TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

くずし字学習 翻刻『桜御殿五十三駅』大序 御狩場の段

『桜御殿五十三駅(さくらごてんごじゅうさんつぎ)』は、近松半二・栄善平・寺田兵蔵・松田ばく・三好松洛による時代浄瑠璃。近松半二の作品としては、『妹背山婦女庭訓』の次に執筆・上演された円熟期のものである。室町時代を舞台に、愚かな将軍兄弟とそ…

文楽 4月大阪公演『花競四季寿』『恋女房染分手綱』国立文楽劇場

◾️ 花競四季寿、オールシーズンフル上演。 春、万歳。 なぜあの二人は手をつないで入ってくるのか。どういうシチュエーションなのだろう。たまに才蔵でイヤイヤしてる人がいるので、「仕事したくなーい」という才蔵を太夫が引っ張ってきているという設定なの…

文楽 4月大阪公演『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家の段『小鍛冶』国立文楽劇場

第三部は『傾城阿波の鳴門』『小鍛冶』とも、玉佳さんが登場。事情(?)を知らない方が見たら、玉佳チャンをアイドルだと思われるのではないでしょうか。はい、玉佳チャンはみんなのアイドルです! ■ 『傾城阿波の鳴門』十郎兵衛住家の段。 お弓が故郷に残…

文楽 吉田簑助引退[2021年4月24日『国性爺合戦』楼門の段/錦祥女 国立文楽劇場]

4月15日、簑助さんの4月公演をもっての引退が発表された。 私 吉田簑助は 二〇二一年四月公演をもちまして引退いたします 一九四〇年 三代吉田文五郎師に入門し 人形の道を歩みはじめて今年でまる八一年 その間脳出血で倒れ 復帰してから二二年 体調が思うに…

文楽 4月大阪公演『国性爺合戦』国立文楽劇場

ぶおんぶおん! はまぐりの季節!! ■ 第二部、『国性爺合戦』。最初に、今回の上演部分へ至るまでのあらすじを、簡単にまとめておく。 大明国の思宗烈皇帝は、ウェイウェイしながら暮らしている。そこへライバル国である韃靼の将軍・梅勒王が使者としてやっ…

文楽 3月地方公演『二人三番叟』『摂州合邦辻』『本朝廿四孝』『釣女』高崎芸術劇場

3月の地方公演は、行こうと思っていた府中・藤沢が中止になったため、久々に出張して高崎公演へ行った。 ■ 高崎芸術劇場は、高崎駅から徒歩6分ほどにある大型劇場施設。駅から屋根つきの空中通路で直結しており、アクセスはとても快適。 2000人収容の大型コ…

文楽『端模様夢路門松』『木下蔭狭間合戦』竹中砦の段 ディスカッション(木ノ下裕一・桐竹勘十郎・鶴澤藤蔵) ロームシアター京都

『端模様夢路門松』、『木下蔭狭間合戦』上演ののち、第三部は「ディスカッション」として、木ノ下裕一さん・勘十郎さん・藤蔵さんのトークショー。 もくじ はじめに 『木下蔭狭間合戦』上演史 ディスカッション(トークショー) ┃ 『木下蔭狭間合戦』の復活…

文楽『木下蔭狭間合戦』竹中砦の段 ロームシアター京都

『端模様夢路門松』の後、20分休憩を挟んで、メイン演目『木下蔭狭間合戦(このしたかげはざまがっせん)』。 読みは、慣例では「このしたかげ・はざまがっせん」と切るようです。略称は「木下蔭」のようですね。 ■第二部『木下蔭狭間合戦』竹中砦(たけなか…

文楽『端模様夢路門松』ロームシアター京都

昨年2月末に公演予定されていたものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったロームシアター『端模様夢路門松』『木下蔭狭間合戦』。そのまま立ち消えかもしれないと思っていたが、再設定され、ちょうど一年後、2月27〜28日の2日間にわたって公演…

文楽 2月東京公演『五条橋』『伽羅先代萩』国立劇場小劇場

今回は、人形遣いのかなりお若い方まで、全員に役がついていたんじゃないかなと思う。よかったよかった。お若い方がチョコチョコ……と出てこられるのを見ると、帯屋の儀兵衛のように「ヲ丶……居よる居よる……w」と嬉しくなってしまいます。 ■ 第一部ひとつめ、…

