TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

麻雀漫画と昭和の日本映画と文楽(人形浄瑠璃)について書くブログ

文楽 11月大阪公演『八陣守護城』『鑓の権三重帷子』国立文楽劇場

八陣守護城(熊本)コラボで、文楽劇場ロビーにくまモンが来ていたそうだ。私もくまモンに会いたかった。

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八陣守護城。パンフレットを間違ってロッカーに預けてしまった上、歴史教養が一切ないため加藤正清(加藤清正)が誰かわからないんですが大丈夫でしょうかと思っていたら、話がめっちゃ途中から始まって危なかった。

加藤正清〈吉田玉男〉は嫁・雛絹〈吉田一輔〉を伴い帰国の途にあった。その大船を追って北条時政の使者・早淵久馬〈吉田玉彦〉を乗せた小舟が現れ、正清の機嫌伺いをするが、何事もないのを見てすぐに帰って行く。いぶかしく思う雛絹に正清が琴を弾かせ盃を傾けていると、またも時政の家来・鞠川玄蕃〈吉田文哉〉が船を漕ぎ寄せ、時政からの餞別として鎧櫃を届ける。一献と誘われた玄蕃は森三左衛門と打って変わってのその様子を不審がり、またもすぐに帰っていった。心配する雛絹を制し、正清は豪快に笑うのだった。(浪花入江の段)

話はいきなり海上からはじまり、ステージ中央には巨大な朱塗りの船が浮かんでいる。この船がでかい。いままでになくでかい。美術の予算を突っ込みまくった感があるでかさ。ラストシーンで回舞台を使って方向転換するので、書割の船ではなく、本当に船の形になっている。いつも「あんなでっけー人形乗ってたら沈むだろ、こんな木っ端船。」と思っていたが、今回は絶対沈まないですねって感じの大船。すごかった。この感動をみんなに伝えたい。

と、船について熱く語ってしまったが、床・人形ともに出演者の方々の持ち味をいかしたおおらかな段でとってもよかった。大海原をぐんぐん進んでいる感があった。船の屋台にもたれかかったりと時々物憂げな正清の芝居も良かった。

ところで、忍びしのばせてどうすんの!?って感じの忍者が入っている鎧櫃が初めからカタコト動いているのは、「はいってますよ〜」というアピールなのか。ギャグかと思った。

 

 

 

正清は帰国後、100日の心願ありと雛絹のみを伴って思惟の間へ引き籠っていた。満願の日、鞠川玄蕃と隣国の大名・大内義弘〈吉田玉志〉が時政の上使として訪れる。応対した正清の妻・葉末〈吉田勘彌〉は義弘から正清の病態を尋ねられたのに驚くが、そこへ続けて酒樽を引きずった野卑な姿の船頭・灘右衛門〈吉田玉也〉が現れ、同じように正清の容態を聞く。立て続けの話に葉末が不安がるのを義弘が制し、見舞いの酒樽と藁苞を受け取った。灘右衛門が去るのと入れ替わりに正清の息子・主計之介〈吉田幸助〉が早駕籠で到着する。主計之介は正清が時政に毒を盛られたことを明かし、その様子伺いの使いとして本国へ戻ったこと、また、正清と同時に毒杯を受けた雛絹の父・森三左衛門の逝去を伝える。義弘や灘右衛門の言葉に合点が行った葉末は、主計之介へ正清に付き従っている雛絹に密かに会い、様子を探ってくるようにと告げる。(主計之介早討ちの段)

 

夜更け、主計之介が思惟の間の門扉のなんか(なにあれ?)を鳴らすと、それに気づいた許嫁・雛絹が現れる。久々の再会を喜ぶ雛絹だったが、主計之介が無神経発言をしたため怒りつつも、正清は食が進まず時折手箱の草の根を食べるのみだと答える。そのときあまたの怪しいねずみが現れ、思惟の間へ入り込んでいく。物音がして灯火が消え、思惟の間の障子が開くと、そこには荒れ放題のなりで忍びを倒す正清の姿があった。正清はねずみに化けた玄蕃に「都へ戻り正清存命と伝えよ」と告げて追い返す。主計之介は正清へ政時からの書状を手渡すが、正清は読むまでもなく破り裂き、忠孝信義を理解せず、幼君の守護を怠って時政の甘言に乗せられて帰国するとは女に迷った大馬鹿者であると一喝する。主計之介は身を恥じて、葉末と雛絹の引き止めも聞かず雛絹に手紙を渡して都へ帰ってゆき、正清もまた思惟の間へ戻っていった。

