TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

文楽(人形浄瑠璃)と昭和の日本映画と麻雀漫画について書くブログ

 走れ!シベリア超特急!

昨夜、『シベリア超特急』オールナイト上映に行って参りました。
シベ超フェスタ2006〜シベ超見ずして夏は終わらない〜』@池袋・文芸坐
22時〜翌朝6時という8時間の拘束時間のうち、3時間くらいはトークショーだったのですが、そのトークショーには水野晴郎先生も降臨!我は世界をカオスに導く者なり… 状態のまったく話がまとまらない事態に陥っていましたが、水野先生はとってもかわいいおじいちゃまでした。ちょっとアレですが。頭が。

シベリア超特急
閉鎖された列車内で起こる殺人・失踪事件…と、おもしろくなりそうな要素はてんこもりなのに、ねえ、どうしてこうなっちゃったの?

シベリア超特急2
鉄道の線路が爆破され、その修理待ちの為に泊まったホテルで起こる一夜の物語。話がちゃんとなんとかまとまっているので、おもしろい。でも、なにか異形の香りが…、ねえ、どうしてこうなっちゃったの?

しかし、シベ超はあれですね…、天然は恐ろしいと申しますか、原恵一郎先生とか福本先生とか風の三日月とかネウロとか…ああいうのに似た、「見てはならないうしろの正面」感が強烈に漂っています。ただ、原先生と福本先生はそのはみテン(はみだしテンションの略)がプラス方向にいっただけで…、つまり、「狂気の沙汰ほどおもしろい」ということですね!

さて、池袋文芸坐は毎週土曜日に、そのときのテーマに沿った映画を上映するオールナイト上映を行っています。今後の上映でメボシイのは、10月14日のヤン・シュヴァンクマイエル*1特集です。お時間のある方はぜひご一緒いたしましょう!私ははりきって行きます!(シベ超は大学の映画研究会仲間の友人が一緒に来てくれました…)

*1:ヤン・シュヴァンクマイエルとは、チェコのアートアニメーション作家で、怨嗟と情念と狂気に満ちた超力すごいクレイアニメを作っているジジイです。クレイアニメと聞いてピ●グーやウォ●ス&グル●ットを思い浮かべているようではいけません。彼の作風をわかりやすく言うと、宮●駿を1年くらい窓のないコンクリートの4畳半くらいの密室に閉じ込めて飛行機しか出てこなくていいアニメを作らせたらこうなっちゃうんじゃないかナ☆みたいな感じです。食事中、おかずにソースをかけようとして、そのキャップををあけたときに手についちゃったソースをとりあえずテーブルクロスで拭く…みたいな、生理的な気持ち悪さが炸裂している素薔薇しい作品を作りまくっています。作品のクオリティは大変高く、東欧の薄暗い情念が好きな方には超オススメです。それにしても、ヤン・シュヴァンクマイエルと言い、ユーリ・ノルシュテイン(ロシアのアートアニメーション作家)と言い、やっぱ社●主義の国は違うぜ…と思ってしまいます。お二方とも、恐いけどカワイイ…グロテスクだけど美しい…とか、そんななまやさしい領域を超越していらっしゃいます。