TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

麻雀漫画と昭和の日本映画と文楽(人形浄瑠璃)について書くブログ

 第7夜 闘牌伝アカギ

第7夜の今夜は、1995年に制作された『アカギ』のVシネ第1弾です。『闘牌伝アカギ』では、原作でいうと1〜2巻の矢木戦のエピソードが映像化されています。
このVシネは、主演・柏原崇、エグゼクティブプロデューサー・飯田譲治 他、なかなか豪華なキャスト&スタッフで制作されています。今回は今春リリースされたDVD版で鑑賞しました。


このVシネ、かなり出来がよいです。
まず、原作をそのまま映像化するのは無理!とスパッと諦めて、「アカギは白髪」設定を完全無視しているところが実にすばらしい。そうだよね、無理にあの設定を活かそうとすると中条きよしになっちゃうもんね。しかし、「アカギは美少年」という最重要設定はばっちり押さえています。少年っぽい面影のある鋭い美形の柏原崇はナイスキャスティング。殆ど台詞がありませんが、そのかわり、視線や睫毛をしぱ…しぱ…させることで演技しています。なかなかおもしろい演出。
内容は、大筋は原作そのままに、少年課の刑事である安岡は以前からアカギを追っていたというオリジナル設定や、原作では本来市川戦で展開されるロシアンルーレットを盛り込むなどして再構成されています。
あくまで『アカギ』を映像化することに主眼を置いているらしく、麻雀のシーンをあまり強調しすぎていないのもよかったです。アガリ役も目に見えてわかりやすい役が多いですし、最後アカギが裸単騎を偽装してのタンヤオドラ2であがるときも、あらかじめ「4000点弱の差だから、メンタンピンでOK/ドラが頭ならタンヤオでも逆転」とはっきり言っているももよかったです。
普通に見る分に、一番おもしろい麻雀Vシネです。おすすめ。



┃以下は断片的感想。

  • そもそも映像がちゃんとしている。
  • 南郷さん役(尾藤イサオ)が本当にダメ人間そうで実によかった。
  • 矢木さん役の役者さん(松重豊)がそのまんま矢木さんで笑えた。まさに矢木さんそのものだ。
  • 安岡さんは原作とキャラが違う。原作のようなドタバタおとうさん属性がなく、ちゃんと不良刑事している。
  • なんか舞台俳優っぽい演技の人がいるなと思っていたら、矢木役や竜崎の子分役の人は舞台俳優らしい。
  • そのほか、チョイ役にもちゃんと個性が与えられているので、さりげないシーンでも見ごたえがある。ほかにもセットや背景が凝っていて、画面を見ているだけでもなかなかおもしろい。衣装もおもしろい。
  • アカギが津久根卵太プロ*1がごとく「ロン…」とか「ツモ…」というのがおもしろい。気配がまったくない。アカギのおぼつかない手付きもナイス。
  • そのアカギを両サイドから安岡さん(寺田農)と南郷さんが覗きこんでいる構図がかなり笑える。
  • 矢木さんがアカギに国士振って雀卓に突っ伏すのはもっと笑える。

今夜はおまけとして、DVD版の映像特典に収録されている柏原崇(アカギ役)と飯田譲治(エグゼクティブプロデューサー)の対談の要旨を簡単にまとめてみました。この対談は2005年に収録されたものなので、本編が制作された1995年から10年後ということになります。

  • 今の柏原崇(28歳?)、まじイケメンになっている。天牌も、柏原崇が遼チャン役ならよかったのに…。
  • 飯田譲治は麻雀ムービーを撮りたくて、なにかおもしろい麻雀漫画はないものかと近代麻雀を読んでいたそうだ。アカギはずっと好きだったらしい。最強位*2で優勝したのをきっかけに撮る運びになったらしい。
  • はじめは萩原聖人を主演しようと考えていたが、似合わないと考え、当時新人だった柏原崇を起用した。別に萩原に断られたわけじゃないらしい。
  • 監督は「アカギは目が命だから!」と、アカギの目の演技に命をかけていたらしい。
  • 柏原崇はもともと麻雀ができたという話は聞いた事があったが、この対談によると、中学生の頃から家族麻雀をしていたそうだ。しかし撮影のときは、麻雀初心者のアカギを演じるため、おぼつかない手付きにしなくてはならなかった。わざと牌をヘタに扱うのは大変だったらしい。
  • しかし倒牌は綺麗に倒さなくてはいけなかったらしい。うまく一気に倒れないので、最終的には牌の底にテープを貼ったそうだ。
  • 飯田「アカギってまだ連載やってるの知ってる?」柏原「エッ!?」……柏原はアカギがまだ続いていることを知らないらしい。幸せ者だな…。飯田譲治が鷲巣麻雀の説明をしてあげていた。
  • 飯田「(アカギって)ガンダムに似てるよね」柏原「わけわかんない」…柏原いいこと言った!


ところで、「アカギ」の発音って、「→→→」という「渋谷」と同じ発音で、アクセントなしじゃないんですか??
この対談の中では、飯田・柏原ともにアクセントをつけて「↑↓→」という「プリン」と同じような発音をしているのですが、それがなんだか不思議に感じました。私は、普通に「赤木さん」という苗字の人を呼ぶときと同じ、「渋谷」発音だと思っていました。福本先生もインタビュー等で「→→→」で発音していたし、アニメの作中でもアカギは「→→→」で呼ばれていたと思うのですが…。
以前にも「アカギ」を「プリン」発音をする方に出会ったことはあるので、もしかしたら「プリン」発音もメジャーな発音なのでしょうか。
しかし私は断固「渋谷」派だッ!

*1:ミリオンシャンテンさだめだ!に登場。「無気配」がキャッチコピー。生きているのかそうでないのか。

*2:竹書房主催の最強位戦。飯田譲治は第6回で優勝。