TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

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各国の郵便切手を集め、燐寸のレッテルを集め、藩札を集め、富札を集めて娯楽とせる人多し。何がためにさる物を集むるやと詰る者あれば皆それぞれの口実あるべし。しかれども栓するところは、類聚に趣味ありとしてただ何となくおもしろしと言うにほかなからん。麻雀漫画を蒐集して、何の益あるかと問う人ありとせんか。予もまたただ何となくおもしろしと答うるのほかなきか、否か。
故人すでにこの癖者あり。「麻雀業界日報」の著者izumick先生を始めとして、かの「麻雀狂人日記」航希氏等の著者みな、しかりとすべし。近くは「近代麻雀漫画生活」のいのけん氏はやんぐ向け漫画雑誌のもえ視察を終えて帰朝するや、さる一昨年、ぶろぐを挙げて「咲」そのほかを報告せしめつあり。今、子に対して、何がために麻雀漫画を蒐集するやと詰る者あらば、子はただ何となくおもしろきがゆえにとは答えざるべし。必ずや、なうなやんぐの機敏をうかがい知るとともに、とれんでぃ麻雀漫画れびゅうの参考上、必要なるがためとせん。
しからば予もまた答えん。古来の麻雀漫画を集める事のみても、かのごとく国家的必要あり。しかも、古来の雅名、役の俗名、悪漢の隠語などをも併録して説明を付し、なおその上に風俗画までをも添うるに至っては、ただに好古趣味、俗語趣味の益のみならず、これを大にしては、国家の制度、歴史、文学の研究資料たるべく、これを小にしては、今宵閨で楽しむ漫画の便益たるを得べし。あに、ただ、何となくおもしろしのみに止まらんやと、述ぶるはいかがか。