一段目 国立文楽劇場

年間通しての『仮名手本忠臣蔵』も最終回、八段目〜十一段目。なんだかえらいツウ好みな段だけになってしまっている気がするが、ついていけるだろうか……。 ■ 八段目「道行旅路の嫁入」。 びっくりしたのは、戸無瀬〈吉田和生〉の覇気。小浪〈吉田一輔〉はぼ…

文楽 11月大阪公演『心中天網島』国立文楽劇場

11月大阪公演第一部は9月東京公演に続き『心中天網島』、一部配役を変更しての上演。 ■ 北新地河庄の段。 河庄の中は東京から配役変更で織さん・清介さん。東京とは少し違う詞章でやっていた。具体的には、小春が太兵衛を罵って呼ぶ名前が毛虫客→李蹈天と、…

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『仮名手本忠臣蔵』五段目〜七段目 国立文楽劇場

忠臣蔵夏の部。今回の第二部は早々にチケットが完売。最後列に補助席も設置され、舞台も客席もにぎやかな公演になっていた。 ■ 五段目 山崎街道出合いの段〜二つ玉の段、六段目 身売りの段〜早野勘平切腹の段。 今回の配役が発表されたとき、勘平が和生さん…

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『日高川入相花王』『かみなり太鼓』国立文楽劇場

第一部の『かみなり太鼓』だけ引き幕が定式幕でなく、特製のものだった。踊っているのは妖怪さん? ■ まず最初は『日高川入相花王』。 上演前に、定式幕(このときは橙・黒・緑の普通の幕)の前で、小住さんによる解説がついていた。「道成寺は、ここから歩…

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『国言詢音頭』国立文楽劇場

プロモーションで「残酷」「大人向け」等の言葉が使われていて、「文楽はいつも残酷で大人向けなのでは……???」と思っていたが、なるほど。 ■ 初右衛門は、以前、玉男さんが「人を斬る役はゾクゾクする役、初右衛門とか」とお話しされているのを聞いて、ど…

文楽 6月大阪文楽鑑賞教室公演『五条橋』『菅原伝授手習鑑』寺入りの段・寺子屋の段 国立文楽劇場

大阪の鑑賞教室公演の配役は、前期・午前の部、前期・午後の部、後期・午前の部、後期・午後の部の4グループに分かれている。昨年まではこのうち前期・後期のいずれか2グループのみを観ていたが、今年は一念発起して、全グループを観た。 A. 前期・午前の部 …

文楽 4月大阪公演『祇園祭礼信仰記』『近頃河原の達引』国立文楽劇場

35周年記念だからか、文楽劇場自体もほんのり新調されていた。劇場内の絨毯の床張りがきれいになっていて、舞台のいちばん客席側の仕切(│×│×│×│模様になっている、すごく低い白木のついたて)がまっしろの新品になり、鳴り物や陰弾きの御簾も青々としたもの…

文楽 4月大阪公演『仮名手本忠臣蔵』大序〜四段目 国立文楽劇場

文楽劇場開場35周年記念ということで、1年をかけて『仮名手本忠臣蔵』をフル上演する企画。 おととし12月に東京で行われた通し上演と違うのは、4月公演で二段目「桃井館力弥使者の段」、11月公演で十一段目「光明寺焼香の段」を出すこと、11月公演の十段目「…

文楽 1月大阪公演『冥途の飛脚』『壇浦兜軍記』国立文楽劇場

カンタロー、今年も手ぬぐい撒きでメチャクチャ遠投していたが、三曲弾くのに肩にあんな無茶をしていいのか。友之助さんもキャピキャピ遠投していたが、あの三味線さんたちの遠投への熱意は何なのか。むしろ手ぬぐい撒きは遠投に自信がある人が出るのか。去…

文楽 1月大阪公演『二人禿』『伽羅先代萩』『壺坂観音霊験記』国立文楽劇場

正月からロリ百合!幼子殺し!夫婦自殺!公金横領!美女拷問!と飛ばしてくる文楽劇場のキレ味鋭い初春公演に行ってきた。制作も技芸員も「首が落ちたり切腹したりしないから正月向けだよね〜^^」と思ってそうで恐怖を覚える。 ■ 『二人禿』。百合百合なカム…

文楽 11月大阪公演『鶊山姫捨松』『女殺油地獄』国立文楽劇場

■ 鶊山姫捨松。漢字が読めない。ひばりやま・ひめすての・まつ。 これも事前に全段を読む予習をした。「中将姫雪責の段」に至るあらすじは以下のようなものだった。(参考文献:叢書江戸文庫11『豊竹座浄瑠璃集 二』校訂=白瀬浩司、河合祐子/国書刊行会/1990…