TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 まあじゃんほうろうき

西原理恵子 竹書房
近代麻雀系列誌 1989.2〜1994.6連載


┃あらすじ ……というか概要
西原理恵子による実録漫画。麻雀初心者で素人のサイバラが銀玉親方や小島プロらの著名なプロ、博●堂の宮ちゃんなどのアマチュア強豪にむしられたり煮え湯を飲まされたりする高レート裏麻雀列伝的ドキュメント。サイバラの負け金ははじめは車が買える程度でしたが、やがて家が一軒建つくらいになってしまう。


この漫画から学べることは、「高いレートで麻雀をやってはいけない」ということです。
私自身も周囲の者に「知らない人と麻雀をしてはいけません」「雀荘に行ってはいけません」と厳しく言われております。しかし注意されるまでもなく私はそのようなことはいたしません。私にとっては一緒に遊んでくれる人たちと楽しく過ごせることが肝要なのです。小銭を賭けるから博打なんじゃ。大金を賭ける場合は勝負と言う。って意味じゃないよ!


…とまあ前半はそういう感じですが、最後のほうになるとかなり切ない著者の思い出話が語られます。第4巻11話にあたる話がそれです。麻雀と一切関係ない話ですが、全編通して私はこの回が一番印象的でした。この話ほど強く全面には出ていませんが、全編通して、作者の、周囲の人々に対する優しい視線がよかったです。辛辣な言葉が書かれていても、愛を感じます。

これを読んだとき、ゼミの前に図書館*1みうらじゅんの『マリッジ』を読んで泣いたことを思い出しました。そんなことをはっきりと口に出して言わないでほしい、と皆が思うことを、素直に優しく描くことができる人は本当にすごい。
片山まさゆきもまた、おどけているからはっきりとわからないだけで、それができる人なんだと思います。

*1:学校の施設、美術資料図書館。美術・建築・文化に関する本を鬼のように所蔵しているが、開架はほんのわずかでほとんど閉架図書館状態。