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TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

麻雀漫画と昭和の日本映画と文楽(人形浄瑠璃)について書くブログ

 2011年は映画を406本観た。
 鑑賞406本のうちの99%が旧作邦画、さらにそのほとんどが60〜70年代の娯楽映画だ。昭和の銀幕の眩さを実感した年でもあった。知人がある作品を評して「観ているときは現世を忘れ、観終わったら内容をすべて忘れる」と言っていた。この言葉が娯楽映画の醍醐味を端的に表わしていると思う。平日や日曜の夜、レイトショーの上映をロビーで待っていると、この世の出来事でないような、酩酊した感覚に陥る。映画が終わった後、街のネオンが映画の中の風景に見えて(名画座は昭和の香りが残る場所にあることが多いせいかもしれないが)、かつての大衆娯楽というものにはこんなにもエネルギーがあったのかと実感させられることしきりである。

 なぜ昭和の娯楽映画を見始めたのかと言うと、昭和の麻雀漫画は娯楽映画の影響を受けていたのか? という疑問からだった。その疑問は数年前、ある方が某有名麻雀漫画に関して何の影響を受けて描かれたものかという話題の折り、「ヤクザ映画の影響じゃないですか」と仰っていたのを聞いて、「違うだろ」と思ったことから始まる。
 それは、当時、ヤクザ映画を有名作数本しか観たことがない私でもすぐわかることだった。ご本人はおそらくヤクザ映画をご覧になったことはなく、イメージで仰っていたのだろうと思う。もちろん、悪意などは一切ない発言だと承知しているが、私は検証を経ずイメージだけで判断するのはつまらないと思っている。だが、裏を返せば、有名作数本観たくらいで「違うだろ」と思っている私もつまらないのである。
 幸い私は東京在住で、在庫の多いレンタルビデオ店や特色の強いプログラムを組む名画座に通うことができる*1。それではじめは東映ヤクザ映画を観まくっていたのだが、次に日活アクション、そして大映・松竹・東宝と、あっという間に昭和の娯楽映画そのものに魅了されて手段と目的が逆転、映画を観まくって今日に至る。
 そしてあれから約1年、「昭和の麻雀漫画は娯楽映画の影響を受けていたのか?」という疑問にもある程度の答えが出た。これについてはまた日を改めて書きたいが、その前に、色々観た映画の中から印象に残ったものについて、ここに書いて行きたいと思う。
 というわけで、今日は昨年観た中で最も印象に残った作品、『男の顔は履歴書』について。

*1:本当は、ケーブルテレビに加入して東映チャンネル等を契約するのが一番てっとり早いが