弟を救出せんがため乗り込んだ流刑地・獄衍島で、謎のバテレン・クーマン神父に捕らえられた政。政は弟の解放を賭け、クーマン神父とのブラックジャック勝負に挑む。しかし、どう考えても次の札がわかるとしか思えないクーマン神父の圧倒的な引きの前に破れ去る政。そして3か月後…、獄衍島には次郎長と石松の姿があった。島の長老(?)から語られる、クーマン神父の真実とは…?
ついに始まったクーマン神父とのトランプ勝負。2か月前は「すとれーとふらっしゅ」とか言ってポーカーしていたのに、今回おっ始めたのはブラックジャックでした。確かに原作『次郎長放浪記』に「金吾」をやっているシーンもあるので、うっすらと原作を踏まえているようないないような展開です。それにしてもかなり漫画らしい展開。原先生は浦沢直樹になれるのか。次郎長とクーマン神父、或いは居合い使いのイケメンとの勝負の行方が楽しみです。
┃金吾
花札を用いたブラックジャックのようなゲーム。この遊びは、まず各自同額の掛け金を積み、親が2枚の札を配る。子は、2枚のうちどちらか任意の札を選び(2枚とも捨ててしまうこともできるが、その場合は掛け金没収)、その1枚を軸にして、月数の合計が15になるまで何枚でも引くことができる。15を突破してしまうと「バレた」といってアウト。きっちり15でまとめるとその場の掛け金をすべて自分のものにできる。11から14までなら、そこでやめて、誰も15にならなかった場合の数勝負に持ち込むために待機することもできる。以上、阿佐田哲也『次郎長放浪記』より。