TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

文楽[東京]公演

文楽 9月東京公演『寿柱立万歳』『碁太平記白石噺』浅草雷門の段、新吉原揚屋の段 国立劇場小劇場

浅草にあるのは松屋だろ!!!!!!!!!!! ■ 寿柱立万歳。 詞章がアレンジ版で、国立劇場改修を祝う内容になっていた。素で聞きたいのだが、一体、祝っているのは誰で、誰に向かってそのアピールしているのだろう? まず、国立劇場の建て替えって、こっ…

文楽 9月東京公演『碁太平記白石噺』田植の段、逆井村の段 国立劇場小劇場

第一部の客席は、なんか、こう、「本気」の人オンリーな感じになっていた。 ■ 今回の第一〜二部の『碁太平記白石噺』は、国立劇場創立時にあった原則通し狂言のコンセプトを復活させたもの。ただ、三部制のために一番有名な「新吉原揚屋の段」と復活・稀曲部…

文楽 9月東京公演『奥州安達原』国立劇場小劇場

公演開始当初、朱雀堤から貞任物語まで2時間31分ぶち抜きのタイムテーブルになっており、客の膀胱を破裂させる気かと思った。*1 ■ 第三部『奥州安達原』。 先にトータルでの感想を書くと、「現状の文楽で素直にこの演目をやると、こうなるのか〜」と思った。…

文楽 6月若手会東京公演『絵本太功記』『摂州合邦辻 』『二人禿 』国立劇場小劇場

若鶏とひよこの群れがアメリカバイソンくらいの勢いでこっちに向かって激走してくるッッッ!!!!! 舞台と客の真剣勝負、文楽若手会。今年は東西とも無事に開催できて、良かった。 ■ 絵本太功記、夕顔棚の段、尼ヶ崎の段。 非常に見応えのある尼ヶ崎だった…

文楽 5月東京公演『義経千本桜』伏見稲荷の段、道行初音旅、河連法眼館の段 国立劇場小劇場

文楽は原文の文章にもとづいて表現しなければいけないとか、「情」が大切であるとか言われる。それ自体はその通りだと思うが、定義に恣意的な部分が大きく、実際には、個々のやり方や考え方の一つ、とも思える。過去の芸談にそういう言が多いから、なんとな…

文楽 5月東京公演『競伊勢物語』玉水渕の段、春日村の段 国立劇場小劇場

前回出たのが14年前の2008年4月大阪公演。その前が34年前の1987年9月東京公演。滅多に出ない演目ということで注目が集まる第二部『競伊勢物語』。話知らんで見る方がおもしろいやろ!というとこで、何の予習もなく突撃した。 ■ 第三部、競伊勢物語、玉水渕の…

文楽 5月東京公演『桂川連理柵』石部宿屋の段、六角堂の段、帯屋の段、道行朧の桂川 国立劇場小劇場

清十郎ブログが久しぶりに更新されていた。恐るべき連投で。書いていたけど、投稿できていなかったのことだった。状況はよくわからなさすぎだが、良かった良かった。 ■ 第三部、桂川連理柵、石部宿屋の段。 あらすじはこちらから。 長右衛門が、部屋に逃げ込…

文楽 2月東京公演『加賀見山旧錦絵』草履打の段、廊下の段、長局の段、奥庭の段 国立劇場小劇場

奥庭にいるカエルの鳴き声を聞いて突然思い出したが、初春公演の「尼が崎」の光秀の出で、「めっちゃカエルおる!!」って言っているお客さんがいた。 いや勘十郎を見ろよと思ったが、確かに、カエルめっちゃおった。なんなら、いままでにないくらい、相当め…

文楽 2月東京公演『二人禿』『御所桜堀川夜討』弁慶上使の段『艶容女舞衣』上塩町酒屋の段 国立劇場小劇場

開演前、 「べんけい・じょし……………………。弁慶・女子!!?!」 とつぶやいているお客さんがいらっしゃった。いる……。こういう、ツメ人形……。と思った。 ■ 二人禿。 いろいろ仕方ない部分もあるけど、床も人形も、覇気がない。やっぱりこの曲、人形にものすご…

文楽 2月東京公演『平家女護島』鬼界が島の段『釣女』国立劇場小劇場

2月文楽公演、前半に大幅な休演があったが、ひとまず、公演再開できてよかった。 (雨に打たれてしなびたプログラム) ■ 平家女護島、鬼界が島の段。 全段のあらすじまとめは、記事の最後につけています。 おまけ 『平家女護島』全段のあらすじ 淡々とした雰…

