TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 ALL LAST 平成雀ゴロデスマッチ闘牌録

浜田正則+地引かずや 日本文芸社

 
┃あらすじ
往年の雀ゴロ・江渡辰巳(54歳)と彼の弟子・鎧敬一(31歳)。ふたりは麻雀に対する考え方の違いから次第に距離をおきはじめ、敬一は新たな師を得て江渡に挑戦することとなる。

はじめはあまりおもしろくないと思って読んでいたが、師弟の心の距離が決定的に離れてゆくあたりから加速度的に面白くなっていった。江渡は細く長く客を食って行くことを考えているが、敬一は勝負として麻雀がやりたい。普通は敬一のほうがカッコイイという解釈になってしまいそうだが、敬一だけに視点が片寄っていないのがとてもいい。旦那衆を真綿で絞め殺すように食っている江渡も大人でかっこいいと思う。こういうのはベタな展開なのかも知れないが、ジェネレーションギャップがおもしろい。あと、江渡のお客さん・ミネソタさんがおもしろい。ミネソタってアアタ。名前は忘れてしまったが、敬一の新たなる師もかっこいい。