TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 メトロポリタンミュージアム

今夜は東京国立博物館の夜間開館に行って参りました。
勿論、「仏像展」の後期を鑑賞するためです。(前期レポートは過去記事「ぶつゾーン」をご参照ください)
これで前期後期合わせて3000円もつっこんでしまったぜ…


国立博物館は、特別展を開催している期間は金曜日のみ閉館時間を通常の17時から延長し20時まで鑑賞が可能となっています。夜の博物館は雰囲気があってとても素敵です。特に、昔の面影を多く残す本館では、薄暗く古めかしい内装の展示室や昔の壁が残る休憩室、エントランスの大階段や展示室をつなぐ石造りの階段、不思議な形の照明器具などが夜間開館の気分を盛り上げてくれて、昔NHKの『みんなのうた』で流れていた名曲『メトロポリタンミュージアム』の気分を味わえます。いや、あるのは天使の像じゃなくて甲冑とか仏像なのですが…。あれが囁いてきたら非常に困惑します。


「仏像展」後期展示の目玉である滋賀・向源寺蔵の十一面観音菩薩立像は大変すばらしいものでした。少し腰を捻って立つ、その優美なフォルムがとにかく美しい*1。正面から見たときの雰囲気も、少し斜めから見たときの雰囲気も、横から見たときの雰囲気もすばらしいです。翻る天衣や無表情のようで慈悲深さを感じさせる表情なども見どころです。

「仏像展」は図録(¥2500)のクオリティも大変高かったです。内容もしっかりしているし、写真・デザインもすばらしい。ちょっと学生の作品っぽい泣かせるデザインなところも個人的に気に入ったので購入しました。土門拳の写真集を買えばいいとか不粋なことは言わないで。
「仏像展」会期は12月3日までとかなり流局直前ですが、ちょうお勧めの展示会です。


上野に行く前には、芝公園近くにある愛宕神社に行ってきました。逢魔ヶ刻の神社も雰囲気があって素敵です。以前、京都によく行っていたころは夕方以降が楽しくて仕様がなかったものです。愛宕神社の帰りには東京タワーにでも寄って、黒沢さん(麻雀職人のほう)を見習って自分を見つめ直そうかとも思いましたが、ひとりで夜の東京タワーに上るのは切なくなりそうなのでやめました。次の機会には黒沢さんのようなイケオジンと行きたいです。

*1:金子一馬は、このあたりの日本的な美しさをよくわきまえているイラストレーターだと思います。