文楽[東京]公演
東京の鑑賞教室って、通常の学生向け鑑賞教室公演も、別立てしている「社会人のための文楽鑑賞教室公演」も、内容同じだよね。開演時間だけで「社会人のための」と名付けるのは、ちょっと看板倒れ。せめて社会人のほうは、国立能楽堂の普及公演のような大人…
第四部は、「文楽入門~Discover BUNRAKU~」と題し、初心者向け公演として設定されていた。 パンフレットが配布され、イヤホンガイドを無料貸与する体制は、例年の12月鑑賞教室公演と同様のシステム。ただ、19:45開演といういままでにないレイトショーで、…
「尼ヶ崎」の上演があると気になるのが、さつきハウスの軒先に下がっている夕顔の実。今回は、超ビビッドなド緑で、なかなかのビッグサイズでした。 第三部、絵本太功記。英語でいうとA Picture Book of the Taiko Hideyoshi。 人形、光秀役に玉志さんが配役…
今月は、ロビーに、伝統芸能保存のため(多分)の募金箱が設置されていた。大きな透明アクリル製の、縦に長い直方体のボックスで、底に、マスクをしたくろごちゃんのぬいぐるみが置かれていた。国立劇場は、お地蔵さんやらの前にちょこっとお賽銭の小銭が置…
とにかく、本公演が再開できて、本当によかった。本当に嬉しい。 今回は、感染予防対策として客席定員を半減。前後左右1席ずつ空ける千鳥配置で販売された。舞台に近い最前列も販売停止。加えて、文楽は客席右前方に出語り床が張り出しているため、床付近の…
国立劇場の前提に植えられている「菅丞相お手植えの梅」*1にたくさん花がついていた。 一方、私の愛樹・鉢植えのレモンは最近やたら葉っぱが散りまくっている。にもかかわらず、信じられないほど巨大な実がなっていて、怖くて摘めない(去年のゴールデンウィ…
第二部開演前、ロビーではなぜかSHIKORO・サイン会がのびのびと開催されていた。 錣さんはサイン会を開こうとしてロビーにいるわけではなく、ご自分のお客さんの受付のためにいるのだと思うが、文楽ののんびりさと錣さんのご人徳が複合した結果、いつのまに…
3月の地方公演やイベントが多数中止になっている。2月公演は全日程公演できて本当によかった。 ■ 第三部『傾城恋飛脚』新口村の段。 新口村やりすぎと言いたいところながら、実際に観るとやっぱり面白い。 この投稿をInstagramで見る 国立劇場(東京・半蔵門…
俊寛が最後に駆け上がる岩にはかつてはフジツボがいっぱい張りついていたそうですが、今月は全然ついてなかった……。鬼界が島のフジツボ、絶滅したみたい……。 ■ 『伊達娘恋緋鹿子』火の見櫓の段。 Aプロお七=桐竹紋臣 Bプロお七=桐竹紋秀 昨年12月の本公演同…
今年の12月中堅公演は『一谷嫰軍記』。陣門の段・須磨浦の段・組討の段・熊谷桜の段・熊谷陣屋の段と、本筋がわかる限界まで切り詰めた特急プログラムだった。 ■ 陣門の段・須磨浦の段。 見所は、平山武者所〈吉田玉翔〉。立派な荒武者振り。馬に乗った人形…
開演前に、「いまからはじまるの、クズの話☺️?」とピュアな口調で言ってる人がいた。第二部の酒屋の前にも同じこと言ってる人がいた。文楽のお客さんはみんなピュア、と思った。 なお、私がいままでに見た一番ピュアなお客さんは、開演前に文楽せんべいを買…
先月は普通の公演を観なかったため、文楽、なんだか久しぶりに感じる。 ■ 嬢景清八嶋日記、花菱屋の段。 この投稿をInstagramで見る 国立劇場(東京・半蔵門)さん(@nationaltheatre_tokyo)がシェアした投稿 - 2019年 9月月13日午前2時38分PDT あらすじ 駿河…
出演者は完全にド他人なのに、「よかったねぇ〜よかったねぇ〜」と親戚のオバチャン気分になってしまう若手会・東京公演へ行ってきた。 ■ 『義経千本桜』三段目 椎の木の段〜小金吾討死の段〜すしやの段。 昨年度の地方公演で出た椎の木の段・すしやの段に小…
ひさびさの全段通し上演。10時半開演21時終演の長丁場だったが、ちゃんと1日通しでチケットを取った。 通して観ると、物語自体の持っている質量に圧倒される。時代ものならではの堂々たる見応え。ふだん、集中して観ているつもりでも、ある意味で気が散って…
ときどき前を通る新聞店の店先に、腰ほどの高さのスチールのラックが据えられている。その上には常に清潔に掃除された水槽が置かれていて、中には一匹の大きなカメが住んでいる。両手に乗せても太い手足がはみ出すであろうほどの大きなカメだ。飼い主に磨い…
