TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 ぶつゾーン

上野の東京国立博物館で開催されている特別展「仏像展」に行って参りました。
しかも、混雑を避けるため、普段より早く起きて開館時間(9時30分)前に行き、開館待ちの中高年の方々の列に並んでしまいました…。うーん、ハリキリすぎた。


「仏像展」は、主に一木彫の木像で、ややマイナー気味のものをセレクトするというマニアックな展示となっておりました。仏像は美術品としての価値より文化を伝えるものとしての価値が高いものであり、本来はお寺で拝観すべきものなので、博物館で展示するという形態には正直ナメてかかっていたのですが、なかなかよかったです。特に、11/5まで展示されている京都・宝菩提院願徳寺蔵「菩薩半跏像(伝如意輪観音)」はとても美しかった。優美な肢体とそれを活かしたしなやかなポーズがすばらしい作品でした。11/7から展示される滋賀・向源寺蔵「十一面観音菩薩立像」も勿論観に行きます。…滋賀の向源寺は行ったことある気がしますが…。この展示、前期後期と2回行くと計3000円も入場料払う羽目になるんですよね…。展示会期がはじまるまでは、前後券が2200円で売っていたらしいので買えばよかったと後悔しています。
この展覧会の私的ベストな見方は、「よさそうな仏像をここでチェックしておいて、あとで実際に寺に行って見る」だと思います。やはり仏像は本来置かれている場所で見た方がいいです。
仏像というと、どうしても広隆寺の「弥勒菩薩半跏思惟像」などの優美なものが有名で(実際私も優美なのが好きです)、かつ国宝や重要文化財といった後付けの価値に惑わされそうになりますが、マイナーな地方仏もなかなかナイスなものが沢山あります。特に九州が気になります。国東・熊野磨崖仏や馬城・真木の大堂の大威徳明王など、都の仏像にはない味と魅力を持った仏像が多数あります。いつか九州仏像巡りツアーに行きたいです。


さて、今思い出したんですが、よっちん(@天牌)が背中に彫ったのは不動明王ですかね。不動明王は天地眼(右目を見開き左目は伏せている)をしている姿で表されることが多い*1ので、よっちんのあの不動明王を見るたび、なんとなく王ロバ*2を思い出します。

*1:鎌倉期以降。10世紀以前は両目見開き・牙下向きが主流でしたが、鎌倉期以降は天地目・牙上向きの作例が多いです。もちろん、依頼者や作者の意向、目的によってそうなっていない作例も存在します。

*2:昔ジャンプに連載していたなにわ小吉『王様はロバ』という漫画で、桜の刺青を彫ってくれと彫師に頼んだらウッカリ梅を彫られたというギャグがあったのです。桜と梅を間違われたって話だったと思うけど、なにぶんもう10年近く前のことなので記憶が薄いです。間違ってたらごめんなさい。