間も無く雛絹の母・柵〈桐竹勘壽〉が現れ、主計之介は時政に命を助けられた恩を捨てるため、時政の家臣の娘である雛絹とは添われないと告げる。主計之介が雛絹に渡した手紙は離縁状だった。雛絹はそれを読み懐剣で喉を突く。柵と葉末が驚き抱き起こすと、雛絹は苦しい息の中、来世では主計之介と添い遂げたいと二人の母に頼む。再び思惟の間の障子が開き、白い鎧に身を固めた正清が南妙法蓮華経の旗を手に現れる。その旗には妻・雛絹、そして夫・主計之介の名がしたためられていた。正清は主計之介の戦死を予感し、未来で夫婦として縁を結べと告げ、雛絹はその言葉を聞きあの世での再会を楽しみに息果てた。

そこへ現れたのは灘右衛門。主計之介を追ったところ、何者かに連れ去られたことを告げ、そのときに拾ったという状箱を正清に渡す。正清が状箱の封を切ると、中には「八十川のその源は変はるとも心あふみの末をみづうみ」という歌をしたためた紙が入っていた。そこへ現れた大内義弘がその歌の心を承知していると言い、灘右衛門が先ほど持参した藁苞を開いて名剣・七星丸を取り出す。これは正清がかねてより幼君を守護する勇士へ渡すよう、片桐氏(誰?)へ預けていたものであり、それを持ってきた灘右衛門こそが実はその勇士・児嶋元兵衛だったのだ。さきほどの状箱の中の短歌は近江源氏の武将・佐々木高綱が主計之介を助けたことを表していたのである。そして、佐々木と児嶋という二人の大きな味方を得たことを喜び心が緩んだ正清についに毒が回る。正清はあの世で主計之介を待ちわびている雛絹を不憫に思いながら、葉末と柵を児嶋に預けて主計之介の安否を尋ねに都へ旅立たせ、自らは城の高楼へ登って最期を迎えた。

冒頭で腰元たち〈腰元照葉=桐竹紋吉、腰元深雪=桐竹勘次郎〉が「なんで大殿は嫁だけ連れて籠っているのか」について噂話をしているが、それを寄せ付けないほどの一輔さんのおぼこオーラのまばゆさ。女方人形遣いさんにはおぼこオーラがある人と一切ない人がいるが、あれはいったい何が違うのか真剣に不思議である。

ところでねずみに化けられる忍び、すごない!?!?!?!? まじびっくりしたんですけど。ありえねえだろ!!!! 雇われ忍びとかしてないで、ねずみに化けられるスキルを使って身を立てたほうがよかないか!?!?!? しかも一番デカいねずみ、しっぽめっちゃ長ぇ!!!!!!!! と余計なことに気を取られてパニックを起こした。そしてねずみの動きに妙なやる気があり、引いた。この『おしいれのぼうけん』並みのねずみ軍団(と、それに対して動じない人形たち)への驚きで記憶がほとんど吹き飛んだ。

最後、正清を高楼に残してほかのメンバーは城を旅立つ場面、城の外壁の外をみんながゆっくり歩いていって、正清の遠見の人形が高楼からコッチを見ているところ、90年代のRPGのエンディングみたいで面白かった。

 

 

 

正清の人形、三場面で全部違うので忙しかった。最後の白い鎧姿がプロモーション等でも使われていて有名だと思うが、とんがりコーン的な三角帽子の中身が思っていたのと違ったので驚いた。直前の人形では百日鬘っていうのか?もふもふになっていた髪の毛が全部あの三角帽子の中にしまってあった。ええ、そうなってたんですか。そりゃそうか。という感じだった。正清の通常の白い顔が蒼白な顔色に変わる場面は一瞬でスムーズすぎたため、言われなかったらスルーしているところだった。公演プロモーション動画で玉男さんがおもいっきりネタバレしてすべて喋ってしまっていたため気づいたが、玉男様のどちゃくそネタバレがなかったら気づかないところだった。*1

