TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

アーカーギ 〜闇に降り立った吸血鬼〜

本日ご紹介する作品は、バブル期に存在した麻雀漫画雑誌に掲載されそのまま時空の果てに消えた作品です。



「傑作麻雀劇画」は1979〜1988年に実業之日本社から発行されていた麻雀漫画雑誌。
私が確認したのは休刊直前の1988年のもので、青山パセリ(青山広美)「サイコロ兄弟シリーズ」や志村裕次+渡辺みちおコンビものが掲載されており、トッツァン向け作品より若者向けの作品が多い印象でした。
また、巻末には読者から投稿された麻雀漫画を紹介するページがあり、これが妙におもしろいのです。投稿といっても新人賞や持ち込み作品のようなものではなくて、読者が趣味で描いたものや漫画研究会の部誌・サークルの同人誌を送ってもらい、そのうち3ページくらいを作者コメントとともに紹介するというもの。「それなら麻雀で勝負だ!」なノリをおもしろおかしく描くギャグ漫画が多く、この手の麻雀ギャグ漫画はこの頃すでに描きまくられていたことがわかります。正直、いまのキンマに読み切りで載るギャグ漫画よりおもしろそうでした。ナウなヤングの私たちにもわかる範囲のものとしては、スペシャルゲストの片山まさゆきの学生時代の作品「学生ぷろふぇっしょなる」がここにちょっぴり掲載されています。片チン先生も昔はみんなみたいに下手だったけどこんなに大ヒットを飛ばす漫画家になったんだよ! という意味でしょうか。それとも絵に難があってそれがなかなかうまくならなくても大ヒットは飛ばせるよ! という意味でしょうか。現物の原稿は大半が紛失しているとかで、漫画研究会の部誌からの転載でだそうです。なお、片山まさゆきの明大漫研時代の作品は『明大漫研OB作品集』(ソニーマガジンズ、1987)にも掲載されています。



こういった絶滅種の麻雀漫画雑誌を読むと同時に90年代後半の近麻&近オリ&別近も読んでいるのですが、この頃は読者投稿ページのイラスト投稿がおもしろいです。掲載されている作品のパロディ漫画(ネタ絵)を載せるコーナーのレベルが非常に高い。特に人気なのはアカギ。仰木さんが赤木に性的にドキドキする内容のものはもちろん、さまざまなネタ絵やほかの作品とのダブルパロディを毎号のように見ることができます。「アカギ」×「俺の選択」など、今見るとふーっレベル高すぎなネタ絵が沢山掲載されていました。このようなネタ絵は一時期コーナーとして存在していたようです。読者投稿に加えてイラストレーターによるお手本漫画が1本載っており、それが毎度すっごいホモくさい内容で最高でした。
ところで、ずっと以前、2ちゃんの何だったかのスレで「アカギのイラストを描いて送ったら掲載されたんだけど、本名で送ったのに"赤木愛子"というペンネームを勝手につけられていた」という書き込みがありました。で、その"赤木愛子"さんのイラストを発見しました。当時のオタク絵風のかわいらしい13歳赤木の絵だったんですが、背後になぜかイーソーの鳥が飛んでいるのがシュールでした。