TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

文楽 4月大阪公演『義経千本桜』伏見稲荷の段、道行初音旅、河連法眼館の段 国立文楽劇場

近所の木に「稽古中!!」って感じの初心者ウグイスがとまっていて、独特すぎる音程のホケキョをかましまくっている。 ■ 第一部、義経千本桜。今回は狐忠信がらみのくだりのダイジェスト。あらすじはこちらから。 伏見稲荷の段。上手に伏見稲荷の赤い鳥居。…

文楽 4月大阪公演『嬢景清八嶋日記』花菱屋の段、日向嶋の段『契情倭荘子』蝶の道行 国立文楽劇場

和生さんのことをお母さん、玉男さんのことをお父さんだと思い込んでいる節があります。 ■ 第三部、嬢景清八嶋日記、花菱屋の段。人形黒衣。 藤太夫さんの語りは、それぞれの人の個性的なキャラクターが出ており、街道筋の遊女屋の賑やかさ、集う人々の睦ま…

文楽 4月大阪公演『摂州合邦辻』万代池の段、合邦住家の段 国立文楽劇場

「合邦住家」で、合邦ハウスの下手側にある閻魔様の首。下に車輪がついていて、そのまま移動できるというのが衝撃的だった。それにしても、なんで首だけなの??? ■ 第二部、摂州合邦辻、万代池の段。あらすじはこちらから。 舞台中央に蒲鉾小屋。手すり上…

文楽 『摂州合邦辻』全段のあらすじと整理

4月大阪公演第二部で上演される『摂州合邦辻』全段のあらすじまとめです。 INDEX ┃ 概要 ┃ 舞台MAP ┃ 登場人物 ┃ 上の巻 住吉社参の段 高安館の段 龍田越綸旨奪返しの段 ┃ 下の巻 天王寺万代池の段(現行上演あり/復曲)*3 合邦住家の段(現行上演あり) ┃ …

文楽 3月地方公演『一谷嫰軍記』『曾根崎心中』所沢市民文化センター ミューズ

今回の地方公演は、例年開催されていた府中がなくなってしまったため、所沢公演へ行った。ひさしぶりに乗った西武線の車両内モニタでは、『鎌倉三代記』の佐々木高綱みたいなキャラが出てくるアニメが流れていた。 ■ 所沢市民文化センター ミューズは、埼玉…

文楽 2月東京公演『加賀見山旧錦絵』草履打の段、廊下の段、長局の段、奥庭の段 国立劇場小劇場

奥庭にいるカエルの鳴き声を聞いて突然思い出したが、初春公演の「尼が崎」の光秀の出で、「めっちゃカエルおる!!」って言っているお客さんがいた。 いや勘十郎を見ろよと思ったが、確かに、カエルめっちゃおった。なんなら、いままでにないくらい、相当め…

文楽 2月東京公演『二人禿』『御所桜堀川夜討』弁慶上使の段『艶容女舞衣』上塩町酒屋の段 国立劇場小劇場

開演前、 「べんけい・じょし……………………。弁慶・女子!!?!」 とつぶやいているお客さんがいらっしゃった。いる……。こういう、ツメ人形……。と思った。 ■ 二人禿。 いろいろ仕方ない部分もあるけど、床も人形も、覇気がない。やっぱりこの曲、人形にものすご…

文楽 『御所桜堀川夜討』全段のあらすじと概要

2022年2月東京公演で上演された『御所桜堀川夜討』のあらすじまとめです。本作は上演が少なく、調べようと思っても解説資料があまりないので、独立記事として投稿します。 ┃ 概要 ┃ 特徴 ┃ あらすじ 第一 第二 第三 現行上演部分・弁慶上使の段 第四 第五 ┃ …

文楽 2月東京公演『平家女護島』鬼界が島の段『釣女』国立劇場小劇場

2月文楽公演、前半に大幅な休演があったが、ひとまず、公演再開できてよかった。 (雨に打たれてしなびたプログラム) ■ 平家女護島、鬼界が島の段。 全段のあらすじまとめは、記事の最後につけています。 おまけ 『平家女護島』全段のあらすじ 淡々とした雰…

くずし字学習 翻刻『桜御殿五十三駅』五段目 鳥羽道の段

近松半二ほかの浄瑠璃『桜御殿五十三駅』五段目。 室町の御殿を抜け出た将軍の弟・左馬之助、その許嫁・薫姫、左馬之助と相思相愛の傾城・雪の戸を追う詮議の手は、雪の戸の在所付近にまで回っていた。雪の戸の父・渦兵衛とその一家は、百姓をして暮らしてい…

文楽 1月大阪初春公演『絵本太功記』二条城配膳の段、夕顔棚の段、尼ヶ崎の段 国立文楽劇場

■ 絵本太功記、二条城配膳の段。 六月朔日。二条城には、伝奏の浪花中納言兼冬〈桐竹亀次〉を迎える饗応が執り行われ、小田春長〈吉田文司〉、森の蘭丸〈吉田玉翔〉、武智光秀〈桐竹勘十郎〉が集まっていた。光秀が中納言を案内して座を立つと、春長は蘭丸を…

文楽 1月大阪初春公演『寿式三番叟』『菅原伝授手習鑑』寺入りの段、寺子屋の段 国立文楽劇場

今月の展示室「文楽座の歴史」の展示品、ロセコレが多すぎて笑った。 ■ 寿式三番叟。 千歳〈吉田勘市〉、近来ない巧さ。とても気品のある千歳で、所作が美しい。しかしなんだろう、やたら色っぽい。首のシナが強いのか、目線に意味がありすぎるのか。緊張の…

文楽 1月大阪初春公演『染模様妹背門松』生玉の段、質店の段、蔵前の段 『戻駕色相肩』廓噺の段 国立文楽劇場

ハッピーニューイヤー!!正月から、子殺し! 親殺し! 心中! の文楽らしさ3連発の文楽劇場初春公演へ行ってきました。 ■ 染模様妹背門松。前半部分(「油屋」)を切り、お染と久松の行末のみに絞った上演。 生玉の段。下手二重に歌祭文の掛小屋、その手前…