TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

麻雀本ポンチークラシコ!

これがオレの麻雀

阿佐田哲也没後20年*1を記念して?刊行されていた小学館文庫の「阿佐田哲也コレクション」全7巻が完結。

1 『天和をつくれ』
2 『ばいにんぶるーす』
3 『ヤバ市ヤバ町雀鬼伝 三〇〇分一本勝負』
4 『ヤバ市ヤバ町雀鬼伝 ゴールドラッシュ』
5 『先天性極楽伝』
6 『雀師流転』
7 『麻雀名人戦自戦記 これがオレの麻雀』

最近発見された未単行本化作品の初収録をはじめ、有名作品を除外しマイナー作品ばかりを揃えたウルトラニッチなラインナップ。特に最後の1冊はすでに絶版となっている公式戦の牌譜入り実戦記の復刻とあって刊行発表当時から大きな話題を呼び、元本からどれだけ再録できるかに注目が集まっていた。当時は「できる限り収録」とすばらしいアバウト発表っぷりで「全部載せろ」との意見が圧倒的多数だったが、結果的には予選をカットした状態で刊行。編纂者のまえがきには「完全再録すると文庫本では上下巻組になってしまうため予選編を泣く泣くカットして512ページ676円(税別)におさめた……が……しかし……オレは……ギギギギギ………」(一部表現を誇張しております)と悔しそうなコメントが書かれていた。
しかし京極夏彦の文庫版などは製本技術の限界に挑戦するような馬鹿厚さを誇っているわけで、厚さに遠慮などすることはない。価格面に関してはもとよりこんな28年も昔*2の牌譜が延々載っている本を大喜びで買うのは一部好事家しかいないわけで、一部好事家は腎臓を売ってでも金を揃えて買いにくる。意外と臆病だな……小学館……。

*1:講談社文芸文庫も「20年目の精読」という帯をつけて色川武大『生家へ』『狂人日記』をプッシュしている。新刊かと思って間違えて買ってしまった。持ってるのに。

*2:ルールは当時にしてもクラシックめのルールで、点数の数え方も今と違う。