人形で一番良かったのは玉也さん(船頭灘右衛門実は児嶋元兵衛政次)。荒々しい役ではあるんだけど、メリハリが演技と演技のつなぎの動作が大変に洗練されているので下品にならない。アスリート的な動きというか、そこが他の人と違うな〜と思う。最後、城下を歩いていくとこなど悠々としていてとくに良かった。そして出番は少ないが同じく洗練された芝居で気品ある存在感を見せた玉志さんもとってもよかった。余計なことをやらずとも、あれだけ出番が少なくてもちゃんと存在感を示し、どういう役柄か観客に瞬間的にわからせるのはさすがだと感じた。そこがひきしまっていたので、話が途中からはじまる&主役の行動が読めないストーリーながらなかなか満喫できた。

 

 

 

熊本訪問記。くまモンと手をつないでいる加藤正清の人形、可愛い。玉翔さんと宮司さんがなぜかアサッテの方向を見ているのもほのぼのさせてくれます。

あと、パンフレットを購入された方はP28の右下の写真がメッチャ可愛いから絶対観てください。

 

 

 

第一部2本目、鑓の権三重帷子。話がとても面白かった。

松江藩の表小姓・権三〈桐竹勘十郎〉は鑓の名手の誉れ高い美男であった。ある日、権三が馬の遠乗りで浜の宮の馬場までやってくると、茶道の師・浅香市之進の兄弟弟子である川側伴之丞の妹・お雪〈桐竹紋臣〉が乳母〈吉田清五郎〉を伴って待ち受けていた。彼女はかつて乳母の働きで権三と将来を約束した仲、にも関わらずいつまでたっても祝言の話が進まないのを心苦しく思いここまで押しかけたのだった。乳母が詰め寄るのをうまく言いかわした権三に、お雪は二人の紋をあしらった帯を贈る。そのとき、遠くにお雪の兄・伴之丞〈吉田玉輝〉の姿が見え、彼に見つからないよう権三は彼女を帰らせる。近寄ってきた伴之丞の悪口をかわす権三だったが、無理な勝負を挑まれ渋々それを受けることになる。二人が競って馬を走らせているところに現れたのは市之進の舅・岩木忠太兵衛〈吉田玉佳〉。若殿の祝言が無事済んだ祝いとして真の台子の茶の湯を国許でも執り行うことになり、その際、江戸に上っている市之進の代役を、門弟の中で真の台子を伝授された者に仰せつけるという内意を伝えに来たのであった。二人は思わぬ出世の糸口に、自分こそがその役にふさわしいと対抗心を燃やすが、二人とも真の台子の伝授はまだ受けていなかったため、市之進の妻に相談してからにしようとその場を収めるのだった。(浜の宮馬場の段)

この権三ってやつクズじゃない? 顔が良く口の良い1mmの感情移入もできないクズ。演者を選ぶ役だなと思った。勘十郎さんの権三は美男だけどちょっと真面目すぎて、キャラクターがよくわからない印象があった。いや、権三はナチュラルドクズだろうで、こんくらいもやっとしているのがいいのかもしれないが……。モヤキャラはもっと得意な人がいる気がするが、にしてもお雪役が紋臣さんというのがかわいそすぎてクズが引き立つ。こんなん誰よりも先に私が八つ裂きにする。遠乗り勝負で「馬から落ちて落馬した」伴之丞が包帯姿で現れるのが愛らしかった。以上、文章が支離滅裂ですみませんがこういう段でした。

 

 

 

市之進が不在中、留守宅を取り仕切っているのは妻のおさゐ〈吉田和生〉である。おさゐは37歳で三人の子がいるとは思えない美しい女だった。おさゐは姉娘のお菊〈吉田簑之〉の髪を直してやりながら、このように出来の良いお菊を添わせるなら並みの男では不満、婿を取るなら武芸の腕も茶の湯の腕も立ち、気立てよく美しい権三に添わせたいと言い聞かせるが、お菊は権三はオッサンだから嫌と言い放つ(直球)。それなら権三は自分が夫にする、独り身なら放ってはおかないとおさゐは語るのであった。

