TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 弘明寺に幾度かの春夏秋冬が過ぎていった

弘明寺に行ってきました。
弘明寺(ぐみょうじ)といえば、来賀友志+嶺岸信明の麻雀漫画『あぶれもん』の舞台。日本最高レベルの麻雀荘「かり田」と「善元」があったところです。


弘明寺に着いたころには既に夜、18時半を過ぎた頃。横浜から京急で20分ほどです。京急弘明寺駅を出て横浜市営地下鉄弘明寺駅に至るまでの道中に『あぶれもん』に登場する場所を何か所か見る事ができます。それでは今夜は『あぶれもん』を片手に弘明寺を少し散策してみることにしましょう。



弘明寺
  
京急弘明寺から坂を下っていったところにあるお寺。「弘明寺観音」と書かれた堤灯の下がった山門をくぐり、急な石段を上った先に本堂があります。十一面観音が祀られているはずですが、行った時間が遅過ぎて残念ながら十一面観音は拝観できず。嶺岸先生の絵で見るとちょっと鉈彫りっぽくて、どういうものなのか少し気になってたんですけどね。今は花祭りの会期中らしく、境内がライトアップされていました。ここで土砂降りの雨の中、あの最終戦が行われたのですね。行ったときは丁度小雨が降りはじめていたので、実に感慨深…って、境内、実際は幼稚園の庭ほどの広さしかないのであんな大会は開催できねーだろと思います。行った時間が遅くほかに参拝客がいなかったので、静かにゆっくりできました。古い鐘楼もよいかんじです。



┃かんのん通り・弘明寺商店街
弘明寺観音から鎌倉街道のほうへ向かって伸びる商店街。ここのどこかに啓一くんのご実家の八百屋が…って、この商店街にはフルーツ屋はあっても八百屋はありませんでした。でも鍛冶屋はありました。『あぶれもん』の時代にかかっていたアーケードは改修され、今は新しくて綺麗な商店街になっています。



┃観音橋と大岡川
 
啓一くんがたびたび青春したり最終戦の賭博券が売られていたり、その他諸々何度か登場した大岡川にかかる橋。商店街の途中にあります。川の両側に植えられた桜が綺麗でした。今は新しいアーケードがかかっていて、『あぶれもん』に登場しているようなレトロな雰囲気ではないのですが、人がたくさんいてにぎやかな場所でした。しかし、『あぶれもん』の登場人物はこの川の土手の草をかじったり、この川で溺れて?死んだりしていたのですね。



┃そして「かり田」と「善元」
で、そんなこんなでメイン舞台となったような雀荘はあったのかというと、商店街にはなかったです。地下鉄弘明寺から少し離れた、住所が弘明寺でなくなるところまで行ったところにあるのみ。ネットで簡単に調べてみると、昔は弘明寺に某大学某学部のキャンパスがあり、食堂や雀荘も多々あったようなのですが、その大学がキャンパスを移転した後はそのような学生相手の店は減ってしまった…とのこと。しかし「川向こうの雀荘」って、どっちがどっち??



というわけでここで地下鉄弘明寺駅に到着。
弘明寺散策は終了です。ゆっくりプラプラしながら歩いて1時間程度だったかな。
弘明寺は『あぶれもん』で見ると相当やさぐれた街に見えますが、実際はとても雰囲気のよい街でした。商店街の雰囲気はいいし、家賃も安いし、住むにはとてもよさそうです。そりゃ啓一くんもあんなふうに純粋な子に育つってもんだわ(健三さんのおかげでやさぐれましたが)。私は特にお寺が気に入りました。都市もしくは郊外の寺院らしい雰囲気がよいです。住民に親しまれているような、地域に馴染んだ雰囲気がステキです。
次に弘明寺に行く機会があったら、必ず『あぶれもん』を持って*1健三さんを探しに行こうと(啓一くんは?→)、観音橋の上で健三さんが現れるのを待っていようと(啓一くんが先にいたら川に突き落とします)、そういう思いでございます。



ところでさっき『あぶれもん』を片手に、と書いたのですが、実は横浜に行ったついでにきまぐれで立ち寄っただけなので『あぶれもん』は持って行っていません。ていうか私の『あぶれもん』は只今人様のお宅に出張中でございます。返ってきたあかつきには『あぶれもん』の画像も添えて記事を再編集したいものです。もっと写真を撮ってこればよかったな。一眼レフで撮った写真を現像しないと。


弘明寺 Gumyoji
真言宗 瑞応山蓮華院
本尊:木造十一面観音立像(重文) 調べてみたら、やはり鉈彫りだった。平安時代の作品。
交通:京急弘明寺駅から徒歩5分強くらい?横浜市営地下鉄弘明寺駅からだと15分弱。

*1:ネットで検索したときに、かなり過去のものですが「弘明寺の某ラーメン店には弘明寺を舞台にした麻雀漫画が置いてあって、それがとてもおもしろかった」という旨の記事を見つけることができました。いい話だわ〜。