TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 革命トライアングル 欲望三人組列伝

来賀友志+渡辺みちお 双葉社(1993)
全2巻

 


┃あらすじ
高校時代の悪友3人組、「ムー」こと折原宗敬、「カリメロ」こと飯島稔博、「デビ」こと小林広明は、それぞれ外科医、商社マン、不動産屋として名を成していたが、その地位を捨てて故郷の静岡に帰ってきた。「ムー」は名声、「カリメロ」は金、「デビ」は女でもって世界を掌握しようとする。三人の野望の王国は実現するのか!?




もはやどこからツッコんでよいのかわからないスーパーアクション漫画。
タイトルに「革命」とついていますが、申し添えておきますと全共闘とかは全く関係ないです。静岡県が独立国家になる話です。




こんな感じに物語は幕を開けます。

  • ラーメン屋で店主に文句をつけるヤクザの手首を割り箸で切り落とすムー。
  • 活け造りの刺身にされたお魚に話し掛けるカリメロ
  • 暴れ回る地元ヤクザの事務所にバスで突入して皆殺しにしてバスに死体を詰め、スクラップ行きにさせる。潰れていくバスに清めの水と称して放尿。
  • 仕返しにきたヤクザ(ラーメン屋でムーに手首を切り落とされた奴)を念力で南極にテレポートさせるデビ。ペンギンさんこんにちわ。


タイトルロゴがキッチュだったり、冒頭3話くらいは笑える展開が含まれているので、はじめはドタバタ☆コメディだったのかもしれません。デビが超能力者というのがちょっとイッていなさるくらいで。しかし後半は本当にイッていなさる。

  • やがてムーは静岡県知事に。
  • 静岡県を独立国家として国連の承認を得るため、純血の静岡県人を集めて染色体を操作し、他民族であることを証明。
  • 最後は日本と戦争。スカッドミサイルで攻撃されるが、みんなで手を繋いでデビの力を増幅し、念力で止める。


余計なお世話ながら、絵が渡辺みちおではなく、同人絵風の漫画家なら違う作品になっていたかと思います。私のなかで渡辺みちおはガチンコ路線というイメージが出来上がっているため、「こいつぁマジモンだぜ!」としか思えませんでした。例えるなら、山口正人『仁侠沈没』が読み切りで初めて載ったときの驚き。私はあまりのマジモンさに恐れをなして読み飛ばしていました。後日、ギャグでやっていると分かり、安心して読めるようになりました。




関係ありませんが、知人が「『東大を出たけれど』の作画がレモンハートの人だったら読めるようになるよね。違う意味で。」とすごくいいことを言っていたので、ここに書いておきます。