なぜか拷問もの2本立ての第三部。両方とも最近大阪で出たばかりの演目なので、東西の配役違いによる比較や2公演見ての感想を中心に書きたいと思う。 ■ 鶊山姫捨松。大阪で11月に出たときから岩根御前・大弐広嗣・父豊成卿の人形配役を変更して上演。 View th…
『大経師昔暦』。またも読めない。「だいきょうじ・むかしごよみ」だそうです。「経師」は経巻・仏画等を表装する者。「大経師」とは、経師の代表として朝廷御用を受け大経師暦の発行権を与えられた者のこと。 ■ 大経師内の段。 京都烏丸の大経師家は朝廷か…
同じ演目の配役違いを手軽に楽しめるのが嬉しい鑑賞教室公演。大阪の鑑賞教室はすさまじいシャッフル配役で意外性のある配役や若手の抜擢も多いけど、東京は幹部を得意なところに配役して「初心者には一番最初に最高のものを」という雰囲気。だと思っていた…
『鎌倉三代記』で集中力を使い切ってしまい、客席まったりしているところで始まる『伊達娘恋緋鹿子』。なんかこう、それなら『鎌倉三代記』の現行で出せる段ぜんぶ出せばいいのではと思ってしまうのだが……。 ■ 八百屋内の段 雪がちらつく本郷の町。八百屋久…
いつもは部ごとに感想を書いているが、『鎌倉三代記』のあらすじをまとめていたらそれだけで1万字を超えてしまったため、12月本公演の記事は『鎌倉三代記』と『伊達娘恋緋鹿子』で分割しようと思う。まずは『鎌倉三代記』から。 登場人物全員狂人の「ザ☆文楽…
なんでこんな渋い演目の取り合わせかというと、明治150年記念企画だから、らしいです。両方とも明治期につくられた演目だとか。道理で人死にが少ないと思いました。 ■ 『良弁杉由来』。 View this post on Instagram 国立劇場(東京・半蔵門)さん(@national…
今回は『夏祭浪花鑑』の現行で上演できる段をすべて出す半通しだった。 まず言いたいことは、一寸徳兵衛がどういうキャラクターなのか、やっとわかったということ。『夏祭』は一昨年(釣船三婦内・長町裏)、昨年(住吉鳥居前・釣船三婦内・長町裏)と2回観…
今年の若手会、長くない!? みんなにちゃんと役を回すため!? ならいいよっ!! ■ 万才。 こういう舞踊ものって人形遣いはかなり力量が出てしまうと思うが……、玉彦さん、あの若さでかなり落ち着いて太夫を演じておられて、貫禄を感じた。 ■ 絵本太功記、夕…
物語のところで勘助が座る台、前半で狸寝入りするこたつなんだって。わかんねえよ!! ■ 4月大阪公演の後、浄瑠璃を復習した甲斐あってストーリーを把握してから観ることができたため、浄瑠璃や人形の演技のディティールをよく観察することができた。やっぱ…
彦山と毛谷村がどこにあるかわかってない私ですが、大阪公演に続き東京公演も観に行きました。 ■ 第二部、『彦山権現誓助剣』。 今回は床の間際の席にしたため、太夫の声・三味線の音の生感を味わえてとてもよかった。床の直下は三味線の音の聞こえが違って…
合邦の家の前に置いてある木彫りの閻魔様は、なぜ首しかないのだろう? 経済的事由? いまから作るのかな?? ■ 配役等、基本的には1月大阪公演と同じなので、ストーリー等自体への感想は先の投稿分に任せ、今回は差分や新たに気づいたことを中心に書こうと…
11月大阪公演で観てあまりのありがたさに合掌しそうになったかんたま『心中宵庚申』、再び。 今回は、11月大阪公演での同演目と比較しつつ、再度観劇して改めて感じたことなどを書いていこうと思う。 ↓ 2017年11月大阪公演レポ。 ■ 上田村の段では、11月大阪…
出かける前に始太夫さんの訃報を聞いて驚いた。まだお若い、これからというお歳なのに……。とても悲しい。 ■ 2月公演はまずは第3部、女殺油地獄を観た。第1部〜第2部は登場人物人口が少ないためか、第3部に人形配役がダンゴになっちゃった結果、人形がどこを…
「ひらかな」と書いて「ひらがな」と読むトラップ、今年最後の本公演は中堅公演『ひらかな盛衰記』です。 昨年の中堅公演は 5月『絵本太功記』だったが、そこで武智光秀役だった玉志さんに「えー!この人ほかの人となんか違うー!!」とビックリして一年半、…
文楽最大のチケット争奪戦が繰り広げられる東京の鑑賞教室公演。土休日は一般発売までに売り切れる日程もあり、初心者はチケットを取ること自体ができない。会期を伸ばすか、日曜も鑑賞教室2回公演にするとかして欲しい。 配役違いとなるBプロ前期、Aプロ後…