TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 第3夜 哭きの竜

第3夜の今夜は、『哭きの竜』を原作に1995年に制作された麻雀シネマの第1作目『哭きの竜』です(そのまんま)。

内容は、原作にはないオリジナルストーリー。原作の後日談。死んだはずの竜が生きている…って、まんま『哭きの竜・外伝』と申しますか『覇王』と申しますかなストーリー。死んだはずの竜が雀荘に現われたことにより、かつて彼を巡って争っていた極道たちの抗争が、一層苛烈になってゆく…という話。

  • えっ 麻雀は?
  • どちらかというと仁侠映画
  • ヤクザ系キャラのキャスティングがかなりよい。石橋にやたら似ている人や、能條漫画にいかにも登場しそうなヤクザ顔の役者がわらわら出てくる。竜はちょっと童顔すぎ&痩せ過ぎではないのか。そしてリビングデッドぽくない。
  • 「わしのもんになれー!」
  • 昔の鈴木清順の映画を見ているような感覚。何度も繰り返されるデジャヴュのような映像など、詩的な表現が多い。雰囲気は能條能條している。
  • てか蒲田行進曲
  • 新宿ではなく茅場町が舞台。雀荘「平和」がオシャレ。
  • ところどころ不安になる箇所のある闘牌シーン。あンた、いま、どこから嶺上牌持ってきた?
  • 最後の麻雀が哭きの竜っぽくてよい。
  • というか主人公は竜というより甲斐正三。


麻雀のシーンはほとんどなし。竜がカン・カン・カン・チャンカンしたりと、竜っぽい闘牌はしていますが、原作同様麻雀自体をどうこうしようとする映画ではないため、雰囲気造りの小道具のようになっています。『哭きの竜』の雰囲気というか、能條純一の漫画の雰囲気が好きな人にはアリの映画です。ただし原作を読んでいないと意味はまったくわからないと思います。麻雀シネマと思って観ると痛い目に合います。


それにつけても、鈴木清順が『哭きの竜』を撮ればいいのにな、と思います。