TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 原先生、鷲巣様を描くでござるの巻

6月9日発売の近代麻雀オリジナルに『アカギ』の番外編が掲載されることは知っており、「は 左様で……」とスルーしていたのですが、その「ワシズ-閻魔の闘牌-」の作画がなんとマイラブ原恵一郎先生だそうです。
万国びっくりショーたい。
狂気の闘牌というか悪魔合体というか混ぜるな危険というかというか、最新号のキンマの広告のアオリ「貴様ら、凡庸じゃッ!」という言葉の重みを実感する、そんな初夏の訪れで御座います。

原先生はイカス発狂ジジイを描かせたら右に出る者はおろか左に出る者もいないと思っています。あと、原作があるにも関わらず(『凌ぎの哲』麻雀放浪記、『次郎長放浪記』次郎長放浪記)アサッテの方向へ逆噴射するようなオリジナルストーリーの展開がおもしろいと思いますので、あまりアカギのことは気にせず大爆発してくれると、とても嬉しいです。福本先生もそのほうが喜ぶと思います。知らんけど。今、近代麻雀誌上の広告に掲載されているカットですらすでに何とも言えない味を感じるであります。





せっかくなので、今夜は前祝いに原先生の描くイカス発狂ジジイ特集をします。『ワシズ-閻魔の闘牌-』を機会に原先生が大人気に→闇に葬られていた未単行本化ものが単行本化……になることを切に願っております。



┃和尚(凌ぎの哲)

権々会が行われた大恩寺の住職。権々会と称して博打大会を開き、飛んだ参加者を鐘楼の鐘に縛り付けてブチュッとしてみたり、弟子を全裸にして縄で縛って天井から吊るす等、まわりドン引きのなかスーパーやりたい放題。笑顔がステキ。


┃大九郎(凌ぎの哲)

博打列車に乗っていた、大道芸イカサマをぶちかましてくるバイニン。ヘアスタイルは大五郎系。戦後なにか達観したらしく、「だから私は神になった」と発言*1。含み釘(針にあらず)を吐く、腹のなかに牌を仕込んでいるなど、アクロバチック。


┃久保田の久六(次郎長放浪記)

はじめはご隠居さんたちがお小遣いを賭けて花札で遊んでいた程度なのに、それがエスカレートして今や負けのカタは体で払う式の、どこへ出しても恥ずかしくないコロシアムになった柘榴殿の主。それだけならまだしも地下に生きた人間がコマになる等身大すごろく場(ジュマンジというかなんというか……)を作るなど、やってることがシュヴァルの理想宮


┃関東丑吾郎(次郎長放浪記)

デコのサイコロタトゥーがチャームポイントの伝説の博打打ち。主食はサイコロ。マーブルチョコ一気食いのようにたいらげる。そしてその(?)サイコロをどこからともなく取り出す。その散り際、天晴なり。


ていうか、並べてみると全部顔が同じですね。
捨てがたきオヤジたち(初代飛び甚、李さんなど)、捨てがたきイケメン(達磨ハン、ドサ健など)特集などもしたいのですが、それをやると原先生のオールキャラを紹介することになるので、また後日ということに。私は原先生キャラのなかでは達磨ハンが一番好きです。

*1:原センセイの得意技、前後がつながってない台詞。ほかに、『悪党パンチ』の「次の日から俺の興味は甲殻類に移った」等。