文楽 12月東京鑑賞教室公演『新版歌祭文』野崎村の段 国立劇場

野崎村、あまりに上演が多すぎて、話を楽しむとかより、出演者の技巧と大根の大きさを見る演目になってきた。 ■ 文楽鑑賞教室のため、配役違いで2グループ公演。今年は幹部一切出演なし、景事抜きで解説から始まるプログラム。 Aプロ。 解説=太夫・三味線(…

文楽 12月東京公演『仮名手本忠臣蔵』桃井館本蔵松切の段、下馬先進物の段、殿中刃傷の段、塩谷判官切腹の段、城明渡しの段、道行旅路の嫁入 国立劇場

鑑賞教室の客が初心者なら、こっちは舞台の上にいる人らのほうが初心者だッッッ!! 12月恒例、中堅公演に行ってきました。 ■ 例年、12月東京本公演は、幹部や高齢技芸員が抜け、中堅以下のみで行う公演になっている。今年は『仮名手本忠臣蔵』の四段目まで…

文楽 9月東京公演『卅三間堂棟由来』『日高川入相花王』国立劇場

■ 第二部、卅三間堂棟由来、平太郎住家より木遣音頭の段。 今回は、平太郎住家に盗賊・和田四郎が押しかけてきて母を殺害するくだりを含むノーカット上演。通常とは異なり、舞台上手に池とつるべが設置される。 和生さんは第一部の翁のほか、お柳も勤めてい…

文楽 9月東京公演『寿式三番叟』『双蝶々曲輪日記』国立劇場

■ 第一部、寿式三番叟。 三番叟役を勤めた人形遣いさんが、客席に向かって本当に一生懸命に鈴を振っている姿に心を打たれた。その人は今までに、私が見飽きたどうこうとか言い出す以上に、なんどもなんども三番叟を踊っていると思う。しかし、この人は、『寿…

文楽 9月東京公演『伊賀越道中双六』沼津の段、伏見北国屋の段、伊賀上野敵討の段

9月は全日程公演できて、本当に良かったです。 ■ 第三部は『伊賀越道中双六』。今回公演の一番の目玉、「沼津」から。 沼津里(小揚)。 東海道、沼津の里のほど近く。旅姿の商人〈呉服屋十兵衛=吉田玉男〉はふと何かを思いつき、荷物持安兵衛〈吉田和馬〉に…

文楽若手会『菅原伝授手習鑑』『生写朝顔話』「万才」「鷺娘」国立劇場小劇場

東京の若手会は2日間両日開催できて、本当に良かった。 ■ 『菅原伝授手習鑑』茶筅酒の段、喧嘩の段、訴訟の段、桜丸切腹の段。衝撃的な背伸び配役、そもそも佐太村を若手だけでやるという企画そのものがすごい。なんかもう、全体的に、「頑張ってるッッッッ…

文楽 5月東京公演『心中宵庚申』国立劇場小劇場

5月公演は第一部しか観られず。最近のよかったこと、横浜のへびが出てきたことだけです。 ■ 第一部、心中宵庚申。上田村は人形黒衣、以降は出遣い。 上田村のお千代パパ、平右衛門が玉志サンだった。玉志ジジイ……って感じのすごく真面目そうなジジイだった。…

文楽 2月東京公演『五条橋』『伽羅先代萩』国立劇場小劇場

今回は、人形遣いのかなりお若い方まで、全員に役がついていたんじゃないかなと思う。よかったよかった。お若い方がチョコチョコ……と出てこられるのを見ると、帯屋の儀兵衛のように「ヲ丶……居よる居よる……w」と嬉しくなってしまいます。 ■ 第一部ひとつめ、…

文楽 2月東京公演『曲輪文章』『菅原伝授手習鑑』寺入り・寺子屋の段 国立劇場小劇場

■ 第二部のひとつめ、曲輪文章。 後半に観に行ったときの、伊左衛門〈吉田玉男〉の出が非常に印象的だった。伊左衛門は零落の美青年として、折編笠をかぶり、腕組みをして、下手小幕からツギ足で入ってくる。怜悧さよって、猥雑だった舞台の雰囲気がぱっと変…

文楽 2月東京公演『冥途の飛脚』国立劇場小劇場

2月は全日程公演できて、本当に良かった。 ■ 第三部『冥途の飛脚』、淡路町の段。 勘十郎さんの忠兵衛は真性のクズというより、小心者のビビリゆえに的外れなところで大胆になり、重大犯罪をやらかしてしまうという印象。地銀の地味な行員がやらかした巨額横…