その玄関先へ、当の権三が現れる。手土産をたずさえ真の台子の伝授を乞う権三に、おさゐは真の台子は一子相伝で、伝授するなら親子の契りが必要である、そしてかねてより権三をお菊の婿に考えていたことを彼に告げる。それともおさゐからそれとも言い交わした女がいるのかと迫られた権三は秘伝欲しさにお菊との結婚を約束してしまうが、そこへ突然、お雪の乳母が訪ねてくる。お雪の兄・伴之丞から何度も不義を迫られ辟易していたおさゐはまた付け文かと不快に思い、権三を一旦帰して留守を装いその様子を立ち聞くことに。しかし乳母が持ってきた話というのは、なんと権三とお雪の祝言の仲人をおさゐに頼みたいというものだった。下女が乳母をつれなく追い返した後、おさゐが怒り狂って塩を撒かせているところに、父・忠太兵衛が来訪する。おさゐから真の台子は権三に伝授することを聞いた忠太兵衛は、秘伝は誰にも漏らしてはならないと注意し、満足げに帰っていった。(浅香市之進留守宅の段)

 

その夜。数奇屋の前に一人たたずむおさゐは、権三とお雪の一件に腹を立てつつもそのような自分の気性に思い悩んでいた。そのうち忍んでやってきた権三を引き入れ、おさゐは数奇屋の内でひそかに真の台子を伝授する。一方、そこへもう二つの怪しいふたりの影が数奇屋へ忍び寄る。それはおさゐの寝込みを狙ってやってきた伴之丞とその手下・浪介〈吉田玉勢〉であった。ひそかに庭へ入り込んだアホ二人は、本来の目的を忘れて数奇屋の障子へ映るあやしい男女ふたつの人影をウォッチする。さっきまでしきりに鳴いていたカエルが鳴きやんだのを不審に思った権三が庭へ立つと、おさゐはこうしているのを妬む女がほかにいるのであろうと昼間聞いたお雪の存在を問い詰めようとする。白を切ろうとする権三に、ではその帯はなんだと怒ったおさゐがつかみかかり、彼のしめていたお雪からの贈り物の帯をほどいてしまう。庭へ打ち捨てられた帯を拾おうとする権三に自らの帯をほどいて叩きつけたおさゐだったが、権三はその帯を庭へ打ち捨てる。そこへ現れた伴之丞、二人の帯を拾って不義密通の証拠と言い立てて持ち去ってしまう。権三は伴之丞を追うが、すんでのところで取り逃がしてしまう。たとえ潔白でもこうなっては生きていられないと自害しようとする権三をおさゐは引き止め、市之進の名誉のため、ここは生き延びて夫に妻敵として討たれてくれと懇願する。権三は無念の中、おさゐと互いに「女房」「夫」と言い交わし、屋敷を抜け出すのだった。(数奇屋の段)

おさゐの感情の上下がメチャクチャなのが良い。言動が支離滅裂である。権三の造形が比較的のっぺりとしているぶん、彼女の不条理とも思える気性が引き立つ。明快な筋立てではなく、他人にはわけのわからないところがある、説明もなく不条理な人間の心の動きが描かれているところが良い。このような感情優位でそれに自覚的な人物造形って現代作品の特長だとなんの根拠もなく思い込んでいたが、古典でもあるんですね。

芝居としては、ことに暗い庭の腰掛でうち沈むおさゐが印象的。下女や娘・息子たちの前で毅然とした立ち居振る舞いとは異なる、ひとりの女、個人としての姿を感じた。しかし女の人形って屋外でもペトンと突然座ってしまうが、こんな身分が高い人が突然地べたに座るか?とよく思っていたんだけど、椅子(なんか陶器の樽型のやつ)に座ることもあるのね。文楽人形ってなんであんなにすぐペトンと座っちゃうんだろう。やっぱり人形を高い位置に持ち続けるのが大変だからでしょうか。

伴之丞が持ってきた酒樽の使い方が思ったのと違ってびっくりした。あの塀、塀じゃないのか? もしかして生垣のつもりだった? 美術が変でよくわかんないんだけど(失礼)かたい塀ではなかったみたい。狭い樽のトンネルをちょこちょこと一生懸命通り抜ける人形たち(と人形遣いさんたち)が可愛らしかった。権三に気付かれ、庭でしゅっと平らになって(?)隠れる伴之丞・浪介もプリティだった。こういう可愛さは人形ならでは。

