TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

麻雀漫画と昭和の日本映画と文楽(人形浄瑠璃)について書くブログ

人形浄瑠璃 文楽

文楽 10月地方公演『義経千本桜』椎の木の段・すしやの段・道行初音旅『新版歌祭文』野崎村の段 神奈川県立青少年センター

今年の地方公演は『義経千本桜』が昼夜またぎの「気持ちだけ半通し」風。 ■ 昼の部、『義経千本桜』椎の木の段。以下三段目だけあらすじをまとめる。 平家滅亡後、維盛を探して高野山を目指し旅を続けるその妻・若葉の内侍〈人形=吉田勘彌〉と子息・六代君〈…

文楽 9月東京公演『良弁杉由来』『増補忠臣蔵』国立劇場小劇場

なんでこんな渋い演目の取り合わせかというと、明治150年記念企画だから、らしいです。両方とも明治期につくられた演目だとか。道理で人死にが少ないと思いました。 ■ 『良弁杉由来』。 View this post on Instagram 国立劇場(東京・半蔵門)さん(@national…

文楽 上方文化講座(8)文楽の至芸−太夫・三味線・人形、三業一体の舞台(竹本津駒太夫・鶴澤清介・桐竹勘十郎) 大阪市立大学

上方文化講座記事も最終回! 3日目2限目は津駒さん・清介さん・勘十郎さんが受講生からの質問に答えるという形式のトークショー。質問票はあらかじめ収集してあり、整理した上で久堀先生から代表質問、指名された方から回答をいただくという形だった。 文楽…

文楽 上方文化講座(7)桐竹勘十郎師に聞く−実演をまじえて(桐竹勘十郎) 大阪市立大学

上方文化講座もついに最終日。3日目1限目は本来別講義だったが、おりからの台風接近に伴って途中休講の可能性が出てきたため、大阪市立大側と技芸員さん側の配慮で時間割を変更し、本来3限目だった勘十郎さんのお話が先になった。 今回はお三輪、鱶七以外の…

文楽 9月東京公演『夏祭浪花鑑』国立劇場小劇場

今回は『夏祭浪花鑑』の現行で上演できる段をすべて出す半通しだった。 まず言いたいことは、一寸徳兵衛がどういうキャラクターなのか、やっとわかったということ。『夏祭』は一昨年(釣船三婦内・長町裏)、昨年(住吉鳥居前・釣船三婦内・長町裏)と2回観…

文楽 上方文化講座(6)『妹背山婦女庭訓』−太夫・三味線の芸(竹本津駒太夫・鶴澤清介・桐竹勘十郎) 大阪市立大学

上方文化講座2日目、続いて4限目は津駒さん・清介さんに勘十郎さんが加わってのお話。『妹背山』について、太夫・三味線・人形それぞれの立場からのコメントを拝聴する機会に恵まれた。 ちなみに上に貼っている写真は一般受講生向けの講義室への入場整理券。…

文楽 上方文化講座(5)『妹背山婦女庭訓』−太夫・三味線の芸(竹本津駒太夫・鶴澤清介) 大阪市立大学

地下鉄半蔵門駅の押上方面発車メロディが9月13日から文楽の「寿式三番叟」になるらしいです。もし「いつもの出だし」を発車メロディにされたとしたら 「誰かが……、死ぬ…………?」 って感じだから三番叟セレクト正しい。9月公演行かれる方は必聴ですね。 上方文…

文楽 上方文化講座(4)『妹背山婦女庭訓』(四段目)講読 大阪市立大学

寛治さんのこと、昨日、蝠聚会で清介さんからもご報告があった。8月に拝聴したばかり。寛治さんはしんからの芸人さんだったんだなと思う。 上方文化講座、1日目4限目と2日目1限目は久堀裕朗先生による「『妹背山婦女庭訓』(四段目)講読」。「杉酒屋の段」…

文楽 上方文化講座(3)三輪山伝承の系譜 大阪市立大学

上方文化講座、1日目3限目は趣向が変わって、日本中世文学・大坪亮介先生による「三輪山伝承の系譜」。 三輪山伝承は『妹背山』四段目の題材となっているとよく言われるが、ではその三輪山伝承とは具体的にどのようなものなのか。古典文学や類似した伝承・民…