文楽 12月東京公演『桂川連理柵』国立劇場小劇場

毎年12月恒例、幹部抜き、中堅中心で行う本公演。今回は2部構成。 ■ 第二部、桂川連理柵、六角堂の段。 この段、わりとどうでもよさげな内容ながら、そのぶん、ちょっとしたことがキャラクターの印象付けを大きく左右し、このあとの展開に深みを与えるのだな…

文楽 12月東京鑑賞教室公演『二人禿』『芦屋道満大内鑑』国立劇場小劇場

東京の鑑賞教室って、通常の学生向け鑑賞教室公演も、別立てしている「社会人のための文楽鑑賞教室公演」も、内容同じだよね。開演時間だけで「社会人のための」と名付けるのは、ちょっと看板倒れ。せめて社会人のほうは、国立能楽堂の普及公演のような大人…

文楽 9月東京公演『壺坂観音霊験記』国立劇場小劇場

第四部は、「文楽入門~Discover BUNRAKU~」と題し、初心者向け公演として設定されていた。 パンフレットが配布され、イヤホンガイドを無料貸与する体制は、例年の12月鑑賞教室公演と同様のシステム。ただ、19:45開演といういままでにないレイトショーで、…

文楽 9月東京公演『絵本太功記』国立劇場小劇場

「尼ヶ崎」の上演があると気になるのが、さつきハウスの軒先に下がっている夕顔の実。今回は、超ビビッドなド緑で、なかなかのビッグサイズでした。 第三部、絵本太功記。英語でいうとA Picture Book of the Taiko Hideyoshi。 人形、光秀役に玉志さんが配役…

文楽 9月東京公演『鑓の権三重帷子』国立劇場小劇場

今月は、ロビーに、伝統芸能保存のため(多分)の募金箱が設置されていた。大きな透明アクリル製の、縦に長い直方体のボックスで、底に、マスクをしたくろごちゃんのぬいぐるみが置かれていた。国立劇場は、お地蔵さんやらの前にちょこっとお賽銭の小銭が置…

文楽 9月東京公演『寿二人三番叟』『嫗山姥』国立劇場小劇場

とにかく、本公演が再開できて、本当によかった。本当に嬉しい。 今回は、感染予防対策として客席定員を半減。前後左右1席ずつ空ける千鳥配置で販売された。舞台に近い最前列も販売停止。加えて、文楽は客席右前方に出語り床が張り出しているため、床付近の…

文楽 2月東京公演『菅原伝授手習鑑』吉田社頭車曳の段、佐太村茶筅酒の段、喧嘩の段、訴訟の段、桜丸切腹の段 国立劇場小劇場

国立劇場の前提に植えられている「菅丞相お手植えの梅」*1にたくさん花がついていた。 一方、私の愛樹・鉢植えのレモンは最近やたら葉っぱが散りまくっている。にもかかわらず、信じられないほど巨大な実がなっていて、怖くて摘めない(去年のゴールデンウィ…

文楽 2月東京公演『新版歌祭文』野崎村の段『傾城反魂香』土佐将監閑居の段 国立劇場小劇場

第二部開演前、ロビーではなぜかSHIKORO・サイン会がのびのびと開催されていた。 錣さんはサイン会を開こうとしてロビーにいるわけではなく、ご自分のお客さんの受付のためにいるのだと思うが、文楽ののんびりさと錣さんのご人徳が複合した結果、いつのまに…

文楽 2月東京公演『傾城恋飛脚』新口村の段『鳴響安宅新関』勧進帳の段 国立劇場小劇場

3月の地方公演やイベントが多数中止になっている。2月公演は全日程公演できて本当によかった。 ■ 第三部『傾城恋飛脚』新口村の段。 新口村やりすぎと言いたいところながら、実際に観るとやっぱり面白い。 この投稿をInstagramで見る 国立劇場(東京・半蔵門…

文楽 12月東京鑑賞教室公演『伊達娘恋緋鹿子』『平家女護島』国立劇場小劇場

俊寛が最後に駆け上がる岩にはかつてはフジツボがいっぱい張りついていたそうですが、今月は全然ついてなかった……。鬼界が島のフジツボ、絶滅したみたい……。 ■ 『伊達娘恋緋鹿子』火の見櫓の段。 Aプロお七=桐竹紋臣 Bプロお七=桐竹紋秀 昨年12月の本公演同…