TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

麻雀漫画と昭和の日本映画と文楽(人形浄瑠璃)について書くブログ

 餓狼無頼 雀鬼飛龍伝

志村裕次+みやぞえ郁雄 グリーンアロー出版社(1985)
全1巻

┃あらすじ
麻雀生命を賭けて故郷・熊本を旅立った飛龍は全国の数百の雀荘を統べる「闇の支牌連合」の会長「雀神」に挑戦すべく、全国を飛び回って彼の従える四天王と対峙するする! 地獄寺の和尚・金丸とはの暗刻がある状態でツモると翻数が倍になる「墓石打ち」、神戸の嵐三兄弟とは3vs1の「三法縛り」、佐渡の世渡老人とは索子36枚のみを使った理牌不可二人打ち清一色麻雀、そして雀神につぐ実力の持ち主・新宿の黒沢とは純粋真剣勝負で闘う! 飛龍は四天王との特殊ルール麻雀勝負に勝ち、雀神のもとにたどりつくことはできるのかッ……!?



『風の雀吾』の志村裕次+みやぞえ郁雄コンビが贈る、豆腐の角に頭をぶつけたようなトンチキ麻雀漫画。トンチキはトンチキでもちゃんとまとまっているのがすごい。あと、一応ぶっとびではない。中学1年生の男子が数学のノートのすみっこに書いているような設定をちゃんと構成し絵に起こし作品として仕上げるというのは本当にすごいことだと教えてくれる。




特殊ルールの煮詰め具合は後世の作に比べるとまだ甘い部分も多いが、「墓石打ち」と索子清一色二人打ちは話の雰囲気にも非常にマッチしていて、短いページ数のなかでおもしろく読めた。索子清一色二人打ちは「配牌を取ったら絵柄の面を相手側に向けて立てる。つまり自分が取った配牌は相手の手牌で、理牌はできないし、自分の手元の牌(相手の手牌)は見ることはできない。」というちょっと言葉では説明しにくい設定がついているが、冷静に考えたら別に普通に自分の配牌でやるのでええんとちゃうと思ったが、私が頭悪いだけ?? ただし、考える時間は10秒以内というのは厳しい。
そういう特殊麻雀のシーンはやる気満々だが、お色気シーンはやる気皆無。佐渡の爺様の養女のお色気シーンは一応がんばっているものの、その後は「2、3ページ裸描いときゃいいんだろ」というなげやりっぷりがすばらしい。



個人的には主人公が「あさかぜ」や「さくら」に乗っているのがいいな〜と思いました。寝台列車がロマンだったころの名残りか。旅打ちものとしても秀逸。