TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 むすめ雀豪放浪記

横山まさみち 双葉社(1981)
全1巻

┃あらすじ
麻雀道場の師範の娘・清水三保は道場破りに来た神戸の天和竜を倒したことをきっかけに、広い世界を知りプロ雀士になる志を立て、役立たずの東八をつれて家出して修行の旅に出た。ところがどっこい、三保は麻雀はからきし下手で、バカヅキによって勝っているだけなのだ。そのバカヅキには秘密があった。三保が「ツキ」まくっているとき、東八もまた「ツキ」まくっていたのだ!! 東八がつけばつくほど三保もバカヅキ! ふたりの珍道中はどこまで続く!?




横山まさみち節、非常に頭の悪い(褒め言葉)麻雀漫画。
要は↓これ。

なまずくんはいろいろあっておれちゃったんだ。でも、おれてよかった!ってはなしだよ♪)




麻雀漫画にはたまにアゲマンというものが登場するが(ex.『勝負師の条件』の克己の嫁)、この作品はそれの逆? ヒロイン・三保の膨大なツキを支えるのは付き人の東八(表紙右から2番目のうっかり八兵衛みたいな奴)。

ツキ……勝負ごとにはつきものである。まして麻雀においてはこのツキが大きなウエイトを占める。
三保はたしかにつきまくっていた。しかしこのツキには誰も気付かないところで東八との関係があった。
三保がつきまくっているとき、東八またやりまくっていたのである。東八がやりまくれば三保がつく。
主従は不思議な絆で結ばれていたのである。
しかし当の本人たちももちろんこのことには気付いてはいなかった。


三保がカンチャンスッポリのとき東八もまたカンチャンスッポリ。佳き哉佳き哉。




……というふうに設定はおそろしく頭が悪いが、この作品は非常に麻雀漫画麻雀漫画している。

それが顕著に現れる特殊ルールとして、「七七一発(チチイッパツ)」がある。

七七一発(チチイッパツ)
スケスケシュミーズのおなごがメンバーを務めるギャル雀「七七一発(チチイッパツ)」で通用するローカルルール。
面前でが含まれている手でロン和了したときに発生するご祝儀。直撃したおなごを好きにできる。
例: ロン
ただし、おなごにチチイッパツで振り込んだ際はチップをぎょおさん払わなならん。まあ3万円ってとこやな。

それではチチイッパツルールで「何を切る?」。
  ツモ
ここはチチイッパツの警戒をされやすいマンズ待ちを避けるためが正着。また、チチイッパツで多面張でのテンパイにすると狙ってる子以外から出て見逃しした際同順フリテンになりやすいので注意。同じ理由からリーチはかけない。役牌のみになろうが、千点十万だろうが、関係ねぇンだ、そんなもんは。これがオレの麻雀。