ちいかわが文楽化したら……その2です。
ちいかわが文楽化したら……その1です。
映画『妖刀物語 花の吉原百人斬り』がアマプラの東映オンデマンドで配信開始されているのを見つけた。 『妖刀物語 花の吉原百人斬り』 監督 内田吐夢 脚本 依田義賢 制作・配給 東映 公開 1960年9月 VHSあり/Amazon Primeビデオ〈東映オンデマンド〉、U-NEX…
権太は、悪から善へと変じた人物なのだろうか? 私は当初、権太をそのように理解していた。前半は「実は小心者のゴロツキ」、後半は「親想いの善人」であるという解釈が正しいと。その転換点が「椎の木の段」の一度目の引っ込みと二度目の出のあいだ、あるい…
広島県の生口島で行われた「せとだ文楽」へ行ってきた。 生口島は、瀬戸内海の中ほどに浮かぶ大きな島。広島県に属し、本州(広島県尾道市)四国(愛媛県今治市)をつなぐ「しまなみ海道」上に所在している。東京からは新幹線でも飛行機でも、およそ5時間ほ…
『木下蔭狭間合戦(このしたかげはざまがっせん)』の松本公演へ行った。 地方自治体の独立した自主企画公演だが、文楽座としては、3年前にロームシアター京都の企画で復活された同演目の再演という体裁になっている。これは、京都公演の際のプロデューサー…
文楽3月地方公演 三重県会場・津市久居アルスプラザ様の展示企画 『あなたのしらない文楽の世界』 に、私の描いたイラストを展示いただいています。 展示は、文楽のほか、『桂川連理柵』について詳しく知ることができる内容になっているそうです。施設の入場…
◼︎ 2月東京公演は、神宮外苑にある日本青年館で上演。日本青年館てこんな場所やったっけ??と思ったら、2017年の建て替え時に場所ごと微妙に移動してたのね。 最近知ったのだが、日本青年館という施設は大正時代からあり、そもそもは明治神宮造営とともに計…
◾️ 初春公演、第二部、伽羅先代萩。 1月は、『先代萩』がいちばん良かった。 これぞ文楽の誇る格調高き世界。63万石を誇る大藩の奥御殿、その洗練が舞台上にあらわれていた。政岡・和生さん、沖の井・勘彌さん、八汐・玉志さんという洗練された方が重要な役…
2024年2月東京公演・第三部で上演される、『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』の全段の内容について解説します。 ┃ INDEX ┃概要 ┃舞台MAP ┃時間経過 ┃登場人物 ┃あらすじ 初段 浮瀬の居続けに合図の笛売り[大坂・天王寺浮瀬篇] 二段目 …
◾️ 初春公演、第三部、一つめ、平家女護島、鬼界が島の段。 近年繰り返し出ており、「いつも同じような配役」でやっていた演目だが、今回は人形俊寛役の玉男さん以外を大幅に刷新。よく言えば、演者の態度としては非常に真面目なたたずまいの舞台となってい…
正月の第一部がこの番組編成……、本当に大丈夫なのか? と不安にさせる初春公演へ行ってきた。 ◾️ 1月大阪初春公演、第一部、一つめ、七福神宝の入舩。 七福神が宝船の上で芸を披露するという景事。舞台いっぱいの巨大な宝船の上で、寿老人は三味線で琴の音色…
今年の12月公演は北千住の劇場「シアター1010」(足立区芸術文化劇場)で開催。会場は、駅すぐ横の商業ビル(マルイ)の最上階に入っている。ビルの11階ゆえにエレベーター待ち等にかなり時間がかかるため、駅直結といっても結構早めに行かなくてはならない…
ごくたまに、文楽鑑賞のための豆知識メモ「文楽あいうえお」をtwitterに投稿しています。twitterだとイラストで説明するコンテンツには便利なのですが、文章での説明が長いものは書けないので、テキスト主体の拡大版を、ブログに載せていこうと思います。 は…
第三部、冥途の飛脚。 この物語に登場する「丹波屋八右衛門」とは、どのような人物なのだろうか? 現在では、八右衛門が茶屋の衆の前で語る鬢水入れの暴露は、「友情による忠兵衛を廓に出入りさせないようにするための行為」であり、八右衛門は「いい人」と…
第二部、奥州安達原、三段目。 2022年9月東京公演で出たばかりの演目ながら、東京よりも、かなり良かった。明確によかったのは、人形の袖萩〈吉田和生〉、傔杖〈吉田玉也〉。役の性質を踏まえた芝居で、物語の世界観の強度が大幅に上昇していた。この二人の…
