11月号を飛ばして12月号です。今回は天牌編。天牌の中で流行しているファッションについて考えてみましょう。
0.基本編
子曰く、麻雀とはセクシーなスポーツであり、ギャンブラーは危険な職業であり、是即ち麻雀打ちはセクシーで危険な男であると。
これは麻雀漫画業界の通説でごさいます*1。
それでは今日は業界イチのセクシーで危険な麻雀漫画、『天牌』のファッション研究をお送りいたします。
この漫画では、背筋を伸ばしてまっすぐ立つことがポイントとなっております。荒木飛呂彦のようにニョロリと立ってはいけません。目指すのは日本画的なかっこよさです。仏像を見て、立ち姿だけでセクシーであるとはどういうことなのかを研究しましょう。手はポケットに入れましょう。上着のポケットではなくパンツのポケットです。小銭は入れてはいけません。
上目遣いであることも忘れてはなりません。しかしこの漫画の登場人物は概して高身長であるため、誰に向かってそんな視線を送っているのかはよくわかりません。
また、髪は黒髪がよいでしょう。この漫画では髪を染めていて麻雀がデキる男はいません（多分）。
1.若者編
この漫画では平均年令が高いため、メインで出てくる若者は僅か4人です。残念ながら誰一人としてナウでヤングな格好をしていません。
北岡ちゃんは一番若く、そして一番のオシャレッコですが実際のところああいうピアスでグラサンという若者はそうそういないと思います。服装はパーカにスタジャンにスリムパンツと、シンプルで可愛い（当社比）感じで、お尻が小さく見えます。
遼チャンは沢田健二とか達磨ハンという言葉しか思いつけませんが、垂れた前髪と天照先輩*2みたいなスーツがとても似合っています。似合っていれば世間様での流行り廃りは関係ありません。
よっちん、瞬ちゃんはシンプルな服装です。よっちんは裕福そうに見えますが、いつも黒のハイネックというシンプルな服装です。しかし黒のハイネックというのはかなりレベルの高い服装なので、相当のイケメンでないとあの格好は無理でしょう。瞬ちゃんのジャンパーの着こなし方には定評があります。
2.アデオス編
登場人物の中で一番層が厚いのが30〜50歳くらいのアデオス。ある程度きちんとした格好でなくてはいけない商売の人が多いので、スーツの人も多いです。アデオスファッションを大きく分けると、
A.はえぎわ系スーツ、B.細身スーツ、C.その他、普通の格好
の3グループに分けることができます。Aは津神さんや入星さん、Bは三國さんや中釜さん、Cは黒沢さんや星野さんというように分類します。
A.はえぎわ系スーツは「額が後退すればするほど麻雀は強くなる」、そんな絶倫系のお兄さまにぴったりの服装です。この服装にはまずガッチリした体型が不可欠です。LEONやUOMOが目指す境地もここにありといった感じです。常時オールバックははえぎわ維持にはかなりの危険牌勝負となりますが、この漫画で麻雀がヤバいくらい強い登場人物は生え際も同じくらいヤバいので安心して下さい*3。失うものが大きければ大きいほど麻雀は強くなるのです。
B.細身スーツは、年甲斐もなくモッズスーツ並にかなり細身のスーツを着こなせるスリムな方にお勧めです。着崩さす、清潔感をもって綺麗に着こなせば、部下の若者にもモテモテです。スーツの色は黒がお勧めです。髪型にもさりげないオシャレさや清潔感が出るよう気を使いましょう。
C.その他、普通の格好は、私服で結構です。黒沢さんの帽子、星野さんの丈短めジャケット+レース柄シャツのように、強烈なインパクトを与えるアイテムを使うことがポイントです。なんとなく生えているヒゲもおしゃれです。
3.脇役編
背景にいる人たちの服装も見てみましょう。
この漫画の中では柄シャツが流行しています。変な花柄がメインですが、特に興味深いテキスタイルは「ぽぽんた柄」です。名前は私がつけました。たんぽぽの綿毛のような柄のことです。『天牌』だけでなく、他の麻雀漫画のキャラクターも着ていることがあるので（ex『凌ぎの哲』の飛び甚）、麻雀漫画界ではやっている柄とも言えます。また、奥寺さんの千鳥格子柄はかなりオシャレです。
スーツ系ファッションでネクタイをする人はネクタイの柄を慎重に選びましょう。シャツが柄ものでもネクタイも柄ものにするのが天牌クオリティです。盛岡さんの悪趣味な薔薇柄をセレクトするのも天牌ならではと言えましょう。
スーツ系ファッションで開襟シャツの人が忘れてはいけないのは金ネックレス。鎖骨よりちょっと下にいくくらいの長さがよいでしょう。遼チャンのように42万円もするものでなくとも構いません。
また、この漫画でシャツ・スーツ系以外のカットソー系の服を着ている人の間では、こっ恥ずかしいくらいにピタピタの服が流行しています。ボデコンです。
4.まとめ
