TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 澁澤龍彦の古寺巡礼

メジャーどころで最近行ったところ

帝釈天でおみくじを引いたら「凶」だった。


ところで、今日は『澁澤龍彦の古寺巡礼』という本を買った。澁澤龍彦の古寺巡礼 (コロナ・ブックス)
土門拳でもなく五木寛之でもなく和辻哲郎でもなく澁澤龍彦が、である。澁澤がお気に入りだったとか行ったことがあるだとかを掲載基準にしているらしく、掲載している神社仏閣に脈絡がない。しかし、いずれも雰囲気のよさそうな寺院ばかりである(すんごい山ン中にあるとも言う)。そんなわけで、全体的にシブめ。

私はいままでは仏像だとか建築だとか庭園だとかいった、「見るもの」を先に決めてから行きたいお寺を選ぶという方法で神社仏閣に行っていた。しかし、最近はただ単純に、周囲の環境や雰囲気がいいだとか庶民の信仰の場であるとか、お寺参りという行為自体を楽しむことができるようになってきた気がする。というわけで、観光ガイドとしては正直役に立たないこの本は、なんとなく「古寺巡礼」という言葉に溺れて寺巡りなどいたしたい私にはうってつけだった。
仏像や建築、庭園の鑑賞もいいのだが、やっぱりお寺ではゆっくりと時間を過ごしたい。そんなにたくさん回ってるわけじゃないけど、いままでで行ったお寺で居心地がよかったところといえば京都の東福寺。大きい寺院だし、方丈庭園は重森三玲の作庭でエキセントリックで落ち着けないように思われるが、その縁側にペタッと座っていると、庭園しか視界に入らないので意外と落ち着ける。時期・時間を外せば参拝客も少ないので、うっかり寝そうになる。


さて、京都は今となってはそうそう行けたもんではないので、先日行った鎌倉での話。妙法寺というお寺に行ったのだが、ガイドブック等には載っているものの、鶴岡八幡宮や大仏といったメジャーな観光地ではないので、参拝客もあまりおらず、ひっそりとしたお寺だった。国宝や重文クラスのものはないが(あったらすみません)、奥の高台にある大塔宮護良親王墓所から見える相模湾の光景はとてもすばらしかった。また、鎌倉駅からこのお寺まで行く道ものどかでなかなか素敵だった(道に迷ったもので…)。
ちなみにこのお寺がたくさんの写真付きで紹介されている『鎌倉 小さくて豊かな町を歩く』という本には「澁澤龍彦の散歩みち」という特集が組まれており、澁澤の愛した鎌倉の名刹が紹介されている。


ところで、『澁澤龍彦の古寺巡礼』にも「澁澤龍彦の散歩みち」にも、澁澤が観光や散歩でその寺を訪れたときに撮ったプライベートの記念写真が掲載されているのだが、ポーズがもれなくキマっており、かっこいいこと限り無い。ていうかなぜこの人は旅先でもキマったスーツ姿なのだろうか?*1

とりあえず今行きたいのは湖北(滋賀県)と九州かねー。都もまわってないうちから生意気なこと言うけど、やっぱり地方は味があります。

*1:もちろん昔は旅行といえば今のようにラフな格好で行くのではなく、ある程度キッチリした格好で行くものであったということは想像に難くないのだが、しかし、澁澤先生はキマりすぎでヤンスよ〜というくらいかっこよくキマッたスーツをお召しになっている。スーツ萌えの方は必見。