TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 一発台のサブ

  • 来賀友志[原作] + 前川K三[作画]
  • 竹書房「漫画777」1号(1990.5)掲載
  • 読み切り、単行本未刊

┃あらすじ
世の中には色んな症候群があるけれど……オイラまでが人並にかかっちまうなんて思いもしなかった。なぜならその名を パチンコ症候群 って言うんだから。――パチンコ「ナポレオン」の一発台「ビックウェーブ」に集う老若男女さまざまの仲間たち。毎日一緒に喜んだり慰め合ったり、いろいろあるけど、オイラは元気です。



ナウでヤングなパチンコ漫画。
パチ屋に集う常連仲間がウダウダする日常を描く。話らしい話はなく、サークル仲間同士でウダウダという話は来賀作品にしては珍しいのでは。サークルうだうだものは当時としてはトレンディだったのかもしれないが、そこはかとなく漂うバタ臭いセンスが泣ける。なんかお茶の間コメディみたいなことになっているのだ。老若男女さまざまな仲間でのウダウダというのは現実的にはそうそうないだろうから、おもしろいことにはおもしろいのだが……。なんとなくほのぼのしてしまう作品。




ところで、常勝の強面パチプロが自宅ではパチンコ台に灯明を灯して「おおっ〜〜っ神よ 私に運をさずけたまえ 私は他に目を向けません 人生パチンコで始まり 必ずやパチンコで終わります」と拝んでいるのは一体何なのか。それを見た主人公が一言「よ……要するに一発台を攻略する方法は運ってわけか」……………… ……… ……ギャグ?
あと、主人公の一人称が「オイラ」なのが非常に気になったのだが、「オイラ」とはどういう意味なのか、哀れな私はこの時点では知る由もなかったのでございます。