文楽 内子座文楽『菅原伝授手習鑑』『団子売』内子座

今年は『菅原伝授手習鑑』の半通しということで、2年ぶりに行ってまいりました内子座文楽。 ■ ふたたび訪ねてみて、内子座、すばらしい建物であると改めて実感した。和と洋が混じり合った大正期独特の空気感をいまもなお残していて、白壁にいかめしい瓦の乗…

文楽 上方文化講座(2)『妹背山女庭訓』解説 大阪市立大学

上方文化講座、1日目2限目は、引き続き久堀裕朗先生による「『妹背山婦女庭訓』解説」。全体のおさらいと、構成上の工夫等、戯曲全体にかかる部分について。 『妹背山婦女庭訓』解説 INDEX ┃ 『妹背山婦女庭訓』概要 ┃ 外題の意味 ┃ ストーリー 1. 登場人物…

文楽 上方文化講座(1)文楽案内 −『妹背山婦女庭訓』の上演をめぐって 大阪市立大学

8月21〜23日、大阪市立大学で行われた「上方文化講座」に参加した。 「上方文化講座」は文学部向けの授業を一般市民にも開講するという講座。一般参加は抽選制となっており、学生と合わせて(たぶん)300人ほどが3日間にわたって授業を受けた*1。「上方文化…

文楽 7・8月大阪公演『卅三間堂棟由来』『大塔宮曦鎧』国立文楽劇場

三十三間堂っていくらなんでもあんなにごんぶとな棟木あったっけ。と思ったら、後白河上皇によって造営された当初の三十三間堂は焼失し、いまのものは後嵯峨上皇によって再建されたものだそうだ。(浄瑠璃を鵜呑みにしている人) ■ 『卅三間堂棟由来』平太郎…

文楽 7・8月大阪公演『瓜子姫とあまんじゃく』『増補大江山』戻り橋の段 国立文楽劇場

開演前、技芸員さんたちが人形を出して西日本豪雨被害の募金活動をしていて、子供たちは引率の親御さんにお小遣いをもらって募金していた。津國サンがワラワラ寄ってくる子供たちに「ありがとーっ!!!」とほがらかに対応されていた。 ■ 第一部は夏休み公演…

文楽 ながと近松文楽『出世景清』山口県立劇場ルネッサながと

ひさびさの長距離出張! 山口県長門市で開催された「ながと近松文楽」に行ってきた。 長門市へは宇部山口空港から公共交通機関だと4時間程度、車でも1時間40分程度と交通の便がかなり悪く、いままで行くことができなかった。が、今回は『出世景清』の復曲通…

文楽 6月東京・文楽若手会(文楽既成者研修発表会)『万才』『絵本太功記』夕顔棚の段・尼ヶ崎の段『傾城恋飛脚』新口村の段 国立劇場小劇場

今年の若手会、長くない!? みんなにちゃんと役を回すため!? ならいいよっ!! ■ 万才。 こういう舞踊ものって人形遣いはかなり力量が出てしまうと思うが……、玉彦さん、あの若さでかなり落ち着いて太夫を演じておられて、貫禄を感じた。 ■ 絵本太功記、夕…

文楽 6月大阪文楽鑑賞教室公演『二人三番叟』『絵本太功記』国立文楽劇場

夕顔棚の段の冒頭、舞台上手の袖にそそっと集って楽しげに「ナンミョーホーレーンゲーキョー」を唱えるお若い太夫さん方がかわいい。寺子屋の子どもたちみたいだった。 ■ 今年の大阪鑑賞教室公演は、幹部は抑えどころの脇役に回り中堅が主演格にというチャレ…

文楽 5月東京公演『本朝廿四孝』『義経千本桜』国立劇場小劇場

物語のところで勘助が座る台、前半で狸寝入りするこたつなんだって。わかんねえよ!! ■ 4月大阪公演の後、浄瑠璃を復習した甲斐あってストーリーを把握してから観ることができたため、浄瑠璃や人形の演技のディティールをよく観察することができた。やっぱ…

文楽 赤坂文楽#19『絵本太功記』尼ヶ崎の段 赤坂区民センター

吉例! 赤坂文楽に行ってきた。今回は玉男さんメインの回。 ■ 内容としては公演というより実演付きトークショーと言うべきだろうか。『絵本太功記』十段目「尼ヶ崎の段」から光秀の出、操のクドキ、松に登っての物見〜段切の3箇所をダイジェスト上演し、高木…