文楽 2月東京公演『曲輪文章』『菅原伝授手習鑑』寺入り・寺子屋の段 国立劇場小劇場

■ 第二部のひとつめ、曲輪文章。 後半に観に行ったときの、伊左衛門〈吉田玉男〉の出が非常に印象的だった。伊左衛門は零落の美青年として、折編笠をかぶり、腕組みをして、下手小幕からツギ足で入ってくる。怜悧さよって、猥雑だった舞台の雰囲気がぱっと変…

くずし字学習 翻刻『性根競姉川頭巾』屋舗の段

近松半二ほか作『性根競姉川頭巾』翻刻の最終回。いよいよ蔵屋敷の武士・浜地源左衛門とお周の血の婚礼が迫る中、侠客・黒船の忠右衛門はどう出るのか。浜地源左衛門の真意とは。というお話。 本作は文楽現行にはあまりない、テンプレキャラ重視のプログラム…

文楽 2月東京公演『冥途の飛脚』国立劇場小劇場

2月は全日程公演できて、本当に良かった。 ■ 第三部『冥途の飛脚』、淡路町の段。 勘十郎さんの忠兵衛は真性のクズというより、小心者のビビリゆえに的外れなところで大胆になり、重大犯罪をやらかしてしまうという印象。地銀の地味な行員がやらかした巨額横…

文楽 大阪1月初春公演『妹背山婦女庭訓』道行恋苧環・鱶七上使・姫戻り・金殿の段 国立文楽劇場

今年の初春公演にはクズがいないのが珍しい。求馬は若干やばいが、12月東京は全演目「適当に生きすぎだろ」っていうやつらが跋扈していたので、みんなまともだなと思った。 ■ 第三部、妹背山婦女庭訓、四段目。今回は道行恋苧環からの上演。 超安定のクオリ…

文楽 大阪1月初春公演『碁太平記白石噺』『義経千本桜』道行初音旅 国立文楽劇場

「……母様の死に目にも逢わぬとゆ〜、悲し〜〜〜い不孝〜〜な、はかな〜い〜ことがぁ、あろかいのぉ」というところ、内田吐夢監督『浪花の恋の物語』の冒頭、竹本座のお大尽・東野英治郎が地獄のように下手な素人義太夫を唸るシーンで有名ですが、本物をやっ…

文楽 大阪1月初春公演『菅原伝授手習鑑』車曳・茶筅酒・喧嘩・訴訟・桜丸切腹の段 国立文楽劇場

不穏な中だが、初春公演に行ってきた。 ■ 第一部、菅原伝授手習鑑。今回は三段目を上演。来月の東京、四段目に続く、という趣向? 車曳の段。 車曳が出るのは、うし年だから???うしはとても毛並みがよかった。新品かもしれない。車曳はうしが途中で帰っち…

くずし字学習 翻刻『性根競姉川頭巾』堂島の段

近松半二ほか作『性根競姉川頭巾』の翻刻、3回目。 舞台は堂島の忠右衛門宅。行方不明になった姉娘・およねを探しに近所の人たちが手を尽くしてくれているが、見つからない。忠右衛門の女房・お政は幼い息子忠吉の世話をしながらソワソワしている。すると近…

文楽 12月東京公演『仮名手本忠臣蔵』二つ玉の段・身売りの段・早野勘平腹切の段 国立劇場小劇場

■ 第一部、仮名手本忠臣蔵。 「山崎街道出合の段」を略し、「二つ玉の段」与市兵衛の出から。なぜ金がいるかのくだりがないので、勘平、ただのアナーキーな強盗で、ニューシネマ感がある。段切、「猪より先に逸散に翔ぶが如くに(急ぎける)」となっているが…

文楽 12月東京公演『桂川連理柵』国立劇場小劇場

毎年12月恒例、幹部抜き、中堅中心で行う本公演。今回は2部構成。 ■ 第二部、桂川連理柵、六角堂の段。 この段、わりとどうでもよさげな内容ながら、そのぶん、ちょっとしたことがキャラクターの印象付けを大きく左右し、このあとの展開に深みを与えるのだな…

文楽 12月東京鑑賞教室公演『二人禿』『芦屋道満大内鑑』国立劇場小劇場

東京の鑑賞教室って、通常の学生向け鑑賞教室公演も、別立てしている「社会人のための文楽鑑賞教室公演」も、内容同じだよね。開演時間だけで「社会人のための」と名付けるのは、ちょっと看板倒れ。せめて社会人のほうは、国立能楽堂の普及公演のような大人…

