TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

くずし字学習 翻刻『桜御殿五十三駅』四段目 道行六ツの袖垣

近松半二ほか作の浄瑠璃『桜御殿五十三駅』の四段目。 朝廷から預かっていた宝物「日の御旗」が盗まれ紛失したことを知った左馬之助は狂気に陥り、室町の御殿を出奔する。それを追う恋人・傾城雪の戸、許嫁・薫姫。娘たちは恋を争い、左馬之助は夢うつつの道…

映画の文楽4 内田吐夢監督『浪花の恋の物語』4:映画に語られる浄瑠璃

むちゃくちゃ長いこと放置していましたが、内田吐夢監督の映画『浪花の恋の物語』についての記事の続きです。 ┃ はじめに −−あまりに久しぶりすぎるため、簡単に記事の趣旨を書いておこうと思います。−− 『浪花の恋の物語』(1959/東映)は、人形浄瑠璃『冥…

くずし字学習 翻刻『桜御殿五十三駅』三段目 室町御所の段

近松半二ほか作の浄瑠璃『桜御殿五十三駅』の三段目。 足利義政の館には、将軍家の最高位の家臣である3人の管領がいる。ワルじじいの山名宗全、くそまじめな斯波多門頭義廉、まともな上杉忠則である。この3人が義政の弟・左馬之助の放埒、その挙句になかなか…

文楽 10月地方公演『一谷嫰軍記』『曾根崎心中』神奈川県立青少年センター

今年の地方公演は景事なしで、1演目のみ。コロナ対策として休憩時間を入れないということだろうか。ワシはコレでエエ。 ■ 横浜会場、今年は席配置を千鳥販売。最前列は販売停止していたが、床前は人を入れていた。席数減のためか、昼夜とも満席状態になって…

文楽 9月東京公演『卅三間堂棟由来』『日高川入相花王』国立劇場

■ 第二部、卅三間堂棟由来、平太郎住家より木遣音頭の段。 今回は、平太郎住家に盗賊・和田四郎が押しかけてきて母を殺害するくだりを含むノーカット上演。通常とは異なり、舞台上手に池とつるべが設置される。 和生さんは第一部の翁のほか、お柳も勤めてい…

『祇園女御九重錦』(卅三間堂棟由来)全段のあらすじと整理

現行文楽で『卅三間堂棟由来(三十三間堂棟由来)』として上演されている演目は、『三十三間堂/平太郎縁起 祇園女御九重錦(ぎおんにょうごここのえにしき)』と題された時代浄瑠璃の三段目が独立したものだ。 ┃ 概要 ┃ あらすじ 一段目 熊野行場の段(復活…