文楽 5月東京公演『彦山権現誓助剣』国立劇場小劇場

彦山と毛谷村がどこにあるかわかってない私ですが、大阪公演に続き東京公演も観に行きました。 ■ 第二部、『彦山権現誓助剣』。 今回は床の間際の席にしたため、太夫の声・三味線の音の生感を味わえてとてもよかった。床の直下は三味線の音の聞こえが違って…

文楽 『本朝廿四孝』全段のあらすじと整理

今回の4月大阪〜5月東京公演第一部で上演される『本朝廿四孝』は大変に入り組んだ設定を持った作品であり、どんでん返しにつぐどんでん返しのミステリ作でもある。今回は三段目のみが出るが、三段目だけ観たのでは話がまじで意味不明だったため、全段のあら…

文楽 4月大阪公演『本朝廿四孝』『義経千本桜』国立文楽劇場

今回のメイン演目『本朝廿四孝』の勘助住家。どの解説書やチラシを見てもサイコパスが思いつきを書き連ねたような脈絡のないあらすじになっているのでどうなっているのかと思っていたが、あのあらすじ群は迷妄ではなくすべて事実だった。 ■ 突然ですが私の知…

文楽 4月大阪公演『彦山権現誓助剣』国立文楽劇場

はじめのほうの日程に行って、大阪で花見するぞと思っていたら、今年は桜が咲くのが早く、初日には文楽劇場前の桜はすでに散り果てていた……。 ■ 第二部、『彦山権現誓助剣』。話がかなり細かく展開するせいか、パンフレットのあらすじ解説がいつになく概要の…

文楽 気になる人形遣い6人 −勝手に技芸員名鑑・アイドル篇−

文楽を見始めたとき、ある意味で一番苦労したのが、「技芸員さんがひとりもわからん!!!!!!!」ということだった。 あのひしめくおじさんたちは一体なんなのか。歌舞伎や落語ならテレビに出ているような人は知っている、能・狂言なら有名ドコのご宗家や…

文楽 3月地方公演『桂川連理柵』『曾根崎心中』府中の森芸術劇場

地方公演へ行くと、開演前にロビーでお人形との記念撮影が開催されているが、今回はそのお人形が赤い着物のお姫様で、すんごいモッコモコに分厚い座布団の上にチョコンと座っておられた。咲さんや燕三さんが座っている座布団より分厚い超豪華柄入りモフ座布…

文楽 『女殺油地獄』を3回観る

技芸員さんのインタビューでは「1公演を1回だけでなく、3回見て欲しい」という談話がよくある。 いままで2回観た公演は何度かあれども、チケット手配の都合などで観劇日が近接していて、人形の偶発性に左右される演技の失敗成功等はあれど、パフォーマンスそ…

文楽 2月東京公演『花競四季寿』『摂州合邦辻』国立劇場小劇場

合邦の家の前に置いてある木彫りの閻魔様は、なぜ首しかないのだろう? 経済的事由? いまから作るのかな?? ■ 配役等、基本的には1月大阪公演と同じなので、ストーリー等自体への感想は先の投稿分に任せ、今回は差分や新たに気づいたことを中心に書こうと…

文楽 2月東京公演『心中宵庚申』国立劇場小劇場

11月大阪公演で観てあまりのありがたさに合掌しそうになったかんたま『心中宵庚申』、再び。 今回は、11月大阪公演での同演目と比較しつつ、再度観劇して改めて感じたことなどを書いていこうと思う。 ↓ 2017年11月大阪公演レポ。 ■ 上田村の段では、11月大阪…

文楽 2月東京公演『女殺油地獄』国立劇場小劇場

出かける前に始太夫さんの訃報を聞いて驚いた。まだお若い、これからというお歳なのに……。とても悲しい。 ■ 2月公演はまずは第3部、女殺油地獄を観た。第1部〜第2部は登場人物人口が少ないためか、第3部に人形配役がダンゴになっちゃった結果、人形がどこを…

文楽 1月大阪初春公演『良弁杉由来』『傾城恋飛脚』新口村の段 国立文楽劇場

初春公演ははじめのほうの日程に行くと、第一部・第二部それぞれのごはん休憩時間に手ぬぐいまきがある。若手出演者3人が新年の挨拶とともに丸めた手ぬぐいを投げるイベントで、争奪競争が激しそうなイメージがあったが、意外と個数があるのと、おねだりがか…