TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 将来の名人なり♥

9/7発売号のヤングジャンプで、柴田ヨクサルが新連載『ハチワンダイバー』を開始しました。
この漫画、タイトルは『エアマスター』みたいに格闘ものっぽいですが、なんと将棋漫画です…!

ストーリーを簡単に紹介します。
プロ棋士を目指していた青年・菅田。その道を断たれた後、彼は賭け将棋で日銭を稼ぎ、自堕落に暮らしていた。しかし、あまりに勝ち過ぎた室田はもはや誰からも相手にされなくなっていた。そんなある日、菅田は秋葉原のある将棋クラブに「アキバの受け師」と呼ばれる、倍掛けにも乗ってくれる真剣師がいることを知り、そのクラブを尋ねた。席料1000円+別室入場料金1万円を払ってその人物に会う。そこで見た「アキバの受け師」は、なんとメガネをかけた大人しそうな印象の女性。菅田は彼女に5倍賭(たしか)を挑むがあっさりと負けてしまう。このときを堺に、菅田は将棋への情熱を再燃させ、研修生時代のように再び将棋の勉強をはじめることを決意。しかし、折角心を入れ替えたのに、自室は散らかり放題。ひとりで片付けていてもらちがあかない為、菅田はルームクリーニングサービスに電話を入れる…。

……………と、ここまではまるで『天牌』冒頭を思わせるカッコイイ話なのですが…。

ルームクリーニング会社から派遣されてきたスタッフはなぜか胸元大全開の巨乳メイド(意味不明)。
しかもその正体は実は先日対局した「アキバの受け師」(意味不明)。
そしてクソ汚い部屋でメイドな受け師と、今迄に賭け将棋で溜めた全財産を賭けてのリベンジ対局(意味不明)。
やっぱり負ける菅田。菅田の貯金が入ったでっかい瓶を持って帰るメイドな受け師(意味不明)。
おわり(意味不明)。

あまりのギャグめいた展開に、危うく読み切りかと思いましたよ…。ちゃんと次回に続くようです。しかし、なんだか『天牌』の将棋版っぽくて、今後の展開が非常に楽しみな連載です。将棋を題材にしているのに、賭け将棋で話が進んでいくというのは、『月下の棋士』しか将棋漫画を知らない私には非常に斬新でした。
ノーマーク爆牌党』に対する『天牌』のように、『月下の棋士』に対する『ハチワンダイバー』と言える存在になって欲しいです。私は将棋はとんと分かりませんが、それでもこの漫画はおもしろいと思えました。ていうか、アキバの受け師って、どんなステキなおじ様が登場するのかとうき…うき…して読み進めたら、巨乳メガネっ娘でびっくりしました。さすがまっとうな青年誌だけあります…。キンマだったら普通に赤木級のスーパーダーリンが出てくる局面でありんすよ…


※註:この漫画に将棋の描写はないに等しいです。少しだけ見えた盤面(ていうの?)でのかたちは、振り飛車穴熊居飛車銀冠という、よくある戦形らしいです。将棋の詳細に関しては、プロ棋士が監修しているそうです。


ていうか、柴田ヨクサル先生、麻雀漫画描いてくださいよ…!
来週から主人公がいきなり雀ゴロになっててもいいです。むしろそれもまた自然。近代麻雀に降臨してくれる日を心待ちにしております。
ちなみに、今日発売の近代麻雀オリジナル柴田ヨクサルの超力展開に気を取られ過ぎて立ち読みし忘れました。



ところで、羽海野チカの新作は将棋ものかも…?との噂を書かれている将棋ブログさんがいらっしゃったのですが、もし本当にそうなら羽海野さんにはぜひがんばって頂きたいですね。『月下の棋士』を超える変態将棋漫画を目指して。卒業生でもない美大*1の話をあれだけ書けたのならできるはずです。

*1:私は『は●クロ』の舞台になった大学の出身なのですが、あんなドリーミーな世界は少なくとも私の周囲にはありませんでした。苛烈な世界でした。だからあの漫画はちょっとアレすぎて卒業した今でも直視できないです。でも、そのベクトルを将棋…あるいは麻雀に向けて頂けば、きっと素薔薇しい将棋or麻雀漫画が生まれると……!