酒屋万来文楽『伽羅先代萩』西宮白鷹禄水苑

毎年恒例、和生さん主体の小規模公演。本公演以外にも外部主催による公演が多く中止される中、開催できてよかった。 ■ 今年の演目は『伽羅先代萩』御殿の段。会場に入ると、すでに茶道具がセットされていた。間近で茶道具セットを見られて、感激。場内案内の…

文楽 大阪錦秋公演『本朝廿四孝』道行似合の女夫丸、景勝上使の段、鉄砲渡しの段、十種香の段、奥庭狐火の段 国立文楽劇場

八重垣姫が夢見がち&キラキライケメン好きになっちゃったのは、お兄ちゃんやお父さんが男塾に出てきそうな顔してるからだろうな……。 ■ 第三部は『本朝廿四孝』四段目をほぼ通し上演。「和田別所化性屋敷の段」「道三最期」は除外されているものの、謙信の領…

文楽 大阪錦秋公演『新版歌祭文』野崎村の段『釣女』国立文楽劇場

歌舞伎の野崎村の舞台写真を見たら、久作ハウスがめちゃくちゃデカくてびっくりした。庄屋さんか豪農かって感じ。吹けば飛ぶよなアバラ・ハウスだと思っていたので、大ショック……。 ■ 第二部、『新版歌祭文』野崎村の段。 どんだけ野崎村やる気やねん、呪わ…

文楽 大阪錦秋公演『源平布引滝』国立文楽劇場

大阪公演も無事再開できて、本当に良かった。文楽を大阪でゆっくり観られるというのは、本当に幸せ。 2017年夏休み公演の舞台写真。2018年の文楽劇場カレンダーより。 ■ 第一部、源平布引滝。今回は「義賢館」を飛ばしているので、話のいきさつがわかりづら…

文楽 10月地方公演『二人三番叟』『摂州合邦辻』『本朝廿四孝』『釣女』神奈川県立青少年センター

秋の地方公演。新型コロナウイルスの影響でキャンセルになった会場も多かったようだが、いつも行っている横浜は催行。会場では、客席千鳥販売、入場時の検温・消毒、場内飲食不可・カフェ営業なしの対応が取られていた。地方公演も会場によっては全席販売し…

くずし字学習 翻刻『性根競姉川頭巾』新町の段

近松半二ほか作の浄瑠璃『性根競姉川頭巾(しょうねくらべあねがわずきん)』 の翻刻第二弾です。 侠客・黒船の忠右衛門は、取引先のお屋敷から預かっているお嬢様・お周を連れて新町の茶屋へ。その茶屋には馬渕和平太と獄門の庄兵衛も遊びに来ていて、傾城…

文楽 9月東京公演『壺坂観音霊験記』国立劇場小劇場

第四部は、「文楽入門~Discover BUNRAKU~」と題し、初心者向け公演として設定されていた。 パンフレットが配布され、イヤホンガイドを無料貸与する体制は、例年の12月鑑賞教室公演と同様のシステム。ただ、19:45開演といういままでにないレイトショーで、…

文楽 9月東京公演『絵本太功記』国立劇場小劇場

「尼ヶ崎」の上演があると気になるのが、さつきハウスの軒先に下がっている夕顔の実。今回は、超ビビッドなド緑で、なかなかのビッグサイズでした。 第三部、絵本太功記。英語でいうとA Picture Book of the Taiko Hideyoshi。 人形、光秀役に玉志さんが配役…

くずし字学習 翻刻『性根競姉川頭巾』淀川下り船の段

『性根競姉川頭巾(しょうねくらべあねがわずきん)』は、近松半二・栄善平・八民平七の合作で、安永3年(1774)4月に竹本座で初演された浄瑠璃。現行上演がなく、翻刻も出ていないため、インターネット上に公開されている正本を読んだ。その際の翻字書き起…

文楽 9月東京公演『鑓の権三重帷子』国立劇場小劇場

今月は、ロビーに、伝統芸能保存のため(多分)の募金箱が設置されていた。大きな透明アクリル製の、縦に長い直方体のボックスで、底に、マスクをしたくろごちゃんのぬいぐるみが置かれていた。国立劇場は、お地蔵さんやらの前にちょこっとお賽銭の小銭が置…