今月のプログラムの技芸員インタビューは㊗️人間国宝認定ということか、玉男さんだった。いわゆる「ろくろポーズ」を遊ばされていたが、手のひらが下向きすぎて、15kgクラスの超絶デカネコを膝の上に乗せて撫で回しながらインタビューに答えているようだった…
今年の地方公演も景事がなくて嬉しいッ。(素直1) ■ 昨年は平塚に吹き飛ばされた神奈川公演、今年はもとの神奈川県立青少年センター(桜木町)へ戻ってきた。昨年の平塚振替は会場に天井の耐震工事が入ったためだが、前がどんなのだったか忘れたので、変化…
「文楽祭」翌日、国立能楽堂で行われた若手有志公演「文楽夢想 継承伝」へ行った。 ■ 「文楽夢想」は、若手有志による自主企画。過去には大阪で2公演行われており、今回は初の東京公演。今回は会場が国立能楽堂ということで、『二人三番叟』、『義経千本桜』…
文楽座のファン感謝祭イベント、「文楽祭」へ行ってきました。 ■ 国立劇場や外部団体の主催ではなく、文楽座(技芸員さんの団体)自体が主催する手作りイベント。そのため、入場者へのパンフレット渡しや物販は技芸員さん自身がロビーへ出て対応。開演前や休…
第三部、曾根崎心中。 これが「御観劇料8,000円」なのは、いろいろな意味で、すごいッ。 ■ ムラのない緊密性、かしらによる心理描写の表現力を感じる舞台だった。 私の考える「上手い人形遣い」とは、かしらによる表現に秀でた人だ。かしらだけで彼や彼女の…
例年9月東京公演は第一か第二土曜日が初日のところ、「さよなら公演」のためか、繰り上げて8月31日初日というイレギュラーなスケジュール。会期が通常より長めの設定となっている。 ■ 第一部〜第二部は、『菅原伝授手習』。5月公演の続きで、三段目から五段…
文楽屈指の名作、『菅原伝授手習鑑』の全段あらすじまとめです。 INDEX ┃ 概要 ┃ 人物相関図 ┃ 登場人物 ┃あらすじ 初段 大内の段 〜京都 禁中〜 加茂堤の段 〜京都 加茂堤〜 筆法伝授の段 〜京都 菅丞相の館〜 築地の段 二段目 道行詞の甘替 〜京都・大坂の…
以前、「雀鬼と雀鬼流と雀鬼漫画の歴史 桜井章一年表」と題し、1980年に桜井章一が『近代麻雀』に登場して以降のメディア露出/メディア化を追った記事を書いた。 この記事を書く前に、「桜井さんは、『近代麻雀』登場以前、70年代前半にも、飯干晃一の記事…
玉男さんが人間国宝に認定されることになった。本当によかった。この上なく嬉しい。 記者会見で話されていたのが、「とにかく嬉しい」「すぐに勘十郎さんに連絡したら、『おめでとう、おめでとう……』と3回言ってくれた」*1、「(和生さん、勘十郎さんと)三…
第二部、妹背山婦女庭訓、四段目。 4月に上演された初段〜三段目の続き。通常は出ない「井戸替」、「鱶七使者(上使)」の口、「入鹿誅伐」を上演。 ■ 井戸替の段〜杉酒屋の段。 「井戸替」は2016年の若手会以来の上演。七夕に行われる井戸さらえの行事、「…
コロナ第9波の中での夏休み公演。8月頭の休演日に、急遽、以降4日間の公演中止が発表された。会期前半に休演者が続出していたから、許容人数を超えてしまったのか。当初発表された中止期間のみで公演再開ができたから良かったが、おじいちゃんが多い業種だし…
文楽劇場の前で、集合してくる学生さんたちを待ち構えていた先生らしき小柄な女性が、高く掲げた扇子を振って、学生さんたちを招き寄せていた。うーん、熊谷より貫禄があるッ! ほんとに若者寄ってきてるし!! と思った。 ■ 今年の鑑賞教室は、『仮名手本忠…
簑助さんが引退してから、2度目の春が過ぎていった。 簑助さんが引退した2021年4月大阪公演『国性爺合戦』「楼門の段」の劇評は賛美の言葉で溢れ、過去の舞台もまた絶賛で埋め尽くされている。それ以前のことだが、『妹背山婦女庭訓』に簑助さんが雛鳥役で出…
紀尾井ホール主催公演、吉田和生・桐竹勘十郎・吉田玉男の三人を主役に据えた三年連続企画。2年目の今年は、勘十郎さんの回です。 公演タイトルが「三夜」から「三人会」に変わったのは、開演時間が夜じゃなくなったからだそうです。(突然のおおざっぱ) ■ …