TOKYO巡礼歌 唐獅子牡丹

麻雀漫画と昭和の日本映画と文楽(人形浄瑠璃)について書くブログ

文楽 2月東京公演『大経師昔暦』国立劇場小劇場

『大経師昔暦』。またも読めない。「だいきょうじ・むかしごよみ」だそうです。「経師」は経巻・仏画等を表装する者。「大経師」とは、経師の代表として朝廷御用を受け大経師暦の発行権を与えられた者のこと。 ■ 大経師内の段。 京都烏丸の大経師家は朝廷か…

文楽 トークイベント:吉田和生「『大経師昔暦』について」文楽座話会

2月4日開催、NPO法人人形浄瑠璃文楽主催のイベント。和生さんにご出演の第二部『大経師昔暦』について語ってもらうという趣旨の会だったが、『大経師』の話自体が微妙すぎて和生さんが途中で話すことがないと言い出し(衝撃の展開)、ほとんどが質疑応答の時…

文楽  トークイベント:桐竹勘十郎「『壇浦兜軍記』阿古屋琴責の段について」文楽座学

2月5日開催、NPO法人人形浄瑠璃文楽座主催のイベント。今回の内容は勘十郎さんから阿古屋についてお話しいただくというものだった。簡易ながら以下にお話の内容を整理し、まとめる。また、撮影可能だったため、後列席で写りは悪いけど写真もつけている。ご参…

文楽 1月大阪公演『冥途の飛脚』『壇浦兜軍記』国立文楽劇場

カンタロー、今年も手ぬぐい撒きでメチャクチャ遠投していたが、三曲弾くのに肩にあんな無茶をしていいのか。友之助さんもキャピキャピ遠投していたが、あの三味線さんたちの遠投への熱意は何なのか。むしろ手ぬぐい撒きは遠投に自信がある人が出るのか。去…

文楽 1月大阪公演『二人禿』『伽羅先代萩』『壺坂観音霊験記』国立文楽劇場

正月からロリ百合!幼子殺し!夫婦自殺!公金横領!美女拷問!と飛ばしてくる文楽劇場のキレ味鋭い初春公演に行ってきた。制作も技芸員も「首が落ちたり切腹したりしないから正月向けだよね〜^^」と思ってそうで恐怖を覚える。 ■ 『二人禿』。百合百合なカム…

文楽 『壇浦兜軍記』全段のあらすじと整理

2019年 大阪国立文楽劇場 初春公演 第二部で上演される『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)』の全段あらすじ、三段目口(阿古屋琴責の段)で阿古屋が演奏する三曲の概要をまとめる。 ┃ 概要 ┃ 登場人物 ┃ 一段目 東大寺再興《鎌倉/熱田神宮/東大寺》 ┃…

文楽 『伽羅先代萩』全段のあらすじと整理

2019年 大阪・国立文楽劇場 初春公演 第一部で上演される『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』は、現行の文楽では六段目、「御殿の段」前後の見取りのみが上演されている。 見取り上演の場合、「いきなり話が始まるので勢いについていけない」「『あんた…

文楽 12月東京文楽鑑賞教室公演『団子売』『菅原伝授手習鑑』国立劇場小劇場

同じ演目の配役違いを手軽に楽しめるのが嬉しい鑑賞教室公演。大阪の鑑賞教室はすさまじいシャッフル配役で意外性のある配役や若手の抜擢も多いけど、東京は幹部を得意なところに配役して「初心者には一番最初に最高のものを」という雰囲気。だと思っていた…

文楽 12月東京公演『伊達娘恋緋鹿子』国立劇場小劇場

『鎌倉三代記』で集中力を使い切ってしまい、客席まったりしているところで始まる『伊達娘恋緋鹿子』。なんかこう、それなら『鎌倉三代記』の現行で出せる段ぜんぶ出せばいいのではと思ってしまうのだが……。 ■ 八百屋内の段 雪がちらつく本郷の町。八百屋久…

文楽 12月東京公演『鎌倉三代記』国立劇場小劇場

いつもは部ごとに感想を書いているが、『鎌倉三代記』のあらすじをまとめていたらそれだけで1万字を超えてしまったため、12月本公演の記事は『鎌倉三代記』と『伊達娘恋緋鹿子』で分割しようと思う。まずは『鎌倉三代記』から。 登場人物全員狂人の「ザ☆文楽…

