1994年 監督:小沼勝 竹書房/徳間ジャパンコミュニケーションズ
- いやー面白かったです。
- いい意味で話スッカラカンで、見やすかった。
- ストーリーは原作読んでない人には理解しにくいと思う。いや、話の筋自体は理解はできるんだけど、話の雰囲気が大きく違う。漫画版では大使館も絡んでの巨大利権を巡る抗争話として成立してるのに、Vシネ版だとVIPたちの享楽のために打たされているように見えて、どこが治外法権なのかわからない。それがわからなくても鑑賞には全く影響がなく、むしろこざっぱりとしてて見やすい。
- ショーちゃん役は清水健太郎。このときいくつ? 相当若くておめめクリクリ、少女漫画みたいな顔をしている。(中村明日美子の絵みたいな顔っていうか……。このニュアンス、伝わるだろうか)
- ミスタースズギンは宍戸錠、脇ふたりは伊藤優孝と雀鬼会の人(まる秘牌の音storiesにも出てくる、大阪のオバハンみたいな顔したボーリングがめっちゃ強い人)。あまりにナチュラルに伊藤優孝がいるのでカメオ出演かと思いました。こんな顔見たら一発で誰かわかる人を重要な脇役で出すってセンスがすげーわ。いや、もうひとりの雀鬼会の人のほうが見た瞬間「みやわき心太郎の絵まんまな人がおるーっ!!!」って爆笑しましたけど。
- 裏芸をするとき「キラキラリーン」みたいな、魔法のステッキを振ったような音がするのは一体……
- ていうか、裏芸が裏芸になってないのはなぜ? わかりやすいようにゆっくりやってるのはわかるんですが、あまりにおぼつかなさすぎでは? 「間違えてもいいから、やってみてくださいねー」と言って後ろで見守るものの不安に苛まれる麻雀教室の講師の気分になってしまう。特に王牌を付け替える場面(やったのは伊藤優孝だったかな?)。王牌をつけかえる裏芸なのか、単に王牌が山の途中で分かれてるのがイヤで王牌を連結したがる人なのか判別つかなかった。あとはスズギンがドラをめくるときにリンシャンパイを1トン付け替える裏芸。あれはさすがにドラめくる位置間違ってまっせと言いそうになる。
- ルール上、ツモが右回りなので、しばしば何が何やらわからなくなる。俳優さんよくちゃんと打てたなー。
- ところで、この治外法権麻雀、別室でVIPたちが外馬を張って遊んでるんだが、そいつら「ミスタースズギン プラスジューニ!!!!」とかいう声だけ聞いて大喜びしてるんだよ。対局自体は全然見られないのに。あぶれもんかお前ら。
- あと、別に脱衣麻雀でもないのになぜか宍戸錠と伊藤優孝がどんどん脱いでいくのがすばらしいですね。
- ショーちゃんや雀鬼会の人たちが俳優さんたちに闘牌指導をしている様子をおさめた映像特典が入っていたのだが、これ……、教える人大変だね〜……。さらにおまけで入っている雀鬼会レポートは心底どうでもよくてすばらしい。なぜかツッチーと伊藤優孝だけ「雀鬼会」と書かれたちょうちんを持っているのがいいね。はじめギャグかと思ったわ。
- ところで、イケメン麻雀打ちには一家言も十家言もある私が「伊藤優孝はイケメンか」について研究しましたので、謹んでご報告いたします。方法は、昔の麻雀雑誌・麻雀劇画雑誌の競技プロ関係記事をかたっぱしから読みまくるという力技。で、90年代の写真だと今と変わらないんですが、80年代後半の写真を見ると(当時40歳前後)見ようによってはイケメン。遠回しな言い方をしているわけではなく、本当にそうとしか言えないんだよ。小首を傾げながら俯いて伏し目がちにして、前髪が少し乱れているとイケメンに見えるような気がしないでもないような気がするようなしないような……。ただ、20歳前後くらいのかなり若い頃まで遡ればまじイケメンだった可能性は極めて高いと思いました。でも、このVシネを見ると、手(手付き)は本当に綺麗ですね。それでは「伊藤優孝はイケメンか」の今後の調査にご期待ください。*1
┃ 参考
「雀鬼」http://janki.filmcity.jp/janki_top.htm
- たぶんメーカーサイト。Vシネの「雀鬼」シリーズすべての解説がなされている。