TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 天牌外伝 23巻

買ったよ買ったよ。外伝のほうの感想はかなりご無沙汰していたので、全エピソードレビューします。

    • 汗の違い…黒沢さんの偽物が現れた話。王道エピソードながら、説教は別に他人の名を騙ることを咎めるのではないという謎の展開。落ち込む隆さんがよい。
    • 問いかけ…黒沢さんが塾をさぼっている男の子と出会う話。坊やの質問「なぜ勉強しなくちゃいけないのか」への黒沢さんの回答、まさにその通りだと思う。
    • 指感…築地の寿司屋の大将の話。前々から思ってたんですけど、来賀先生って食べ物店の大行列に並べるっていうのが本当すごいと思う。ラーメンコラムとかでもX時間並んだとか書いてらっしゃいますけど、私、食べ物屋には絶対並べない性格なんで……。
    • 雀荘の主…隆さんが1週間雀荘の臨時店長になる話。黒沢さんのマネジメント力ぱねえっす。
    • 揺れない意志…大手百貨店の顧客対応室勤務の男の子の話。めっちゃ笑った。男の子がかわいすぎて。説教と男の子の仕事の悩みがどうにも関係ないけど、男の子がかわいい→かっこいいにクラスチェンジしたのでいいと思います。
    • 貫徹…昭和の匂いがする旧友と再会するも……という話。天牌外伝って女房に三行半つきつけられる人多くないですか。年代によるマナー解釈には私も関心を持っています。私は名画座が好きでよく行くのですが、時代(世代)で映画館でのマナー基準が違っているんだろうなあと思うことがあります。時代って何だよと思われるかもしれませんが、例えば、上映中の出入り・立ち歩き、私語、食事、ビニール袋などのカサカサ音。かつて、映画館が映画を鑑賞する場所というより娯楽施設で、入替制ではなく数本立て流しっぱなしだった頃はいずれも許されることだったことなんだろうと思います。しかし、今の映画館だとマナー違反ギリギリ、もしくはマナー違反です。特に今の東京のミニシアター色の強い名画座ラピュタ阿佐ヶ谷シネマヴェーラ渋谷など)はシネコンより更に映画鑑賞に特化した施設であるニュアンスが強いので、個人的にはマナーにかなり気を使っています。ただ、旧来の名画座の遺風を残すところだとマナーがかなりザックリになっているところも多いです。そういうところでも、スタッフの方々がマナー喚起を熱心にやってらっしゃる劇場もあるので、いつか時代に適応していくんだろうなと思います。色々あるけど、幅広い世代の人と一緒に映画を見られるのが名画座のよさなので、あまりカチカチせずのんびり観に行くのが一番だな〜と思っています。


そういえば、以前ツイッターにも書いたんですけど、昨年銀座シネパトスに行った時、私の隣の席の若い男性がずーーーーーっとスマホを見ていて、バックライトを常に上向けにしてつけっぱなしにしていたので、普段は温厚なことで通っている私もさすがに県警対組織暴力菅原文太ばりに「誰の許可もろて携帯見とるんじゃーーーッッッ!!!」と首根っこ引っ掴んでコンクリ壁に叩き付けそうになりました(もちろん温厚なことで通っている私なので、そんなことはいたしません)。しかも上映作がマイナーながら評価の高い、ずっと観たかった作品だったのでなおさらです。かなりイライラしたまま最後まで観てたんですが、上映終了後、逆隣の超かっこいい上品そうなおじさまがその男性をロビーに連れ出して優しく注意していました。まじ天牌外伝始まったかと思いました。