しかしこんな大事な場に他の女にもらった帯をしめてくるとは、権三はアホではないか。アホでないなら池部良とか加山雄三的な何かだと思う。しかも最後はおさゐに言い負けるし、単に押しに弱いだけでは。ここいら、すでにお雪のこと忘れてるだろ。おさゐが権三の帯をほどくところでは、人形でどうやってやるのかしら、人形の帯ってほどけるの?と思っていたら、ぽかぽかえいえいと一生懸命ほどいておられてなんだか可愛かった。人間でやると印象まったく違うと思うが、人形だと可愛いね。

 

 

 

国許から出奔したおさゐと権三は、盆踊りでにぎわう京都伏見の京橋の下にたどり着いていた。過ちと身の上を嘆き悲しむ二人だったが、ついにおさゐの夫・市之進に見つかってしまう。おさゐは夫の無事と子供たちのことを頼み、市之進に討たれる。権三もまた、かつて「鑓の権三」と名を馳せた形見として竹を手に取り、市之進に討たれるのだった。(伏見京橋妻敵討ちの段)

 

妻敵討ち(めがたきうち)とは何だ。女房に間男されて、しかも逃げられた場合、それを追い掛けて斬戮することなのである。

前の段から話が飛んでいるようだが、さほど違和感はない。夫が連れてきている助太刀の人〈岩木甚平=吉田簑之〉唐突すぎだろ、誰やねん、下男? 下男て仇討ちに連れてきていいんだっけ? と思っていたら、おさゐを思慕する彼女の弟で、叶わぬ恋の意趣晴らしに伴之丞を討ち取ったという設定らしい。人間関係複雑。一瞬だけ出てきて無念のなか(実は真相を知っているのではないか?)市之進も哀れである。

盆踊りカップル〈娘=桐竹紋秀、源太=吉田玉翔〉、『心中宵庚申』の庚申参りカップルと同じく可愛かった。やっぱりなんか微妙に嬉しそうなのが良いよね。

 

 

 

『槍の権三』はストーリーがおもしろくて引き込まれた。もうすこしおさゐの内面をじっくり見たいとも思った。ただ「???」となる部分もあったので、もちょっと違う配役で観てみたいところ。権三とお雪の配役でイメージが変わりそうだ。

近松の姦通ものだと『堀川波の鼓』が観てみたい。これは映画『夜の鼓』(監督=今井正/脚本=新藤兼人/松竹/1958)で観ておもしろかったもの。本作と話が似ていて、やはり夫が江戸詰の最中、息子の鼓の師匠との姦通を疑われた妻の話なのだが、原作では実際に姦通しているところ、映画版では不貞を働いたかどうかがわからない演出になっている。映画版の結末は妻は自害(追い込まれて自害するのでほぼ殺されたも同然だが)、鼓の師匠はショックで目がイッちゃってる夫(三國連太郎です)に妻敵討ちとして殺害される。これって『鑓の権三』を参考にした演出にしているのかなーと思った。いや、と言っても相手役の鼓の師匠役が森雅之なので客観的には真っ黒だし、観たのがそこそこ前なんで、記憶がおかしくなってきているのかもしれませんが……。『堀川波の鼓』も近いうちに文楽で観てみたい。*2

 

 

第一部全体いついての感想としては、なんだかとっても自然に楽しめて良かった。普段、端緒や末尾についている切にならない段は床がガチャガチャになっていることが多く思うのだけれども、今回はすべての段がバランスよくて心地よかった。「浪花入江の段」は全体的にとても良くて聴きやすく、「伏見京橋」は盆踊りの歌の掛け合い、歌のハーモニー(というのか?義太夫でも)のバランスが良くてとても楽しめた。あとは人形遣いってやっぱり上手い人は違うなと思った(漠然とした印象)。

 

 

 

 

  •  『八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)』浪花入江の段、主計之介早討の段、正清本城の段
  • 『鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)』浜の宮馬場の段、浅香市之進留守宅の段、数寄屋の段、伏見京橋妻敵討の段
  • http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2017/1116.html?lan=j

 

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*1:この動画、玉男様がほんま最高なんで是非見てください。ご自分の番が回ってくるまではいかめしい真顔でいらしたのに、最後映像が切れる直前「ほっ……^^」みたいな表情をなさるのがイイ…… http://www.ntj.jac.go.jp/topics/bunraku/29/1133.html

*2:『鑓の権三』も映画版があるらしいが、制作年代が遅くて好みの範疇から外れるのと、監督の篠田正浩が苦手なため、どうしたもんか思案中。