TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

2024-01-01から1年間の記事一覧

文楽 4月大阪公演『絵本太功記』二条城配膳の段、千本通光秀館の段、夕顔棚の段、尼ヶ崎の段 国立文楽劇場

文楽劇場の場内アナウンス、「尼ヶ崎の段」の「あまがさき」が訛ってるような気がする。大阪公演だから? 第一部、絵本太功記。『絵本太功記』は近年何度も出ている演目のため、感動的な展開!このシーンに震えた!このフリがカッコイイ!とかの素直感想は書…

文楽 4月大阪公演『御所桜堀川夜討』弁慶上使の段、『増補大江山』戻り橋の段 国立文楽劇場

ロビーに弁慶の生首が爆誕していた。なぜ弁慶? 弁慶にしても、なぜ「勧進帳」ではなく、「五条橋」「大物浦」?? でも、お客さんがツメ人形のように「弁慶さんやーーー!」とたかっていたので、良かった。 ◾️ 第三部、御所桜堀川夜討、弁慶上使の段。 「弁…

文楽 『和田合戦女舞鶴』全段のあらすじと整理

2024年4月大阪公演、5月東京公演で上演される『和田合戦女舞鶴』の全段の解説です。公演では断片的な上演となり、内容がわかりづらくなるため、全体を通した内容を紹介します。 contents ┃ 概要 理法権 女性主人公・板額 門破り ┃ 登場人物 ┃ あらすじ 初段 …

ちいかわ文楽 ちいかわ千本桜 ジューシー屋の段

ちいかわが文楽化したら……その2です。

ちいかわ文楽 一谷ちいかわ軍記 モモンガ陣屋の段

ちいかわが文楽化したら……その1です。

映画へ〈改作〉される古典芸能:『妖刀物語 花の吉原百人斬り』  1 歌舞伎『籠釣瓶花街酔醒』からの改変点

映画『妖刀物語 花の吉原百人斬り』がアマプラの東映オンデマンドで配信開始されているのを見つけた。 『妖刀物語 花の吉原百人斬り』 監督 内田吐夢 脚本 依田義賢 制作・配給 東映 公開 1960年9月 VHSあり/Amazon Primeビデオ〈東映オンデマンド〉、U-NEX…

文楽 3月地方公演『義経千本桜』椎の木の段、すしやの段 府中の森芸術劇場

権太は、悪から善へと変じた人物なのだろうか? 私は当初、権太をそのように理解していた。前半は「実は小心者のゴロツキ」、後半は「親想いの善人」であるという解釈が正しいと。その転換点が「椎の木の段」の一度目の引っ込みと二度目の出のあいだ、あるい…

せとだ文楽 『二人三番叟』『傾城阿波の鳴門』巡礼歌の段 ベル・カントホール

広島県の生口島で行われた「せとだ文楽」へ行ってきた。 生口島は、瀬戸内海の中ほどに浮かぶ大きな島。広島県に属し、本州(広島県尾道市)四国(愛媛県今治市)をつなぐ「しまなみ海道」上に所在している。東京からは新幹線でも飛行機でも、およそ5時間ほ…

文楽 『木下蔭狭間合戦』竹中砦の段 まつもと市民芸術館

『木下蔭狭間合戦(このしたかげはざまがっせん)』の松本公演へ行った。 地方自治体の独立した自主企画公演だが、文楽座としては、3年前にロームシアター京都の企画で復活された同演目の再演という体裁になっている。これは、京都公演の際のプロデューサー…

文楽3月地方公演 三重県会場[津市久居アルスプラザ]様 展示企画にイラストを提供しました

文楽3月地方公演 三重県会場・津市久居アルスプラザ様の展示企画 『あなたのしらない文楽の世界』 に、私の描いたイラストを展示いただいています。 展示は、文楽のほか、『桂川連理柵』について詳しく知ることができる内容になっているそうです。施設の入場…

文楽 2月東京公演『艶容女舞衣』『戻駕色相方』『五条橋』『双蝶々曲輪日記』 日本青年館

◼︎ 2月東京公演は、神宮外苑にある日本青年館で上演。日本青年館てこんな場所やったっけ??と思ったら、2017年の建て替え時に場所ごと微妙に移動してたのね。 最近知ったのだが、日本青年館という施設は大正時代からあり、そもそもは明治神宮造営とともに計…

文楽 1月初春大阪公演『伽羅先代萩』竹の間の段、御殿の段、政岡忠義の段、床下の段 国立文楽劇場

◾️ 初春公演、第二部、伽羅先代萩。 1月は、『先代萩』がいちばん良かった。 これぞ文楽の誇る格調高き世界。63万石を誇る大藩の奥御殿、その洗練が舞台上にあらわれていた。政岡・和生さん、沖の井・勘彌さん、八汐・玉志さんという洗練された方が重要な役…

文楽 双蝶々曲輪日記 全段のあらすじと整理

2024年2月東京公演・第三部で上演される、『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』の全段の内容について解説します。 ┃ INDEX ┃概要 ┃舞台MAP ┃時間経過 ┃登場人物 ┃あらすじ 初段 浮瀬の居続けに合図の笛売り[大坂・天王寺浮瀬篇] 二段目 …

文楽 1月初春大阪公演『平家女護島』鬼界が島の段、『伊達娘恋緋鹿子』八百屋内の段、火の見櫓の段 国立文楽劇場

◾️ 初春公演、第三部、一つめ、平家女護島、鬼界が島の段。 近年繰り返し出ており、「いつも同じような配役」でやっていた演目だが、今回は人形俊寛役の玉男さん以外を大幅に刷新。よく言えば、演者の態度としては非常に真面目なたたずまいの舞台となってい…

文楽 1月初春大阪公演『七福神宝の入舩』、『近頃河原の達引』四条河原の段、堀川猿廻しの段 国立文楽劇場

正月の第一部がこの番組編成……、本当に大丈夫なのか? と不安にさせる初春公演へ行ってきた。 ◾️ 1月大阪初春公演、第一部、一つめ、七福神宝の入舩。 七福神が宝船の上で芸を披露するという景事。舞台いっぱいの巨大な宝船の上で、寿老人は三味線で琴の音色…