文楽 11月大阪公演『鶊山姫捨松』『女殺油地獄』国立文楽劇場

■ 鶊山姫捨松。漢字が読めない。ひばりやま・ひめすての・まつ。 これも事前に全段を読む予習をした。「中将姫雪責の段」に至るあらすじは以下のようなものだった。(参考文献:叢書江戸文庫11『豊竹座浄瑠璃集 二』校訂=白瀬浩司、河合祐子/国書刊行会/1990…

文楽 11月大阪公演『蘆屋道満大内鑑』『桂川連理柵』国立文楽劇場

国立劇場の文楽プロモーション動画は結構頑張っているが、文楽劇場制作の動画は天然のなせる技で、平成初期のお父さんのホームビデオのようだ。なぜこんな場所で撮っているのか、なぜこんなに手振れしているのか、なぜこの二人はペア役なのにまったく息が合…

酒屋万来文楽『嫗山姥』廓噺の段 白鷹禄水苑

今年も西宮の白鷹文楽へ行った。 ■ 嫗山姥……。すでに漢字が読めない。こもち・やまんば、と読むそうだ。滅多に出ない演目だからか、調べても出てくる要約が要領を得ないので、国会図書館のデジタルコレクションで全段を読んだ。 狂言全体としては、源頼光に…

文楽 10月地方公演『義経千本桜』椎の木の段・すしやの段・道行初音旅『新版歌祭文』野崎村の段 神奈川県立青少年センター

今年の地方公演は『義経千本桜』が昼夜またぎの「気持ちだけ半通し」風。 ■ 昼の部、『義経千本桜』椎の木の段。以下三段目だけあらすじをまとめる。 平家滅亡後、維盛を探して高野山を目指し旅を続けるその妻・若葉の内侍〈人形=吉田勘彌〉と子息・六代君〈…

文楽 9月東京公演『良弁杉由来』『増補忠臣蔵』国立劇場小劇場

なんでこんな渋い演目の取り合わせかというと、明治150年記念企画だから、らしいです。両方とも明治期につくられた演目だとか。道理で人死にが少ないと思いました。 ■ 『良弁杉由来』。 View this post on Instagram 国立劇場(東京・半蔵門)さん(@national…

文楽 上方文化講座(8)文楽の至芸−太夫・三味線・人形、三業一体の舞台(竹本津駒太夫・鶴澤清介・桐竹勘十郎) 大阪市立大学

上方文化講座記事も最終回! 3日目2限目は津駒さん・清介さん・勘十郎さんが受講生からの質問に答えるという形式のトークショー。質問票はあらかじめ収集してあり、整理した上で久堀先生から代表質問、指名された方から回答をいただくという形だった。 文楽…

文楽 上方文化講座(7)桐竹勘十郎師に聞く−実演をまじえて(桐竹勘十郎) 大阪市立大学

上方文化講座もついに最終日。3日目1限目は本来別講義だったが、おりからの台風接近に伴って途中休講の可能性が出てきたため、大阪市立大側と技芸員さん側の配慮で時間割を変更し、本来3限目だった勘十郎さんのお話が先になった。 今回はお三輪、鱶七以外の…

文楽 9月東京公演『夏祭浪花鑑』国立劇場小劇場

今回は『夏祭浪花鑑』の現行で上演できる段をすべて出す半通しだった。 まず言いたいことは、一寸徳兵衛がどういうキャラクターなのか、やっとわかったということ。『夏祭』は一昨年(釣船三婦内・長町裏)、昨年(住吉鳥居前・釣船三婦内・長町裏)と2回観…

文楽 上方文化講座(6)『妹背山婦女庭訓』−太夫・三味線の芸(竹本津駒太夫・鶴澤清介・桐竹勘十郎) 大阪市立大学

上方文化講座2日目、続いて4限目は津駒さん・清介さんに勘十郎さんが加わってのお話。『妹背山』について、太夫・三味線・人形それぞれの立場からのコメントを拝聴する機会に恵まれた。 ちなみに上に貼っている写真は一般受講生向けの講義室への入場整理券。…

文楽 上方文化講座(5)『妹背山婦女庭訓』−太夫・三味線の芸(竹本津駒太夫・鶴澤清介) 大阪市立大学

地下鉄半蔵門駅の押上方面発車メロディが9月13日から文楽の「寿式三番叟」になるらしいです。もし「いつもの出だし」を発車メロディにされたとしたら 「誰かが……、死ぬ…………?」 って感じだから三番叟セレクト正しい。9月公演行かれる方は必聴ですね。 上方文…

