TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 任侠沈没

別冊漫画ゴラクで連載していた山口正人『任侠沈没』全3巻を購入しました。
任侠沈没 (1) (ニチブンコミックス)



ストーリーを簡単に説明すると、大災害映画と極道映画が悪魔合体したような内容です。

信頼していた組長(と書いてオヤジと読む)に妻子を殺された極道・大紋寺龍伍は復讐のため東京に向かった組長を追うのだが、彼が三島(静岡)あたりに到達したとき、突如未曾有の大地震が発生し、日本は壊滅状態となる。大混乱の中、龍伍は組長を殺れるのか……!?

……意味不明ですが本当にそうとしか言えません。連載当時も少し感想を書いていましたが、単行本化により、やっとまとめて読むことができました。おもしろかったです。
┃過去記事 任侠沈没感想
※タイトルをずっと「仁侠」沈没と間違えて書いていました。すいません。

しょっぱなからぶちかまされた強烈なギャグ「おお、兄貴が燃えている!」「いや、(本物の)火柱だぁ〜!」から宇宙へ旅立っちゃった後悔「大紋寺龍伍…一生の不覚…!」までカッ飛びまくっていた連載をあますところなく収録したうえ、大幅な単行本追加書き下ろしまで収録。このいっちゃってるノリは『凌ぎの哲』ぶりです。『凌ぎの哲』の最後のほうで、飛び甚(パパ)がラーメンが大人気の雀荘やってるエピソード……見開きで客が雀卓でラーメン喰ってるやつ……もうお前、雀荘はいいからラーメン屋やろうぜ……みたいな……。あのノリが延々3巻分にも渡って続くと思ってください。個人的お気に入りエピソードは風野又三郎の妄想した「超エロい女」です。
近代麻雀系統でも『武闘派雀士ナギサ』みたいな極道ギャグ漫画がたまに載っていますが、山口正人さんには今後も頑張って頂きたいと、そういう思いでございます。漫画業界のポンカス扱いされたとしても、私は応援します。ポンカスだと思って切ったら国士に刺さったことがあります。

ところで、この手(?)の漢らしい漫画を描くにはやはり圧倒的な絵の巧さが必要ですね。山口正人さんも原恵一郎先生も山口貴由さんも平松伸二先生も。ご本人にギャグのつもりがあるかどうかは別として。


熱川バナナワニ園に行きたいです。あと恋人岬。でも、ワニを喰う人や暴走賊は結構です。



おまけ
なめくじ長屋
ファンサイト。詳しい内容解説はここで。各話解説や用語辞典つき。ノリが平野耕太