TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

麻雀漫画と昭和の日本映画と文楽(人形浄瑠璃)について書くブログ

文楽 文楽って?! What's BUNRAKU?!『伊達娘恋緋鹿子』火の見櫓の段 狛江エコルマホール

地方巡業シーズンということで、ぴあに出ていた謎の単発公演を取ってみた。

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見終わってから気づいたのだが(遅い)、これ、一般公演じゃなくて、レクチャーだった。解説70分上演15分くらい。それなら上演見た方が早いので、45分解説して45分普通に上演してくれと思ってしまうが、チケット代が2,500円と異様に安かったから文句は言えない。

 

その肝心のレクチャーパートの解説担当は太夫・豊竹靖太夫さん、三味線・鶴澤清𠀋さん、人形・吉田簑紫郎さん。

太夫さんからはそもそもの文楽の説明と『菅原伝授手習鑑』寺入りの段より、元気な子どもと利発な子どもの語り分け。ここで三味線弾きさん入って、品のある奥さんとおかみさんの弾き分け。三味線ソロで、天候等による弾き分け、「休みなのにやることがないわたしの気持ち」などを三味線で表現等の実演があった。人形の解説は、かしらの構造と仕掛け、人形遣い3人の動きの合わせ方、女の人形の動きの実演(鑑賞教室公演とほぼ同じ内容)、若い娘さんと年を重ねた女の動きの速さによる演じ分け。そして、人形遣い体験として会場から希望者6人を募って男の人形、女の人形の基本演技をやってみるというもの。最初に太夫さんが聞いた限りだと客のうち半分くらいは文楽を見たことがない人だったが、実演体験メンバーも体験目的でハリキって来た人と文楽たことない人が混じって混沌としており、おもしろかった。いい大人が「えー!?あれー!?!?!?」とワイワイやってるのがなんか微笑ましくて……。それを簑紫郎さんが「顔はまっすぐお客さんを向いてください!!!」「手はできればまっすぐそろえてください!!!!」「左手どこいきましたか〜〜!!!!!」と横から一生懸命なおしていた。私のまわりの席の人は技芸員さんの追っかけっぽくて、人形を動かすのは難しいことを承知しているためそのへん優しく、動かせてるだけで「すご〜い、うまいね〜^^♪」って反応だったが、人形遣いさんからするとやっぱり細かいところが気になっちゃうんですね。しきりにちょこちょこなおしてあげていた。

で、人形遣い体験があるにしてもよう70分も解説すんなと思うでしょうが、三味線弾きさんがおそろしくよく喋る人で、自分の持ち場のみならず太夫さんが解説している間も横から遮る勢いでものすっごい喋りまくっていたのです。普段お澄ましなさっているお姿しか拝見しておりませんので、この人ほんまによう喋るなと思った。客にきょういっぺんは笑って帰ってもらわにゃ芸人として恥ということなのでしょうか。

 

最後にミニ公演として、『伊達娘恋緋鹿子火の見櫓の段。お七が櫓にチョコチョコ昇っていくのを人形遣いの姿を見せずに演じるのがみどころ……で、見たことのない演目だったのでおもしろかったのだが、さっきまでやってた解説とほぼ関係ない内容で笑った。いや三味線弾きさんからは「雪が降っていてしずかな情景」の弾き方の解説があったが。しかも話の説明を事前に誰もしていないのでめちゃくちゃ唐突。別に話を説明しないとわからないような演目じゃないということだろうが、このワキの甘さがいいよね。

 

ここからは国立劇場系列館にはないサービス。火の見櫓の段が終わったあともういちど幕を上げて出演者全員で舞台挨拶と、終演後にロビーで人形のグリーティングがついていた。今回はスタッフのかたに呼び止められたので私もグリーティングが見られたが、人だかりがすごすぎて近寄れず。でも、終わって速攻人形かかえて走ってきた人形遣いさん、大変だなと思って影から手を合わせておいた。

発売からだいぶ経ってから席を取ったわりにそこそこ前方の席が取れたので不安になったのだが、お客さんは結構入っていた。725席のホール3分の2くらい埋まっていたので、客数的には国立劇場公演満席弱くらいの客数だろうか。こういう単発公演はなかなか大変な仕事だと思うが、お若い(?)みなさんでがんばっておられて、客席の雰囲気もよく、行ってよかった。