TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

古今東大卒プロ雀士対決

井出洋介+鳴島生『東大プロ雀士』(芳文社・1985)を買いました。タイトル通り、23年前の『東大を出たけれど』です。『ミリオンシャンテンさだめだ』系のさわやか青春麻雀物語でした。主人公の友人・ガールフレンドといった周囲はみな明るく優しく主人公に対して理解があって決して見捨てることはせず、ライバルも見た目とは裏腹の好青年、両親や教授やまわりの大人たちも結局は主人公を優しく見守ってくれる……。『東大を出たけれど』とは境遇が違いすぎて涙を誘います。いえ、境遇が違うのではありませんね。主人公がポジティブシンキングかそうでないかが違うのです。




┃更新履歴
過去記事「麻雀漫画詰め合わせセット」に以下の4作品の感想を追加。

『迷宮の発牌(グリーンパイ)』(日本文芸社・1985)というのも読みました。下巻だけ。終戦直前の沖縄で起こったある事件。真相を知る者は少なく、旧世代の思惑はそれをめぐって交錯する。知らず知らずのうちに因果に報いられてしまう新世代の若者たち。設定や沖縄の雰囲気は現在にも通用しそうな匂いだったのですが、最後3ページの投擲ぶりは何なのでしょう。上巻も読めば印象が変わるのでしょうか……。下巻だけ読むと麻雀関係なさすぎます。

 今週のリクルート

『若頭・残波』
浜田正則+山口正人 週刊漫画サンデー連載

自転車で荷物を配達してくれるエコバイク便に就職しようとする若頭・残波さん。残波さん、どう見てもnotKATAGIなんですけど、残波さんみたいな健康的な中年が汗を流しながらさわやかに配達してくれればうちの評判もあがるとか言われちゃったりなどしちゃって、一般市民からさわやか好中年として大好評でした。

ところで、『若頭・残波』は『任侠沈没』に比べ(比べるな)説明台詞が多い印象があります。説明台詞が多いのとわかりやすいのとは違いますので、もう少しパワー押し切り暴走ブルトーザーになってもいいんじゃないかナ☆と思います。