文楽 上方文化講座(4)『妹背山婦女庭訓』(四段目)講読 大阪市立大学

寛治さんのこと、昨日、蝠聚会で清介さんからもご報告があった。8月に拝聴したばかり。寛治さんはしんからの芸人さんだったんだなと思う。 上方文化講座、1日目4限目と2日目1限目は久堀裕朗先生による「『妹背山婦女庭訓』(四段目)講読」。「杉酒屋の段」…

文楽 上方文化講座(3)三輪山伝承の系譜 大阪市立大学

上方文化講座、1日目3限目は趣向が変わって、日本中世文学・大坪亮介先生による「三輪山伝承の系譜」。 三輪山伝承は『妹背山』四段目の題材となっているとよく言われるが、ではその三輪山伝承とは具体的にどのようなものなのか。古典文学や類似した伝承・民…

文楽 内子座文楽『菅原伝授手習鑑』『団子売』内子座

今年は『菅原伝授手習鑑』の半通しということで、2年ぶりに行ってまいりました内子座文楽。 ■ ふたたび訪ねてみて、内子座、すばらしい建物であると改めて実感した。和と洋が混じり合った大正期独特の空気感をいまもなお残していて、白壁にいかめしい瓦の乗…

文楽 上方文化講座(2)『妹背山女庭訓』解説 大阪市立大学

上方文化講座、1日目2限目は、引き続き久堀裕朗先生による「『妹背山婦女庭訓』解説」。全体のおさらいと、構成上の工夫等、戯曲全体にかかる部分について。 『妹背山婦女庭訓』解説 INDEX ┃ 『妹背山婦女庭訓』概要 ┃ 外題の意味 ┃ ストーリー 1. 登場人物…

レンタルサイクルで巡る湖北の国宝・重文仏像 一日旅

上方文化講座でせっかく西日本へ行くことだからと、大阪へ行く前後に小旅行をくっつけた。これはそのひとつ。 琵琶湖の北部、いわゆる湖北と呼ばれる滋賀県長浜市には、京都・奈良のような都とは違った仏像がある……ということで、湖北の仏像めぐりに行ってき…

文楽 上方文化講座(1)文楽案内 −『妹背山婦女庭訓』の上演をめぐって 大阪市立大学

8月21〜23日、大阪市立大学で行われた「上方文化講座」に参加した。 「上方文化講座」は文学部向けの授業を一般市民にも開講するという講座。一般参加は抽選制となっており、学生と合わせて(たぶん)300人ほどが3日間にわたって授業を受けた*1。「上方文化…

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『新版歌祭文』『日本振袖始』国立文楽劇場

ところでいま思い出したが、こないだ東京公演で近くに座っていた20歳ばかりのヤング男子が勘壽さんにキャーキャーしていた。本当にモテる男は違うなと感じた。 ■ 『新版歌祭文』野崎村の段。 これ、今回の夏公演イチの注目演目じゃなかろうか。人形もとって…

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『卅三間堂棟由来』『大塔宮曦鎧』国立文楽劇場

三十三間堂っていくらなんでもあんなにごんぶとな棟木あったっけ。と思ったら、後白河上皇によって造営された当初の三十三間堂は焼失し、いまのものは後嵯峨上皇によって再建されたものだそうだ。(浄瑠璃を鵜呑みにしている人) ■ 『卅三間堂棟由来』平太郎…

文楽 7・8月大阪夏休み特別公演『瓜子姫とあまんじゃく』『増補大江山』戻り橋の段 国立文楽劇場

開演前、技芸員さんたちが人形を出して西日本豪雨被害の募金活動をしていて、子供たちは引率の親御さんにお小遣いをもらって募金していた。津國サンがワラワラ寄ってくる子供たちに「ありがとーっ!!!」とほがらかに対応されていた。 ■ 第一部は夏休み公演…

文楽 ながと近松文楽『出世景清』山口県立劇場ルネッサながと

ひさびさの長距離出張! 山口県長門市で開催された「ながと近松文楽」に行ってきた。 長門市へは宇部山口空港から公共交通機関だと4時間程度、車でも1時間40分程度と交通の便がかなり悪く、いままで行くことができなかった。が、今回は『出世景清』の復曲通…