TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

麻雀漫画と昭和の日本映画と文楽(人形浄瑠璃)について書くブログ

 ミリオンシャンテンさだめだ

片山まさゆき 竹書房
近代麻雀 1997.6〜2000.3連載
全4巻


┃あらすじ
転倒大学麻雀部部員・宿命田草太。彼は麻雀好きだが百万回ツモってもてんぱらないほど運に困窮している。しかし彼は運がない分、我慢と地道な努力ができるのだった。そんなとっても地味で、学生リーグの成績も下から数えたほうが早い転倒大学麻雀部のまえに突如舞い降りたダイナマイトボディと爆運を持つ新入生部員・めろん畑桃美。はなから学生リーグでの好成績を諦めていた転倒大学麻雀部のメンバーにとって彼女はまさに女神。麻雀を知らないせいで爆運を無駄遣いするめろん畑に、宿命田は麻雀の基本や楽しさを少しずつ教えてゆく。やがて今年も学生リーグの季節がやってきた。名門大学や本命大学といったプロコーチやプロを擁する超強豪のなか、転倒大学麻雀部はどこまでいけるのか!?




今夜のご紹介はかつて近代麻雀に連載していた青春麻雀漫画『ミリオンシャンテンさだめだ!!』です。

八種八牌というか、十三不塔というか、とにかく100万回ツモってもてんぱれそうにないくらい配牌が悪い宿命田草太と、天性の強運で配牌時点で平均リャンシャンテン(しかもドラ暗刻だったりする)だが、麻雀の初心者であるため手作りやまわし方がおそろしく下手なめろん畑桃実の、学生麻雀青春物語。

学生麻雀と書きましたが、『天牌』のように若者が高レート勝負を挑む話ではなく(学生じゃないよなあ…あいつら)、完全ノーレートの競技麻雀、大学対抗学生麻雀大会の話です。一応、アマチュアの大会なんで、一発や裏ドラはあったような気がしますが、『ノーマーク爆牌党』みたいに結構堅い打ち筋の登場人物が多いです。

さだめだ&めろん畑意外にも、片山漫画らしく、おりることなく向かってくる極限堂静流、理論的な打ち筋と絶対の自信を持つ等々力渓吾、鳴き麻雀で場を濁流に飲み込む芥川泥之介、相手に会せて戦法を変えることが出来る柔軟性を持つ日暮里志など、個性的な登場人物が多数登場します。この漫画のいいところは、外見や妙な打ち筋で無理なキャラ付けをしているのではなく、ああ、こういう青春もあるよね〜っていう親近感や馴染みやすさがあるのがとっても愛おしいです。ていうか、なんか青春なんだよ…皆!学生麻雀大会決勝は、全員を応援したくなります。若人よ燃えよ!って感じです。
特に泥之介と等々力がいいですね。勝負に真剣になりすぎてちょっと周囲に盲目なところとか、揺るぎない自信を持っているところとか、勢いあまってカワイイところがいいです。がんばれ若造!って感じで。てか私もあいつらとそんなに歳かわりませんが。今はね!


前半はこのように学生タイトル戦の話なんですが、後半からプロリーグの利権が絡んでくる大会の話になります。片山まんがでは見たことないような、天下一武道会・麻雀版が展開されるため、後半のほうが闘牌のレベルは高いです。ノー爆のようなミステリー仕立てな闘牌ではなく、牌譜に残って美しいような闘牌というイメージでした。全員が全力で激突しているところが青春な感じでステキ!


でも、青春の輝きが眩しい前半のほうが個人的には好きです!学生のころは、皆で下らないことでぎゃーぎゃー騒いで、一銭にもならないことに真剣になって、絶望というしかないような挫折を味わって、それでも欲しいものを手に入れるために突っ走る、私の中の永遠の麻雀青春漫画!




というわけで定番!さだめだ好きな台詞!


「ごめん…ロンなんだ 言いにくいんだけど…48000点」
日暮の1筒1萬9索鳴いてる清老頭に1索を振っためろん畑に日暮が言った一言。この状況で1索が出るとは、日暮もびっくり。


「この手牌は僕だ… なんのとりえもなく なんの将来性もなく ただ他家がアガる為だけに存在する 何の表現性もない脇役 それが僕だ」
「僕はそのとき いつも思ってることだけど 再確認させられた この世には何も持たざる者と あり余るほどのものを持っている者がいることを」
なんか福本漫画みたいで泣ける。
どうして俺たちは…いつも…いつも…ボロ…ボロ…